撮影日記

2016年06月01日(水)　天気：晴

「ニコンU2最強伝説」の予感

ディジタル一眼レフカメラKodak DCS460を使ってみての最大の不満は，バッテリーの持続時間である。しばらく使っているうちに，バッテリーも元気がでてきたようだが，それでも１回の充電で撮影できるのは100カット少々という印象だ。撮影後のデータ記録に時間がかかるので連写ができないから，100カット撮るのもけっこう時間がかかる。朝，フル充電の状態ででかけたら，夕方帰るころまでは，なんとかバッテリーが持続しそうである。だから，実用上問題ないとも言えるが，バッテリーの持続時間にはもう少し余裕があると，ありがたい。とくにKodak DCS460は着脱式のバッテリーパックではなく，バッテリーが内蔵された状態なので，バッテリーの持続時間が重要な問題なのである。
　バッテリーの持続時間を長くするには，バッテリーを並列に，もう１セット内蔵させればよいのだが，それだけのスペースは，カメラ内に残っていない。
　Kodak DCSS460は，「DCS460C」というディジタルカメラモジュールと，フィルムを使う一眼レフカメラNikon F90シリーズとで構成されている。内蔵されたバッテリーは，その両方に電源を供給する。そのため，Nikon F90本来の電池を入れる部分は，空洞になっている。そうだ，Nikon F90部分には独立した電源を与えれば，内蔵バッテリーの持続時間が少しは伸びるのではないだろうか。
　そのような状態で使うには，Nikon F90のノーマルの電池ボックスがほしい。ニコンのWebサイトを参照すれば(*1)新品での価格がわかるが，それだけの金額を出せば，ジャンク扱いのNikon F90ボディ一式が入手できないだろうか。それは，なにかのときの部品取りに活用できるのではないだろうか，と考えた。そんなとき，インターネットオークションで，Nikon F90を含んだジャンク扱いのニコン一眼レフカメラのセットが出品されているのを見つけた。思ったより安価に落札できたが，送料が少々高かった。なぜなら，送られてきたカメラは，計28台もあったのである。

残念ながら，Nikon F90のノーマルの電池ボックスは入手できなかった。電池が激しく塩を吹いて，プラスチックの電池ボックスをも溶かしてしまっていたのである。Nikon F-801，F90，F90Xと３台も含まれていたのに，電池ボックスは1つも確保できなかった。

そのかわりと言ってはなんだが，そこにはまだ入手していなかったカメラも含まれていた。

Nikon U2という機種である。
　ニコンのフィルムを使う一眼レフカメラとして，最末期の製品だ。これよりあとに発売されたものは，Nikon F6だけである。いわゆるエントリークラスの機種であるが，機能的には中級機種とされるNikon F80と同等あるいはより充実している。操作ダイアルが１つだけなので，あくまでも中級機種ではなくエントリークラスの機種であるが，最後のエントリークラスの機種であるとともに，最後の中級機種と言ってもよいかもしれない。
　ボディは，エントリークラスの機種であるNikon Uのさらに下位機種に位置づけられるNikon Usほぼ同じ，ごくコンパクトなものである。そこにNikon F80並みの機能が備わっているのだから，お手軽に撮影するための機種としては，「最強」の存在になるのではないだろうか。

Nikon U2が発売されたころには，ディジタル一眼レフカメラもモデルチェンジが進んでおり，Nikon D2シリーズやNikon D70シリーズが発売されていた。そういう時代であるから，Nikon U2はそれまでの機種にくらべると，市場に出回った数が少ないのではないかと思われる。実際に，中古カメラ店で見かけることは少ない。ジャンクコーナーでは，見たことがなかった。Nikon UやNikon F80がうじゃうじゃしているのとは，対照的である。
　実際，このたび落札したセットのなかに，Nikon U2は1台しか含まれていなかったが，Nikon UやNikon F80は(不動品も含めて)複数含まれていたのである。

エントリークラスとして小型軽量を追求したと考えられるNikon Usと，中級機種として(Aiレンズとの連動は放棄されたが)撮影のための機能を充実させたNikon F80，これらのいいとこどりをしたともいえるNikon U2は，中級機種としての究極の姿と考えてもよいだろう。そして，最後の機種として永遠に伝説となる。ここに「ニコンU2最強伝説」が生まれるのである。
　という，気がしたのであった。

＊１　単3ホルダー MS-8 (ニコンダイレクト)
→http://shop.nikon-image.com/front/ProductFXA10257.do