撮影日記


2016年01月21日(木) 天気:晴

Libretto20のバッテリーで
Kodak DCS460の復活をめざす

劣化した内蔵バッテリーをダイソーの単3型Ni-MH電池にいれかえたことで,Kodak DCS460はいちおう撮影ができる状態にはなった。しかし,CFカードのエラーは頻発し,バッテリーもすぐに消耗してしまうなど,まだ実用的な状態にはほど遠い(2016年1月18日の日記を参照)。

Kodak DCS460に内蔵されている本来のバッテリーは,9.6V 1700mAhのものである。それに対してダイソーの単3型Ni-MH電池は,1300mAhである。これを8本直列につなげば9.6V 1300mAhになるので,本来のバッテリーにくらべればやや容量が少ないが,決定的に力不足というわけではなさそうだ。それにもかかわらず,じゅうぶんな動作ができないということは,本来のバッテリーと特性が異なることから充電がじゅうぶんになされていないことも疑わねばならない。Kodak DCS460は,ACアダプタを接続することで,内蔵のバッテリーに充電されるようになっている。このACアダプタを使わずに,充電する方法を考えたい。
 単3型Ni-MH電池に確実に充電をするならば,乾電池ホルダを利用して,1個1個の電池をはずせるようにするのがよい。しかしその方法では,FUJIX DS-505Aで試したときと同じように,電気抵抗が増して電圧降下が著しくなり,正常な動作をしないことが懸念される(2016年1月6日の日記を参照)。

そこで,かわりに目をつけたものがこれである。

東芝のパソコン,「Libretto 20」である。
 発売当時,Windows95が使える最小のパソコンとして,大いに注目されたものだ。使っている間にいろいろと不調が発生したのだが,譲り受けた故障品などを組みあわせ,「ニコイチ」どころか「サンコイチ」までして復活させつつ,長く使ってきたものである(2010年8月8日の日記を参照)。入手していたHDDはすべて不調になってしまったが,その気になればCFカードをHDD代わりにして動かすこともできなくはないようにしている(2010年1月10日の日記を参照)。
 Libretto 20が3台も集まってくると,バッテリーやACアダプタなどもそれ相応の数が集まってくるのである。Libretto 20を使うことは,さすがにもうないだろうから,そのバッテリーをKodak DCS460に内蔵させ,Libretto 20のバッテリーチャージャで充電できるようにしてみようと考えた。

Libretto 20の標準バッテリーパックは,10.8V 1200mAhのものである。電圧がやや高いが,これくらいならまあ問題ないだろう。容量は,ダイソーの単3型Ni-MH電池よりさらに小さいが,元の電圧が高い分だけ,多少電圧が下がってもまだカメラを動作させてくれるものと期待する。

バッテリーパックを殻割すると,3本のリチウムイオン電池が直列になっていることがわかる。自分でつながなければならない箇所が少ないことは,好都合である。
 ただバッテリーのセルをよく見ると,単純に直列になっているわけではなさそうだ。

このように,セルの間に接点が伸びており,それが基板の配線につながっている。
 おそらく,充電時にセル1つ1つの電圧を確認しながら充電するようになっているのだろう。
 こういう親切な回路は,そっくりそのまま利用したい。バッテリーパックから3本のセルを取り出したら,それらを直列にハンダづけするとともに,各セルの間からも配線を引き出すことになる。両端と中間2箇所をあわせて,4本の配線が必要になる。

配線には,パソコン用冷却ファンの電源延長ケーブルを利用することにした。両端の4ピンコネクタは,カメラに内蔵させたバッテリーと充電器とをつなぐために利用できる。

 これら4本のコードを本体から引き出すための穴が必要になるが,せっかくのボディに穴を開けることには抵抗がある。そこで隙間を通して,側面の記録メディアスロットの扉へ導くようにした。

黒色のコードは直列にしたセルの−(マイナス)から,青色のコードは直列にしたセルの+(プラス)から引き出したものである。緑色と黄色のコードは,セルとセルの間から引き出したものである。

これで,Kodak DCS460に,Libretto 20のバッテリーパックから取り出したリチウムイオン電池を内蔵させることができた。

充電には,Libretto 20用の充電器を使用する。充電器は,Libretto 20のバッテリーパックをそのまま装着するようになっているので,バッテリーパックの抜け殻を充電器への接続アダプタとして利用する。セルにつながっていた配線にあわせて,さきほどの4ピンコネクタつきケーブルを接続する。

あとは,適当にコネクタを固定し絶縁して,元通りにカバーをすれば完成となる。

バッテリーパックの抜け殻を利用したアダプタを,充電器に装着する。Kodak DCS460の記録メディアスロットの扉から,内蔵したバッテリーにつながったケーブルを引き出して接続すれば,充電がおこなわれる。充電のインジケータも正常に動作しており,2時間ほどでインジケータが充電の完了を知らせてくれた。正常に充電されたはずである。
 なお,カメラからのケーブルは,充電しないときには記録メディアスロットのすきまにつっこめるようになっている。

Kodak DCS460の電源スイッチをONにすれば,カメラは無事に起動した。
 シャッターレリーズボタンを押しても,カメラは問題なく動作しているようだ。ただ,撮影データを書きこむときのCFカードのエラーは,完全には解消されていない。

なお,くどいようだが,バッテリーパックの分解や改造は,危険を伴う可能性がある。同じようなことを試みる場合は,あくまでも自己責任でおこなうようにしていただきたい。

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