撮影日記


2017年08月24日(木) 天気:晴

IX-NIKKORは,なぜPRONEA専用なのか?

IX-NIKKORは,APS一眼レフカメラPRONEAシリーズ専用レンズとして発売された,コンパクトなレンズである。PRONEAシリーズのレンズマウントはニコンFマウントと同じものであり,PRONEAシリーズボディでは当時発売されていたほとんどの一眼レフカメラ用ニッコールレンズを使うことができる。だからIX-NIKKORもニコンFマウントレンズなのだが,カタログ等では「PRONEA以外のボディでは使えない」という注意書きがされている。
 これは,どういう事情によるものだろうか?
 理由としてまず考えられるのは,APSでの画面サイズがライカ判よりも小さいことである。イメージサークルがAPSの画面サイズぎりぎりに設計されていれば,ライカ判のカメラで使うと四隅がケラレることになる。それが理由だとすれば,APS-Cサイズの撮像素子をもつディジタル一眼レフカメラなら,問題なく使えるのではないかと思うのだが,それも使用できないことになっている。
 百聞は一見にしかず。一昨日救出した,IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6をNikon D70に装着してみよう。

装着することができない。
 IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6は,後部が大きくつきだしている。これが支障になって,PRONEA以外のカメラには装着できなくなっているのである。
 このような支障を用意してまで,PRONEA以外のカメラに装着できないようにしているのは,やはり周囲がケラレるなど描写に問題があるからだろうか?それをたしかめるには,なんとかしてIX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6をほかの一眼レフカメラに装着できるようにしたい。

後部のつきだしている部分をよく見れば,小さなネジがある。

5本あるネジのうち3本をはずせば,つきでている部分をとりのぞくことができた。そこはただのカバーになっているようで,これをとりのぞいても動作に問題はなさそうである。

この状態で,カメラに装着することができた。
 機構がむきだしになっているので,気持ちはあまりよろしくない。
 シャッターレリーズボタンを半押しにすれば,露出計も反応するし,オートフォーカスも動作する。電気接点は残り2本のネジで固定されているから,動作について問題なさそうである。

シャッターレリーズボタンを押しこむと,カメラはちゃんと動作した。
 しかし,画面のほんの一部しか写っていない。
 後部につきだしたカバーをはずしても,後玉そのものもかなりつきでているので,ミラーの動作に干渉するようである。

いろいろ試した結果,レンズを少し望遠側にズームさせる(80mm程度以上にする)ことで,ミラーの動作と干渉しなくなるようである。そこにさえ注意すれば,IX-NIKKOR 60-180mm F4.5-5.6はPRONEA以外のニコンFマウントボディに装着でき,シャッターやミラーも問題なく動作するようである。

今夜はもう遅いので,試し撮りは明日にしよう。

ここで示しているものは,勝手におこなっている「改造」にあたる。これによってなんらかのトラブルがおこる可能性もあるので,同様のことを試すときは自分自身の責任においておこなうこと。


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