撮影日記


2016年09月22日(木) 天気:曇一時雨

キヤノンFD用・ミノルタα用どちらでもOK?
マミヤZEレンズ用リアキャップの代用品

「マミヤが,フェーズ・ワンに吸収合併される」というニュースがあったのは,昨年秋のことだった。2015年12月1日をもって,Phase One Japan株式会社は,マミヤ・デジタル・イメージング株式会社の光学機器事業をひきつぐことになった(*1)。
 合併当時には「マミヤ」のブランドが使われ続けるのかどうかなどについて,とくに言及されたものは見られなかったが,その後「マミヤ」の名前で新製品が発表されたというニュースも聞かない。この合併により,カメラのブランドとして長く使われてきた「マミヤ」の名称は,消えることになったようだ。

「マミヤ」のカメラは,1940年に発売された「マミヤシックスI」にはじまる。当時の主流だった,120フィルムを使うスプリングカメラの1つであるが,レンズではなくフィルム面が前後に動くことでピントを調整する「バックフォーカス式」という特徴のあるカメラだ。そのため少々大柄で重く感じるが,頑丈で使いやすいカメラである。第二次世界大戦後になってからは,「マミヤシックス」だけでなく,超小型カメラである「マミヤ16」を発売したり,35mm判カメラも発売したりした。とくに中判カメラの分野では,6×4.5判から6×9判までさまざまなタイプのカメラが発売され,プロの仕事現場で使われるとともに,マニア層からも一定の高い支持を得ることになる。
 1984年に大沢商会(古くからカメラなど映像機材などを扱っていた商社)が倒産(*2)すると,その影響を受けて,当時のマミヤ光機も連鎖倒産した。この後マミヤ光機は,中判カメラのみを扱うようになる。そして1992年には釣具などで有名だった株式会社オリムピックに吸収合併され,マミヤ・オーピー株式会社となる(*3)。
 マミヤ・オーピー株式会社の光学機器関連部門はすべて,2006年に当時のコスモ・デジタル・イメージング株式会社へ譲渡され,マミヤ・デジタル・イメージング株式会社が設立された(*4)。
 カメラにおける「マミヤ」は,このように長く流通してきた名前だったのである。

マミヤがさいごに発売した35mm判一眼レフカメラは,「マミヤZE」シリーズ(あるいは「マミヤZ」シリーズ)とよばれる。1980年にMamiya ZEとMamiya ZE-2,1981年にMamiya ZE-X,1982年にMamiya ZMという4機種が発売された。いずれも,電子制御のシャッターをもつAEカメラである。このレンズマウントには多数の電気接点が設けられており,「ミラクルマウント」と称していた。多数ある電気接点のうち,当時は未使用状態のものもあり,それらは将来の機能拡張に使われる計画もあったようだ。Mamiya ZFというオートフォーカス機の試作がおこなわれていたことは雑誌などでも取り上げられており,そこで使われていたものもあるのだろう。
 マミヤZEシリーズのうちMamiya ZE-Xは,マルチモードAE機能を搭載した一眼レフカメラとしては初期のものであり,それなりの注目を集めた。しかし,一般への知名度はさほど高まらなかったのか,シリーズ全体として,同時期のキヤノンやニコン,あるいはペンタックスやミノルタ,オリンパスといったメーカーのカメラにくらべて,あまり売れなかったようだ。そのことは,中古カメラ店の品ぞろえを見ればわかるだろう。これらのメーカーのカメラにくらべて,マミヤZEシリーズのカメラや交換レンズを見かけることは,とても少ない。
 中古カメラ店での流通量が少ないのは,カメラボディや交換レンズだけではない。オプションパーツや小物部品等のアクセサリ類も,見かけることが少ない。小物部品としてとくに入手できずに困るものとして,レンズのリアキャップがある。フロントキャップはフィルタと同様に,汎用品がいくらでも販売されている。口径さえあえば,ほかのメーカーのものでも,実用上は問題ない。しかしリアキャップは,各社ごとに異なるマウントの形状にあわせてあるので,どこのメーカーのものでもよいというものではない。

掲示板に,「シグマのキヤノンFD用リアキャップが,マミヤNC1000s用レンズのリアキャップの代用品として使える」ということが投稿された。これは,とても貴重な情報である。本来のリアキャップは,いまではなかなか入手できないものなので,代用品についての情報は,とてもありがたい。
 Mamiya NC1000sのレンズマウントとMamiya ZEのレンズマウントは,ほぼ同じ形をしている。NC1000s用レンズに使えるならば,Mamiya ZE用レンズにも使えるはずだ。シグマのリアキャップなら,中古カメラ店のジャンク品コーナーにごろごろしているだろう。

昨夜,ちょうど八百富写真機店大阪駅中央店の近くを通ったので,立ち寄ってみた。キャップ類がたくさんほうりこまれた箱をあさってみると,シグマのものは見つけられなかったが,キヤノンFD用リアキャップを何種類かみつけることができた。そのうち,タムロンのものがいちばん深かったので,これを購入した。

その後,「シグマのミノルタAF用リアキャップの旧型が使える」という投稿もあった。今日も,八百富写真機店大阪駅中央店に立ち寄る時間ができたのでさがしてみたところ,旧型かどうかわからないが,「Σ FOR MINOLTA-A」と書かれたキャップをみつけたので,これを購入した。

これらのキャップは,いずれも1個100円である。

さて,マミヤZEのレンズに,うまくはまるであろうか?
 まずは,タムロンのキヤノンFD用リアキャップである。

マウントの爪の外周が,リアキャップの内周とほぼ同じサイズのようである。このように,ぴったりとはまる。
では,シグマのミノルタα用リアキャップはどうだろうか。

こちらは,サイズがぴったりというわけではないが,マウントの爪がたまたまちょうどよくひっかかってくれている。
 どちらがより優れているかの判断は難しいが,個人的には,爪がうまく機能しているシグマのミノルタα用リアキャップのほうに好感がもてる。
 ただし,掲示板に投稿された情報には補足があり,シグマのミノルタα用リアキャップには,新旧何種類かあるらしいとのことだ。内側に突起のない旧型でなければ,うまくはまらないらしい。今回私が入手したものは,たまたま都合のよい旧型だったようである。

このたびは,貴重な情報提供について,厚く御礼申しあげたい。

*1 会社分割に関するご案内 (マミヤ・デジタル・イメージング株式会社,Phase One Japan株式会社)
   (InternetArchives上に残るデータ)
https://web.archive.org/web/20151028035651/http://www.mamiya.co.jp/img/mamiyaphaseone.jpg

*2 沿革 (株式会社大沢商会)
http://www.josawa.co.jp/history/index.html

*3 沿革 (マミヤ・オーピー株式会社)
http://www.mamiya-op.co.jp/company/history

*4 会社概要 (マミヤ・デジタル・イメージング株式会社)
   (InternetArchives上に残るデータ)
http://www.mamiya.co.jp/profile/gaiyou.html


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