撮影日記


2016年10月02日(日) 天気:晴

カメラに宿る自然治癒力?
PENTAX SuperAの復活

OLYMPUS OM101がほしくて,「ジャンクカメラ 38台セット」というものを1円で落札した。そこに含まれていたOLYMPUS OM101は,無事に動作したので,当初の目的は達成である(2016年9月28日の日記を参照)。
 受け取ったジャンクカメラは,OLYMPUS OM101を除いてあと37台ある。2台以上はいっている機種もあるので,種類は37より少ない。また,すでに入手している機種も含まれている。それでも,はじめて手にすることになる機種が含まれている。まずは,この機種を調べてみよう。

1983年に発売された,PENTAX super Aである。
 ペンタックスから発売された一眼レフカメラとしてははじめての,マルチモードAE機である。
 ペンタックスを発売した(当時の)旭光学は,日本ではじめての一眼レフカメラを発売したメーカーとして知られる。発売されてきた一眼レフカメラは,最初のAsahiflexシリーズから,ペンタプリズムとM42マウントを採用したSシリーズにつづいて,バヨネット式のKマウントを採用したKシリーズへと発展し,さらに小型化されたMシリーズでは絞り優先AE機構を搭載した機種が主となった。
 PENTAX super Aは,Mシリーズと同様の小型軽量ボディにマルチモードAEを搭載した,あたらしいAシリーズさいしょのモデルである。マウントはKマウントと同じものだが,マルチモードAEのための電気接点が設けられている。

残念なことに,このPENTAX super Aは,ミラーがあがった状態で動かなくなっていた。電池を入れてシャッターレリーズボタンを押しても,反応はない。電気的な故障だろうか,機械的な故障だろうか。
 PENTAX super Aは,MシリーズのPENTAX ME superと同様にシャッター速度ダイアルをもたず,プッシュボタンでシャッター速度を変更するようになっている。上面にはシャッター速度を表示するための,小さな液晶ディスプレイをそなえている。そこには「2000」という数字が表示されているので,電気回路が完全に故障しているわけではなさそうだ。
 それならば,機械的な故障だろうか。とりあえず,底ふたを開けてみる。

上がった状態で動かなくなっているミラーを手でさわって上下させてみると,奥のほうでなにか部品が動いているような気配がした。そこで,このすきまにドライバを突っ込んでなにか手がかりがないがさぐってみると,

かしょん

突然,メカニズムが動作したようだ。なにかがちょっと,引っかかっていたということだろうか。ミラーが復帰したせいか,巻き上げレバーも動作するようになった。ふたたび巻き上げレバーを回して,シャッターをチャージする。そして電池を入れて,シャッターレリーズボタンを押すと,

かこっ

また,ミラーがあがったまま,動かなくなってしまった。
 さきほどと同じあたりをさぐると,ミラーが復帰する。そのあたりになにか引っかかっているのか,それとも動きが渋くなっているのか,そういう問題のように思えてきた。
 もういちど巻き上げレバーを操作すると,シャッターのチャージはできた。この状態で,あらためて電池を入れたところ,露出計が動作していることは確認できた。プッシュボタンを操作すれば,上面の液晶ディスプレイの表示も変化する。

おそらく電気回路は動作しているのだろう。そこで,シャッターレリーズボタンを押す。ミラーはあがったが,やはりあがったままで動かなくなる。
 さきほどからドライバでさぐっているあたりに,機械的な軽いトラブルが生じているようだ。それをたしかめたい。トラブルが生じていそうな場所へアクセスするためには,どこから分解していけばよいのだろかう。考えながら,巻き上げてはシャッターレリーズし,あがったまま動かなくなったミラーを底からまさぐって復帰させる,ということを繰り返していた。なんどか繰り返しているうちに,しだいにミラーが自力で復帰するようになってきた。

どうやら,電気回路やシャッターには,とくに問題はなさそうである。シャッター速度を変えながら,つづけていじくっているうちに,ついにミラーはちゃんと自分で元に戻るようになった。シャッター速度に応じて,シャッター幕もそれなりの時間,開いている。

結果としてPENTAX super Aは,復活してしまった。

復活したのはいいのだが,原因がわかっていない。
 ということは,油断しているといずれ再発する可能性がある,ということか。
 今後,使うことはあまりないとは思うが,電気接点のあるPENTAX-Aレンズとの「よい出会い」があったら,救出しておくようにしよう。


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