撮影日記


2016年04月09日(土) 天気:晴

2GBは使えた CFカードの謎

Kodak DCS460は,1994年に発売されたディジタル一眼レフカメラである。その記録メディアは,PCカード型のハードディスクが想定されている。フラッシュメモリがまだ高価だったころには,ハードディスクのほうが大容量の記録メディアを比較的安価に提供できたようであるが,ハードディスクというものは必ず壊れるものである。もちろん,フラッシュメモリにも寿命というものがあっていつか必ず使えなく日がくるのだが,ハードディスクというものは精密機械であり,衝撃に弱いとされている。屋外で激しい使い方をする可能性のあるディジタルカメラの記録メディアとして,必ずしも最適なものではないと感じるところである。少なくとも,フラッシュメモリよりは「壊してしまいやすい」のではないかと,私は懸念している。
 Kodak DCS460本体とともに,170MBのPCカード型ハードディスクを2台いただいている。これらの動きが,少々あやしくなってきた。1台には当初より「ラスト不良」というメモ書きがあり,実際に目いっぱい記録してみると,読み出しのできないコマが存在した。もう1台は快調に使えていたのだが,最近になって読み出しに妙に時間のかかるコマが生じるようになってきた。これは,壊れる予兆であるに相違ない。
 記録メディアとして,PCカード型ハードディスクではなく,CFカードが使えればなにかと好都合である。CFカードはハードディスクのように激しい振動で故障する懸念は低いし,大容量のものが比較的安価に買えるようになっている。そもそも最近では,PCカード型のハードディスクが売られていないようでもある。これからもKodak DCS460を使い続けたいならば,PCカード型のハードディスクにかえて,CFカードを使うようにしたい。

そこで,PCカードへの変換アダプタを利用してCFカードを使ってみたが,残念ながらうまく使えなかった。256MBのCFカードを使った場合は,PCカード型ハードディスクを使った場合にくらべて,撮影データの書き込みに非常に時間がかかる。そして,書き込み中に,エラー(E2:failure of the PCMCIA card to start.)(*1)が発生する。すぐにカードを抜き差しすればきちんとデータが記録されるようだが,タイミングによっては失敗することもあるし,なによりも時間ばかりかかって面倒である(2016年1月18日の日記を参照)。
 256MBのCFカードで動作を確認したのは,古い機器では大容量のメディアに対応していないというケースがあるので,できるだけ小容量のCFカードで動きを確かめようと考えたからである。私の手元にあったもっとも小容量のCFカードが256MBであったこと,それまで使っていたPCカード型ハードディスクが170MBのものであり,そのほかに340MBのハードディスクもラインアップにあったようなので,256MBというのは妥当な容量に思えたためである。
 その後,32MBのCFカードをいただいたので試してみたところ,エラーもおこさずスムーズに記録された。「CFカードは絶対に使えない」のではなく,なんらかの条件があえば使えるようである。悲しいことにKodak DCS460は,1枚の画像を約6MB(「エクスプローラー」での表示は6218KB)の.tifファイルとして記録するので,32MBのCFカードでは4コマしか記録されない(単純計算では5枚記録できそうなのだが,実際に表示される記録可能枚数は4である)。さらに最近になって,128MBや8MBのCFカードも入手した。使えるCFカード,使えないCFカードの条件がわからないので,手元にあるCFカードすべてを試してみることにした。

これらの,128MB (Kingston),256MB (SnaDisc),512MB (HAGIWARA SYS-COM)はいずれも同じように「E2」(failure of the PCMCIA card to start.)のエラーになる。また,512MB (LEXAR)は「E7」(defective card, a non-ATA card, or a card that does not work.)のエラーになる。

この8MB (Canon)は,フォーマットしていても「E6」(unformatted PCMCIA card.)のエラーになって,まったく使えない。4GB (Transcend)は認識されるのだが,記録可能枚数表示が「0」になって,使えない。

結果として,この2枚だけが,とくにエラーもなく使えた。

1つはSanDiscの32MBのもの,もう1つはTranscendの2GBのものである。Transcendの4GBは,記録はできないものの認識されていたことを含めて考えれば,この「×133」(133倍速)というのが,「相性」がよいのかもしれない。SanDiskの32MBのものは133倍速ではないようだが,ちょうどその整数倍(整数分の1倍)になっていて「相性」がよいものと想像できる。
 ともあれこの2GBのCFカードがあれば,Kodak DCS460を今後も使い続けることができるだろう。2GBだと,Kodak DCS460では300コマ以上撮影可能になる。1回の充電では300コマも撮れないので,これは過剰なスペックだ(笑)。

「桜色」(さくらいろ)という名称の色がある。JISの慣用色(*2)の1つであり,日本工業規格「JIS Z 8102:物体色の色名」の「付表1 慣用色名」の「色名1」に記載されている。その記載によれば「桜色」は,「ごくうすい紫みの赤」で,色記号では「7RP 5/2.5」となっている。実際のサクラでは,つぼみのときと満開のときとでは色が違って見えるし,品種によっても差がある。基本的にごく淡い色であり,満開時にはむしろ白っぽく見えることもある。ただ,サクラの花に対してもつイメージは,白っぽいものではなく赤っぽいものであろう。Kodak DCS460は,その赤っぽさをあらわしやすいように感じている(2016年4月1日の日記を参照)。Kodak DCS460は20年以上前の機種であるが,私にとってはまだまだこれからも使い続けていきたいディジタルカメラである。

*1 User's Manual KODAK Professional DCS410 DCS420 DCS460 NC2000e Digital Cameras (Eastman Kodak Company, 1997)
ftp://ftp.kodak.com/web/service/manuals/dcs/1h6359.pdf
(Reference - Camera 7-37)

*2 JISC日本工業標準調査会
http://www.jisc.go.jp/
「データベース検索」の「JIS検索」→「JIS規格に使用されている単語からJISを検索」で「桜色」をキーワードに「一覧表示」→,「JISZ8102 物体色の色名」を開いて,「規格の閲覧」をする。


← 前のページ もくじ 次のページ →