撮影日記


2017年02月21日(火) 天気:晴

AEファインダーに難あり?
この「マミヤ645スーパー」は使えるのか?

マミヤZEシリーズは,マミヤが発売したさいごの35mm判一眼レフカメラである。マミヤZEシリーズには,多数の電気接点で情報をやりとりするようなマウント(マミヤはこれを「ミラクルマウント」と称していた)をもった交換レンズ群が用意されていた。そのほか,マミヤ純正のアクセサリとして,旧来のねじ込み式であるM42マウントレンズを使うためのマウントアダプタと,中判カメラ(セミ判一眼レフカメラ)であるM645用の交換レンズを使うためのマウントアダプタが用意されていた(2010年9月3日の日記を参照)。売られているのを見かける機会の少ないアイテムであるが,これを必要としている人は多くないと思われる。使いたい人は,じっくりと出会いを待つのがよいだろう。
 ともあれ,これらのマウントアダプタによって,マミヤZEシリーズで使えるレンズの幅は,ぐんと広がるのである。とくに,M645用の交換レンズを使うためのマウントアダプタがあれば,望遠レンズや超望遠レンズのバリエーションが広くなる。これまでにMamiya-sekor ZOOM ULD C 105mm-210mm F4.5(2012年10月7日の日記を参照)とMamiya-sekor C 300mm F5.6(2017年2月16日の日記を参照)とを入手してきたが,このほどMamiya-sekor C 80mm F2.8Nをごく安価にて譲っていただく機会があった。

80mm,105mm〜210mm,300mmの3本があれば,一般的な望遠域はほぼカバーできたといえる。本来のマミヤZEシリーズ用のレンズとしては,28mm〜50mm,35mm〜70mmと,50mm F1.7の標準レンズ,50mm F3.5のマイクロレンズも入手しているので,必要なレンズはほぼ網羅したことになる。ここまでそろえたのだから,マミヤZEシリーズのカメラを使って「作品」とよびたくなる写真を撮っていくべく,気合を入れねばならぬ。

さて,このほど譲っていただいた,Mamiya-sekor C 80mm F2.8Nには,「おまけ」もあった。「おまけ」一式を含めると,このようになる。

「マミヤ645スーパー」ボディ,ロールフィルムホルダとAEプリズムファインダーが,Mamiya-sekor C 80mm F2.8Nの「おまけ」であった。
 それは,なにか間違っていないか?
 標準レンズのほうが「おまけ」だろ?
…と思われた人もあるかもしれない。たしかに,ふつうはそうだ。そのとおりだ。だが,今回は,レンズが主であり,そのほかが「おまけ」であった。それには当然,事情がある。譲ってくださった方によれば,「ボディが不安定で動いたり動かなかったりする」とのことである。どうやら,故障しているらしい。

しかし,このカメラはごく丁寧に扱われていたのであろうか,外見はとてもきれいである。これが動かないというのは,あまりに不憫だ。
 まずは,どのように不調なのか確かめるべく,電池を入れた。巻き上げれば,ちゃんとシャッターはチャージされた。ファインダーを覗いて,シャッターレリーズボタンに軽く触れると,シャッター速度等が表示された。AEプリズムファインダーや,露出計は,とりあえず動作しているようである。そこでシャッターレリーズボタンを押しこむ…が,シャッターは動作しない。AEプリズムファインダーの設定,ボディの感度設定,シャッタースピードダイアルなど,いろいろ変えてみても,反応はしない。
 Mamiya 645 Superのシャッターは電子制御式だが,緊急用に1/60秒の機械式シャッターが用意されている。モードを切り替えてシャッターレリーズボタンを押したところ,バシャンとシャッターは動作した。問題点は電気回路にあるようで,シャッターのユニットが機械的に壊れているわけではないようだ。
 まずは,ボディとファインダーとの接続に問題がないか確かめるべく,ファインダーをはずした。多数の電気接点があるが,いずれもきれいに見える。念のために接点を掃除して,あらためてファインダーを装着するが,状況はかわらない。露出計は動作しているようだが,シャッターは動作しない。
 つぎに,ファインダーをはずしたままで,シャッターレリーズボタンを押してみた。こんどは,シャッターが動作する。シャッター速度ダイアルを動かせば,それに応じてシャッターの動作もかわる。ボディとAEプリズムファインダーの連携,あるいは,AEプリズムファインダーに問題がありそうだ。
 AEプリズムファインダーをはずした状態であれば,ボディはちゃんと動作するようだからといって,ファインダーをはずしたままでは使いにくい。ウエストレベルファインダーを調達しようかと考えたが,とりあえずファインダーとの接点の一部を絶縁しておくことにした。これでいちおう,撮影に使うことができる。

マミヤZEシリーズが発売されていた当時,日本カメラショー「カメラ総合カタログvol.73」(1982年)には,こういう記述があった。

ガッチリと被写体を狙う時はM645で スナップ撮影にはZEと撮影領域をグーンと広げてください。

この当時,マミヤ645シリーズを使うようなプロやマニアが35mm判カメラを併用していたとすれば,大半はニコンかキヤノンだったことだろう。もしかしたら,オリンパスやミノルタを併用していた人はいたかもしれないが,少なくともマミヤZEシリーズを併用していた人がいたようには思えない。そもそもマミヤZEシリーズは,中古カメラ店で見かける機会が少ないことから,あまり売れなかったとしか思えない。だからいま,私がやってやろうじゃないか。撮影領域をグーンと広げてやろうじゃないか。そのうちに(笑)。


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