撮影日記


2016年07月27日(水) 天気:晴

エクタクローム,ふたたび…

期限切れのフィルムを,8本譲っていただいた。そのなかに,2本のKodak E100G (120)が含まれていた。

カラーフィルムをはじめて市販したのはコダックで,1935年のことである。カラーポジフィルムは,外式(現像処理のときに色素を注入する)とよばれる「コダクローム」と,内式(フィルム内に色素が入っている)とよばれる「エクタクローム」の2種類があった。外式のコダクロームは独特の発色と耐久性から,高く評価する人が多かった。しかしながら,扱いにくい面もあり,主流は内式のエクタクロームにかわっていった。
 私がポジフィルムで撮るようになったころにはすでに,コダクロームはパトローネ入り35mmフィルム(135)だけになっており,中判用120フィルムなどは販売されていなかった。そのため個人的には,もっぱらエクタクロームのシリーズを使うようになる。そのなかでも,Ektachrome Professional (EPN)というフィルムの発色が気に入っていた。Ektachromeも改良が加えられ,「Eファミリー」というシリーズにモデルチェンジする。モデルチェンジといっても,それまでのEktachrome Professionalシリーズとは長く併売されてきたから,私はおもにEPNとE100VSとを気分によって使い分けていた。そしていつしか,全体に彩度が高いE100VSと,どちらかというと標準的なE100Gくらいしか入手できなくなる。私は,カラーポジフィルムで撮るときは,これらのコダックのフィルムを使うのが好きだった。しかしながらコダックは,カラーポジフィルムの販売の終了を,2012年に発表した(*1)。その後も,それ以前に購入していたフィルムをぼちぼち使って撮っていたのだが,さいごのElitechromeを使ったのは2014年(2014年7月24日の日記を参照),さいごのE100VSを使ったのは2015年のことであった(2015年4月28日の日記を参照)。もう,コダックのカラーポジフィルムを使うことはないだろうと思っていたので,たいへん喜ばしい。
 ただし,フィルムには「使用期限」というものがある。フィルムは化学変化によって画像を記録するもので,いわば生ものである。このE100Gを譲ってくださった方によれば,「ずっと冷蔵庫に入れていた」とのことなので,まだ使用には耐えられるものと期待しよう。
 さて,これでなにを撮ろうか。
 私が主として使う中判カメラはマミヤプレスだから,使うカメラについては迷わない。どうせなら,これまで撮り続けてきたものを撮るのがよい。紅葉のシーズンに使うか,あるいはそれ以前に,可部線を撮るか…。

*1 コダック プロフェッショナル エクタクローム及びエリートクロームフィルム製造販売中止のお知らせ (コダック株式会社 コンシューマービジネス本部 2012年3月1日)
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/corp/info/2012/info0301.shtml


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