撮影日記


2016年02月27日(土) 天気:雨のち曇

前代未聞!?最初で最後!?の「下祗園」行き

今日,JR可部線の安芸長束駅で進められていた改良工事は,もっとも大きな局面を迎えた。上り線(横川方面行き)の線路を,あたらしくつくったほうに切りかえる工事がおこなわれることになったのである。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

右側に,カーブを緩和したあらたな線路が引かれているが,これをホームのところに来ている線路につなぐのである。そして,それにあわせてあたらしいホームをつくることになる。

工事は,22時ころ以降,安芸長束駅の上り線を通行止めにしておこなわれた。

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このため,上り列車は,最終列車までの3本が,安芸長束駅の手前で運転を打ち切られる。具体的には,可部駅22:32発の広行きが下祗園駅(22:52着)まで,可部駅22:53発の広島行きが古市橋駅(23:11着)まで,可部駅23:18発の広行きが緑井駅(23:32着)までの運転となる。

可部線で,「下祗園行き」の列車が運転されたことは,かつてあったであろうか。少なくとも,大町駅の発車案内表示に「下祗園」が表示されるのは,おそらくこれが最初で最後のことになると思う。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

「下祗園」行きの次の列車は,「古市橋」行きだ。
 現在,横川方面から可部方面へ向かう列車のうち,一部が途中の緑井駅や梅林駅で折り返している。1994年に現在の大町駅が開業する以前は,緑井駅での折り返しはなく,古市橋駅で折り返す列車が設定されていた。だから,可部線において「古市橋」行きは,珍しい存在ではなかった。とはいえ,「古市橋」行きの列車がなくなってから,もう20年以上がたっている。「古市橋」行きは横川方面からの列車だったから,大町駅に「古市橋」行きの列車が来ていたわけではない。そもそも,「古市橋」行きの列車があったのは,大町駅開業以前のことである。
 だから,大町駅の発車案内表示に「古市橋」が表示されるのも,おそらくこれが最初で最後のことになると思う。

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表示器の仕様上のことなのか,設定の誤りなのか。それはわからないが,次発の「古市橋」が表示されるときには,先発の「下祗園」が発車時刻だけになって空白になっているのが惜しい。ここに「下祗園」と「古市橋」とが並んで表示されたなら,それこそ前代未聞,最初で最後の出来事になったであろう。じつに,惜しい。
 昨年おこなわれた横川駅の工事のときにも,上りの最終列車が本来の行き先を変更して,途中までの「横川」行きで運転されたことがあった。このとき大町駅の発車案内表示は,本来の行き先である「広島」を示していた。ただし車両はちゃんと,「横川」行きを表示していた(2015年1月25日の日記を参照)。
 今回,「下祗園」行きとして運転された列車は,本来の行き先である「広」行きを表示していた。列車の方向幕に「下祗園」が用意されているはずもないから,これはまあ当然のことだろう。終点の「下祗園」に到着した列車は表示を「回送」に変えて,そのまま工事が終わるまで留置された。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

列車の運転が途中で打ち切られるのをフォローするために,タクシーによる代行輸送がおこなわれた。下祗園駅にはいわゆるジャンボタクシーが2台と,通常のタクシー数台が待機していたが,実際には2台のジャンボタクシーだけで間に合ったようである。


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