撮影日記


2017年06月26日(月) 天気:曇

いまさらフォーサーズ オリンパスE-300を保護

落札したジャンクカメラのセットには,OLYMPUS L-30が含まれていた。

オリンパスLシリーズは,ズームレンズ一体型の一眼レフカメラである。オートフォーカスとAEが使えるので押すだけで撮影でき,コンパクトカメラよりも一回り大きなレンズを使っていることから,描写も悪くない。そのため,これ1台で多くの撮影場面に対応できる。グリップ部も握りやすく,カメラを上から見たときに「L」字型をしていることもあって,「Lシリーズ」を名乗っている。
 その反面,コンパクトカメラにくらべると,ずいぶん大きく重い。一般的な一眼レフカメラも大きいが,ボディとレンズを分離できるので,小さな空間にでもうまく収まる。かつて,出張などのときにもっていくのに便利そうだからと,OLYMPUS L-1を購入した(2001年3月3日の日記を参照)。扱いやすく,写りも悪くないカメラだが,カバンへのおさまりがよくない。そのため結局,使わなくなった。
 さらに,OLYMPUS L-10も入手した。こちらは使用しないときには鏡胴部が短くなるので,比較的コンパクトである。それでもカメラは大きく,電源をON/OFFするたびに鏡胴が大きく伸縮するので,使用感がいまひとつ軽快ではない。大きさ重ささえいとわなければ,OLYMPUS L-10よりもOLYMPUS L-1のほうがずっと,使いやすいし安心して使える。
 OLYMPUSはかつて,OMシリーズという高い評価を得ていた一眼レフカメラのシリーズを展開していた。一眼レフカメラにオートフォーカス機能が取り入れられる過程でオートフォーカスのOLYMPUS OM-707が発売されたが,後継機が発売されることはなく,そのままOMシリーズはフェードアウトしていった。OLYMUSのオートフォーカス一眼レフカメラは,OLYMPUS Lシリーズのみとなっていた。OLYMPUS Lシリーズはモデルチェンジが重ねられていったが,このたび救出したOLYMPUS L-30はそのような機種の1つである。いまのところ,OLYMPUS Lシリーズをコンプリートするつもりはない。

OLYMPUS Lシリーズは,ディジタルカメラでも展開された。初期のメガピクセル機の1つ,OLYMPUS C-1400Lは,一般向けとしてははじめてのディジタル一眼レフカメラとして話題になり,評価も高かった。

OLYMPUS C-1400Lは,レンズ前面にフィルタが装着できるようにネジが切ってある。これだけで,撮影時にやりたいことがぐっと広がる。
 また,当時はバッテリーの消費も問題になっていたから,一眼レフというスタイルをとることで消費電力が大きくなる液晶モニタをオフにしておけるというメリットも考えられていた。

しかし,ディジタルカメラの分野は陳腐化も早い。じきに私のなかでも,OLYMPUS C-1400Lは記憶から遠のき,「オリンパスの一眼レフカメラ」は消えていくようにも感じられた。

ところが,「オリンパスの一眼レフカメラ」は,そう簡単には消え去らない。2003年10月に,OLYMPUS E-1という,あたらしいディジタル一眼レフカメラが発売された。従来のOMシリーズとの互換性等のない,まったくあたらしいシステムである。このシステムは,撮像素子の大きさが4/3インチ型であることから,「フォーサーズシステム」と称した。コダックとともに提唱した規格であり,Panasonicなど複数のメーカも賛同して,この規格のカメラがいろいろと発売された。
 ディジタルカメラ専用の規格とされるフォーサーズシステムはさまざまな特徴をアピールしているが,とくにレンズの性能を重視しているように思われる。撮像素子はその構造上,光ができるだけ垂直にあたるようになっていることが望ましい。従来のカメラで使われていたレンズでは,とくに広角レンズになると周辺部は光が斜めにあたることになり,画質の低下をまねくとしている。それを意識してレンズが設計されたためか,撮像素子が小さなわりにはレンズが大きなものになっているようだ。
 フォーサーズシステムは画質面で一定の評価を得たものの,主流となることはなかったようだ。その後,いわゆる「ミラーレス」カメラである,マイクロフォーサーズシステムへ移行して,もともとのフォーサーズシステムは静かに終焉を迎えた。

オリンパスからは,上位機種からエントリーモデルまで,いつくものフォーサーズシステムのディジタル一眼レフカメラが発売された。このたび落札したジャンクカメラのセットには,OLYMPUS L-30のほかに,フォーサーズシステムのエントリーモデルOLYMPUS E-300も含まれていた。
 四角くフラットなボディなので,ぱっと見には,ディジタル一眼レフカメラであることがわからない。

撮像素子が小さいし,私はオリンパス信者というわけでもないので,これまでフォーサーズシステムにはほとんど関心がなかった。OLYMPUS Eシステムのカメラをさわるのは,はじめてのことである。もっとも,バッテリーもなければ,レンズも(マウントアダプタも)ない。それらを今さら買い集めるのも,面倒である。だから,このまま「バッテリーやレンズとのよい出会いがやってくるまで」放置しておこうかと考えた。自分から積極的に出会いをつくることは,考えなかった。
 しかし,このマウントのなかが見えたとき,その考えをあらためた。
 なんだこれ,ミラーが横向きについている?
 一眼レフカメラは,撮影レンズを通った像を,ミラーで上部にあるファインダスクリーンに誘導する。だからミラーは,水平方向の軸に取りつけられていて,上へ跳ねるようになっている。ところがOLYMPUS E-300のミラーは,垂直方向の軸に取りつけられており,右へ跳ねるようになっているようにしか見えない。
 このしくみは,どこかで見たことがある。
 そうだ,OLYMPUS-PEN Fだ。ハーフサイズ一眼レフカメラ,オリンパス・ペンFのミラーも,垂直方向の軸に取りつけられていたんだ。
 そうなると,俄然,OLYMPUS E-300にも興味がわいてくる。
 手持ちのバッテリーをあわせてみるが,流用できそうなものはない。OLYMPUS E-300のバッテリー端子に電源を直結してみたところ,OLYMPUS E-300は起動した。カメラそのものは,とくに故障していないようだ。
 バッテリーとレンズを,能動的にさがすことにしたのである。


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