撮影日記


2016年11月05日(土) 天気:晴

天狗シデでも逆光は勝利

昨日の日記の続き。

昨日は,常清滝を撮影後,三段峡の三段滝を訪れることを計画していた。
 この時期,三段滝の撮影は,早朝が都合よい。お昼近くになってくると,滝の上のほうには日光があたりだす。滝の下のほうはずっと日陰なので,明暗差がつきすぎて撮りにくくなるからだ。一方,同じような理由で,常清滝も早朝の撮影が都合よい。地図をご覧いただければわかるだろうが,この2か所はかなり離れている。早朝に2か所をかけもちするのは,それなりの根性が必要である。
 常清滝から三段滝へできるだけ早く行きたいときは,国道375号線から高北広域農道を経て,高田ICから戸河内ICまで中国道を走ればよい。道の流れにとくに問題なければ,1時間半くらい三段峡の駐車場まで到達できるだろう。

しかし,常清滝で長居をしてしまったので,今から急いでも三段滝に到着するのは,思っていたよりもずいぶんと遅くなる。また,常清滝では例年ほどは紅葉がすすんでいなかったので,三段滝の紅葉もまだタイミングが早いであろうと予想される。だから今日は,無理に急ぐ必要はなり。
 急ぐ必要がないとなれば,景色を楽しみながら一般道を走るのもよい。
 常清滝から国道375号線を,高田ICへ行くのとは逆向きに曲がる。そして,伊賀和志から宇都井,出羽(いずわ),瑞穂を経て,大朝をめざす。当初は予定していなかった,大朝の天狗シデに立ち寄ることにした。
 朝の常清滝とは違い,ここにはカメラをもった人の姿がちらほらある。11月下旬にもなるとすっかり葉を落とすようだが(2014年11月23日の日記を参照),いまはまだ,ほどよく葉が残っている。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 14mm F3.5

天狗シデは,見ての通り,幹や枝が激しく曲がりくねっている。さらにここは,傾斜地でもある。したがって,どれが水平なのかにこだわることは,無駄な抵抗にほかならない。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

ここに自生する天狗シデは,どれも魅力的な姿をしている。
 この日,いちばん魅力的に感じたのは,この木だった。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

ちょうど逆光になる位置から眺めれば,シルエットになった幹の曲がり具合に迫力を感じる。さらに背景にあるほどよく色づいた葉が,逆光に輝いている。そうだ,「逆光は勝利」。これは,永遠の真実。基本中の基本である。

この日は,気合をいれて紅葉を撮るつもりで,Mamiya Universal Pressも用意していた。私にとって最後となるエクタクローム「E100G」(2016年7月27日の日記を参照)は,紅葉撮影に使おうと考えたのである。
 ただし,常清滝ではE100Gを装填せずに,RVP F (Velvia 100F)を装填した。紅葉の進行が物足りなかったので,E100Gを出し惜しんだのである。紅葉のかわりに,霧に覆われた常清滝の撮影を楽しんだのは,昨日の日記に書いたとおり。RVP Fは,常清滝で,撮りきった。
 そうだ。この木は,E100Gで撮らなければならない。
 ディジタルカメラで撮った画像は,「焦点距離42mm」と記録されている。私がMamiya Universal Pressでいつも使っているMamiya-sekor 100mm F3.5は,ライカ判での43mmレンズに相当する範囲を写す。まさにこの構図は,Mamiya Universal Pressで撮るべき構図なのだ,と思うことにした。

なお,さいごのE100Gでは三段滝か筒賀のイチョウも撮っておきたいと思うので,天狗シデでの撮影もほどほどに切り上げることにした。

Kodak DCS Pro 14n, SIGMA AF 14mm F3.5

腰をおろしてMamiya Universal Pressにフィルムを装填しているとき,「おお,マミヤプレスですね!」と,ご年配の男性から声をかけられた。撮影中に話しかけられることは基本的に好まないのだが,フィルムの装填中でまだ撮影をはじめていないし,なにより「マミヤプレス」に反応されたのだから,よろこんで話に応じる(笑)。その人も,マミヤプレスを使うことがあるそうだ。そしていまは,大型のプリンタを仲間で共同購入しようかということも考えておられるとのこと。
 さらに,「広島ではマミヤプレス使う人,多いですよね。」と言われる。
 その人の仲間の人にも,マミヤプレスを使う人が多いのかな?そもそもマミヤプレスはよく売れたカメラであり,古いから最近はあまりみかけないだけで,昔から写真を楽しまれている人にとっては珍しくないんだろうな,などと考えながら,「ああ,そうなんですか。」と相槌をうつ。
 すると,「ネットでも,マミヤプレスクラブなんとかってのがありますね。」

あの,それ…


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