撮影日記


2016年11月07日(月) 天気:晴

広島市内も紅葉は進む
ほんとうの色はどこへ行った?

常清滝三段滝では紅葉の進行が例年よりも遅いように感じられたが,それでも紅葉は確実に進行する。広島市内では,川沿いのサクラの葉が色づきはじめてきた。そんな1枚に狙いを定めて,Kodak DCS 460で撮る。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

紅葉が進行している,とはいえ,こんな色ではない。赤に,偏りすぎている。 Kodak DCS 460には,撮影した画像をJPEG形式で出力する機能がない。撮影した画像をRawTherapeeで「現像」すると,とくに補正しなければ赤っぽくなることはわかっていた(2016年1月22日の日記を参照)。紅葉の撮影では,その赤っぽさが効果的にはたらくものと期待して,Kodak DCS 460で撮った。それでもこれは,赤すぎる。
 紅葉した葉を画面に大きく取り入れたから,色が偏ったのだろうか?別の画像でも確認してみよう。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

ホワイトバランスを「カメラ」にして出力した結果は,画面全体が赤いというよりも,緑が出ていないという感じである。色温度は,6490Kになっている。理論的にはこれが「標準」の色温度ということだろうが,太陽光線の色温度とされる5500Kとは,大きく異なる。では,RawTherapeeのホワイトバランスを,「太陽光」にして出力してみよう。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

色温度を変更しただけでは,緑は出てこない。では,「自動補正」にすれば,どうなるだろうか。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

これならば,それらしい色が出てくれた。ホワイトバランスを「自動補正」にしたところ,色温度は7717Kとなり,色偏差が1.549でずいぶんと緑に寄った補正がされている。そもそも,緑が出ていなかったのである。これは,Kodak DCS 460の特性によるものなのか,RawTherapeeの特性によるものなのか,わからない。あるいはKodak DCS 460の撮像素子の劣化等が原因の,この個体だけのことなのかもしれないが,それもわからない。ともあれこのことから言えるのは,それらしい色を得るには緑に寄った補正が必要になりそうだ,ということである。さらに露光量や,コントラスト,彩度などを「自動露光補正」ではなく,「ニュートラル」にしていろいろいじり,このような結果に落ち着かせることにした。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

これと同じ設定を,はじめの葉の画像に適用してみる。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

まだ,派手すぎるような気がする。しかし,実際の色は,もう覚えていない。
 どうせ元の色がわからないのなら,思い切って偏らせてみるのもアリだ。この画像ならば,色の基準になりそうなものも写っていない。これで,いいのだ。

Kodak DCS 460, Ai NIKKOR 50mm F1.8S

← 前のページ もくじ 次のページ →