撮影日記


2017年03月02日(木) 天気:あめ

AF動作がおかしい?
さすがにジャンク品か,PENTAX K100D
(ディジタルPENTAXでマニュアルレンズを使う方法)

Canon EOS 10Dで,M42マウントレンズを使ってみようと考えた。そのようなとき,もっとも一般的な選択肢は,Canon EOSでM42マウントレンズを使うためのマウントアダプタを買うことである。そのとき,M42マウントレンズ以外のレンズも使えるようにしたいなと,欲が出た。たとえばCanon EOSでKマウントのレンズを使うためのマウントアダプタと,KマウントボディでM42マウントレンズを使うためのアダプタを組みあわせれば,M42マウントレンズだけでなく,Kマウントレンズも使えるようになる。それならば,KマウントのPENTAXのディジタルカメラを入手するほうがなにかと好都合になる。個人的にこだわっているのは,KodakかFUJIのディジタルカメラで撮影することであり,Canon EOSのディジタルカメラで撮影することにはこだわっていない。KodakかFUJIのディジタルカメラすなわちNikon Fマウントのディジタルカメラは,マウントアダプタで遊ぶことに適していない。マウントアダプタで遊ぶためのディジタルカメラは,CanonでもPENTAXでもかまわないのである。

PENTAX K100Dは,じゅうぶんに安価に入手できたと思っている。落札価格と送料をあわせても,Canon EOSでKマウントレンズを使うマウントアダプタの3個分にも満たない金額で入手できた。付属してきたSMC PENTAX-A Zoom 35-70mm F4レンズには,激しいカビが生じていたが,この価格ならば文句はない。カビはおおむね除去できたので,動作確認に使うにはじゅうぶんである(2017年2月27日の日記を参照)。
 PENTAX K100Dで,個人的にもっとも高く評価したい点は,電源に単3型電池(4本)が使えることである。電池の心配が不要なことは,ディジタルカメラにとって大きなメリットだ。単3型電池は,専用のリチウムイオンバッテリーなどにくらべると性能が劣る面もあるが,今後も長く比較的安価で入手しやすいものでありつづけるだろう。それと,古いレンズでも使えるように配慮されている点も,高く評価する。

PENTAXのKマウントレンズは,時代によっていくつかに分類することができる。分類の基準はいろいろあるが,ここでは大きく3つに分類するのがよいと思う。
 1つは,オートフォーカスに対応したレンズ(Fレンズ)で,このレンズならばオートフォーカスを含めてPENTAX K100Dの機能をすべて利用できる。
 あとの2つはマニュアルフォーカスのレンズで,初期のレンズ(KレンズおよびMレンズ)と,電気接点があってマルチモードAEに対応したレンズ(Aレンズ)の2つにわけられる。Aレンズの絞りリングを「A」のポジションにすれば,PENTAX K100DでもマルチモードAEの機能が使える。このとき絞りは,カメラ本体のダイアルで設定することになる。もちろん,液晶ディスプレイ等に絞り値が表示される。
 初期のKレンズおよびMレンズには,「A」のポジションがない。PENTAX K100Dで使うためには,メニューの「カスタム」設定を変更する必要がある。

まずは,レンズの絞りリングが使えるようにしなければならない。

絞りリングの使用を許可しても,初期のレンズはPENTAX K100DでマルチモードAEの機能が使えない。開放で絞り優先AEで使うか,マニュアル露出モードで使うことになる。マニュアル露出モードのとき,カメラに内蔵された露出計で開放測光が使えない。そこで,「MでのAE-Lボタン」を「Tvシフト」に設定する。

このように設定すると,マニュアル露出モードのときにAE-Lボタンを押すと,レンズが一瞬絞りこまれて測光され,適切なシャッター速度が設定される。そのままレリーズすれば,適正露出で撮影されることになる。マニュアル露出モードだから,このシャッター速度はそのまま維持されるし,絞りはレンズの絞りリングで固定している。スナップ的な撮影には,AEがはたらいて露出がころころかわるよりも,好都合な場合があるかもしれない。この機能があるために,PENTAX K100Dでは(少々まどろっこしい面もあるが)古いレンズでも活用できるのである。

このまま快調に使えそうに感じたPENTAX K100Dだが,動作のおかしい点もあった。マニュアルフォーカスのレンズであっても,「Sレンズ使用時のFI」を「利用可能」のように設定したのだから,ファインダー内のフォーカスインジケータは使えるはずである。

念のためにオートフォーカス用のFレンズを装着しても,オートフォーカスははたらかない。
 このPENTAX K100Dは,オートフォーカスの故障したジャンク品だった,ということだろうか。マニュアルフォーカスのレンズで遊ぶつもりで入手したものだし,じゅうぶんに安価だったから許せるが,動作に不具合があるというのは少し残念である。
 それでも諦めきれずに調べていると,「撮影時のOKボタン」という設定項目に「AF作動」というものがあるのをみつけた。

本来はシャッターレリーズボタンを半押ししたときに,オートフォーカスがはたらくはずである。だが,「撮影時のOKボタン」を「AF作動」にすると,シャッターレリーズボタンの半押しではオートフォーカスがはたらかないかわりに,背面の「OK」ボタンを押すことでオートフォーカスがはたらくことになる,という。設定を変更して試してみると,見事にオートフォーカスが動作してくれた。マニュアルフォーカスのレンズを使うときにも,フォーカスインジケータが有効になっている。
 シャッターレリーズボタンの半押しではオートフォーカスがはたらかないという不具合があるものの,いちおう一通りの機能が利用できることはわかった。さっそく,M42マウントのレンズを使うためのマウントアダプタを入手して,KマウントレンズとM42マウントレンズでいろいろと遊んでみよう。


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