撮影日記


2016年06月22日(水) 天気:雨

中身は同じ!という衝撃の事実
リチウム電池CR-P2と2CR5の秘密

おもしろいものを,いただいた。

いわゆる,マウントアダプタというものだ。

一眼レフカメラなどのシステムカメラでは,撮影レンズを交換できることが1つの大きな特徴になっている。ただし,どんなレンズでも使えるわけではない。基本的に,カメラボディと交換レンズとは,同じメーカーのものでなければ装着できない。同じメーカーのものでも,シリーズが異なったり発売時期が大きく異なったりすれば,装着できなかったり,装着できるとしても機能や性能になんらかの制約が生じる場合がある。カメラボディとレンズとを接合する「マウント」とよばれる部分の形状が異なったり,カメラボディとレンズとの間で情報をやりとりしたりお互いに制御したりするしくみが異なったりするためである。
 マウントアダプタというものを使えば,本来,装着できない関係にあるカメラボディとレンズとの組みあわせを楽しむことができる。

さて,このマウントアダプタがおもしろいのは,その組みあわせである。

なんと,マミヤZEのレンズをキヤノンEOSで使うことができる,マウントアダプタなのだ。
 キヤノンのEOSは,フィルムを使う一眼レフカメラも,ディジタル一眼レフカメラも,どちらも多くの人に使われている。だから,「EOSにいろいろなレンズを取りつけて遊びたい」と考える人は,少なくないはずだ。だが,いまさら「マミヤZEのレンズを使いたい」と考える人が,この世界にどれだけ存在するというのだ?キヤノンEOSのユーザが「ヤシカ/京セラのツァイスレンズを使いたい」「ソ連/ロシアのM42マウントレンズを使いたい」「ニコン様のご神眼をお迎えしたい」などと考えることは,じゅうぶんに予想できる。「ハッセルブラッドのツァイスレンズを使いたい」「バケペンのSMCレンズを使いたい」という人も存在するだろうし,マミヤであっても「M645のレンズを使いたい」ならば驚くことはない。

このマウントアダプタは,単に異なるマウントのボディとレンズとを接合しているだけではない。レンズが組みこまれて,テレコンバータになっている。ともあれ動作を確認しようと,Canon EOS5に取りつけて,電源スイッチをONにした。しかし,電池切れの警告である。Canon EOS5で使う電池は,2CR5というリチウム電池であるが,残念ながら,買い置きがない。
 私がふだん使うカメラでは,リチウム電池であればCR123Aを必要とするものが多いため,CR123A型の充電式電池を利用している(2015年6月25日の日記を参照)。ともあれ,2CR5は,買い置きしていないのである。

2CR5を眺めてみると,長さはCR123Aよりずいぶんと長いものの,厚みはCR123Aの直径と変わらないことに気がついた。もしかすると,CR-P2と同じようにして,CR123A型の充電式電池あるいはCR2型の充電式電池を利用できるのではないだろうか(2015年3月15日の日記を参照)。

まず,ラベルをはがした。この長さも太さも,CR123A型の電池に似ている。

つなぎ目から切り開いたところ,2CR5のなかみは,2本のCR123A型のセルであることがわかった。2CR5とCR-P2とは,なかみが同じようだ。そうであるならば,なぜ2種類の殻が用意されたのか?これは,ユーザの利便性を無視した所業である。

セルの端子に接点が溶着されているので,これは強引にひきはがす。

接点を瞬間接着剤や両面テープ等で固定し,もともとはいっていたセルのかわりに,CR123A型の充電式電池をはめた。これで蓋をすれば,2CR5型の充電式電池の完成である。

マミヤZEは,マミヤが発売した最後の35mm判一眼レフカメラのシリーズである。発売当時としては先進的なマルチモードAE機であったMamiya ZE-Xなど,話題になる機種もあったが,そんなに出回っていたという印象はない。私は,Mamiya ZEシリーズを使っている人(知人が使っている場合を除く)を目撃したことは,1回しかない(1997年6月22日の日記を参照)。数が出回らなければ,中古カメラ店で見かけることも少なくなる。マミヤZEシリーズを使ったことのある人は,マミヤセコールレンズのシャープな写りを評価しているが,そもそも使っている人が少ないからそのような高評価も聞こえてくることは決して多くない。
 さて,Canon EOS5でマミヤZE用のレンズを使う準備はできた。だが,こうまでしてマミヤZE用のマミヤセコールレンズを使う必要があるのだろうか?このマウントアダプタはテレコンバータになっているので,本来のマミヤZE用マミヤセコールレンズの性能が引き出せるわけではない。すなおに,マミヤZEシリーズのボディを使うほうがよい。
 では,このマウントアダプタの意義はないのだろうか?
 たとえば,マミヤZEボディが壊れてしまっても,レンズを活用できる,という意味では大きな意義がある。マミヤZEボディが壊れてしまうと(しかも,壊れやすく感じるのである),当然修理もできないわけだが,中古カメラ店でもあまり見かけないので,買いかえることも容易ではない。その点,キヤノンEOSであれば,ボディの入手に苦労はない。

なお,電池の分解や改造は,危険をともなう可能性のある行為である。同様のことを試みる場合は,あくまでも自己責任でおこなっていただきたい。


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