撮影日記


2017年07月07日(金) 天気:雨

サムスンのシュナイダーはこんなに多機能

20世紀の終わりごろになると,カメラといえば「日本製」という印象が強くなっていた。もはや,かつて有力であったドイツやアメリカのメーカーによるカメラは,ニッチな領域でのみ発売されているような状況である。そのような状況において韓国のサムスンは,日本製のカメラに対して真っ向から勝負を挑んだ唯一のメーカーだったといえるのではないだろうか。
 日本市場で大々的に販売されたのは,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」に掲載された1996年から1997年にかけてのころに限定されるのかもしれないが,海外ではさらに販売がつづいていたようである。
 このほど,Samsung KENOX 140ipを含めて,Samsungのコンパクトカメラを4機種,入手することができた。

SAMSUNG MAXIMA Zoom 145 (SlimZoom 145)

入手した4機種のうち,Samsung MAXIMA Zoom 145は,日本カメラショー「カメラ総合カタログvol.113」(1997年)に記載されていた,Samsung SlimZoom 145 (スリムズーム145)と同じものと思われる(*1)。名称は「スリム」だが,高機能多機能でやや大柄なカメラであり,「スリム」という印象はまったくない。「マキシマ」のほうが,このカメラの特徴をあらわすのにふさわしいネーミングだと思う。
 カメラ上面のボタンで撮影モード等の設定をおこなうようになっており,Samsung KENOX 140ipで見られたような「B」(バルブ),ステップズーム,ポートレイトモード,連写にくわえて,インターバルショット,ファジーズームなど,多くの機能が用意されている(2017年7月4日の日記を参照)。

SAMSUNG KENOX 140ip

Samsung KENOX winner140は,Samsung KENOX 140ipの下位モデルに相当するように思われる。Samsung KENOX 140ipほどの機能は用意されていないが,それでも連写,ポートレイトモード,ダブルセルフタイマー,連写,遠景モード,バルブなどの各機能が用意されている。

SAMSUNG KENOX winner 140

Samsung MAXIMA Zoom 105Tiも下位モデルのカメラのようだ。それでも,Samsung KENOX winner 140と同等の機能が用意されている。

SAMSUNG MAXIMA Zoom 105 Ti

Samsungのカメラのラインアップの全貌は,よくわかっていない。たった2年間だけ記載があった,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」の内容を参考にすれば,Schneider VARIOPLANレンズを搭載した上位モデルとSamsung Lensの下位モデルがラインアップされていたことは間違いない。いずれも,ポートレイトモードや遠景モードがあるなど,基本的に多機能であることが,このころのSamsungのカメラに共通する特徴のようだ。日本製のコンパクトカメラにくらべて,下位モデルでも比較的多機能になっているのは,日本製カメラに対して真っ向からの勝負を挑んだ結果であるといえるだろうか。
 ここで紹介した4機種も,Samsung MAXIMA Zoom 145とSamsung KENOX 140ipは,Schneider銘のレンズを搭載していることから上位モデルと考えられ,Samsung KENOX winner 140とSamsung MAXIMA Zoom 105TiはSAMSUNG SHD LENSを搭載していることから下位モデルと考えられる。なお,Schneider銘レンズの機種は,Made in Koreaであり,SAMSUNG銘レンズの機種は,Made in Chinaになっていた。
 これまで,中古カメラ店でSamsungのコンパクトカメラを見かけたことは,なかった。Samsungのカメラの全貌を知ることは,少々,面倒なことかもしれない。不用意に,深みにはまりこまないようにしたい。

*1 「カメラ総合カタログ vol.113」に掲載されていたSamsungのカメラは,次の5機種であった。扱いは,「三星電子ジャパン株式会社」である。
  ・スリムズーム145 65,000円(ケース,リモコン付)
  ・ECX-1S 59,800円(ケース,リモコン付)
  ・スリムズーム125 48,000円(ケース,リモコン付) ※vol.111より4,000円値段が下がっている。
  ・スリムズーム115A 45,000円(ケース,リモコン付)
  ・ローカス200 32,000円 ※APS,1997年9月21日発売予定


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