撮影日記


2015年10月03日(土) 天気:晴

可部線で新型電車227系運転開始
駅で配布の時刻表からその動きを読み取ろう

いよいよ本日から,可部線での新型電車227系の運転がはじまる(2015年9月28日の日記を参照)。このことはすでに,JR西日本のウェブサイト(*1)で公表されているが,それによると1日10本,すなわち5往復が227系による運転になる。
 さて,1日5往復の運転とのことだが,何時何分の列車が227系による運転になるのだろうか?
 それを読み解く有力なヒントが,数日前から各駅に貼りだされているポスターあるいは配布されていたチラシにある。

これは,次週10月10日に,可部駅で227系電車の見学会をおこなうという案内である。
 可部駅に227系電車を止めておき,見学ができて,記念品も配布するというものだ。だが,ふつうの見学会としては不自然な点がある。

このように,見学会は小刻みに4回にわけておこなわれる。それらは連続しておらず,間隔も一定ではない。これは「見学会のためにわざわざ電車をもってきてそこに留め置く」のではなく,単に「通常の運転での折り返しの時間待ちを見学会と称している」だけのことを意味しているのではないだろうか。では,駅で配布されている時刻表で確認してみよう。

注目していただきたいのは,可部駅での発着番線である。
 可部駅2番線に12:06に到着した列車(753M)は,可部駅を12:28に発車する列車(760M)になることがわかる。可部駅3番線に12:26に到着した列車(755M)は,可部駅を12:48に発車する列車(762M)になることがわかる。可部駅での1回目の見学会は12:10〜12:25であり,2回目の見学会は12:30〜12:45である。まさに,これらの停車時間を利用しての見学会であることがわかる。
 このあとも同様に,可部駅3番線に13:46に到着する列車(763M)と可部駅2番線に14:06(765M)に到着する列車の発車待ちの時間を利用して,3回目の見学会が13:50〜14:05,4回目の見学会が14:10〜14:15におこなわれることがわかる。

さて,可部駅で3回目と4回目の見学会をおこなった電車は,そのあとどうなるのだろうか。
 時刻表を見ると,可部駅で3回目の見学会をおこなった電車は,可部駅を14:08に発車する列車(770M)となり,広島駅7番線に14:45に到着する。可部線の列車は,広島駅4番線に到着してそのまま折り返すことが多いのだが,7番線に到着した場合は折り返さない。そのまま呉線方面へ直通したり,車庫に入ることになる。可部駅を14:08に発車する列車は広島駅行きなので,広島駅7番線に到着したということはそのまま車庫へ入る。
 可部駅で4回目の見学会をおこなった電車も同様に,可部駅を14:28に発車する列車(772M)となって広島駅7番線に15:13に到着するので,そのまま車庫へ入ることになる。

753M,760M,755M,762M,763M,770M,765M,772Mで,計8本の列車が新型電車227系で運転されることがわかった。ところで,先に示したJR西日本のウェブサイトで発表されている内容によれば,227系で運転される列車は,1日10本である。もう2本(1往復)は,どの列車になるのだろうか。
 広島駅を発車した753Mは可部駅から760Mとして折り返し,広島駅4番線に13:04に到着する。そして広島駅を13:08に発車する763Mとして可部駅に向かい,可部駅からは770Mとして広島駅に戻って車庫に入る。同様に,広島駅を発車した755Mは可部駅から762Mとして折り返し,広島駅4番線に13:24に到着する。そして広島駅を13:28に発車する765Mとして可部駅に向かい,可部駅からは772Mとして広島駅に戻って車庫に入る。
 では,753Mと755Mは,どこから来たのだろうか。
 753Mは広島駅4番線を11:28に発車するが,その前に広島駅4番線には可部駅からの750Mが11:24に到着しているので,753Mは750Mが広島駅で折り返したものであることがわかる。750Mは広島駅4番線を9:42に発車した743Mが可部駅で折り返したものであることがわかるので,743Mと750Mも新型電車227系によって運転されることがわかる。
 では743Mは,どこからきたのだろうか。
 743Mは広島駅4番線を9:42に発車するが,その前に広島駅4番線に可部方面からやってくる列車は8:49に到着する734Mまでない。734Mが広島駅で折り返すかどうかはわからないが,743Mが発車するまでに4番線から発車する可部方面行きの列車は2本あるので,少なくとも734Mが743Mとして折り返すものではない。すなわち,743Mはあらたに車庫からでてくる列車ということになる。
 同様に,755Mもあらたに車庫からでてくる列車であることがわかるので,結論として新型電車227系で運転される列車は,743M,750M,753M,760M,755M,762M,763M,770M,765M,772Mの10本であることが特定できたことになる。

列車が特定できれば,いつ227系がどこにくるのかがわかる。ちょうど,駅前で人を待っているときに,227系で運転される列車がやってくるのがわかったので,条件はあまりよろしくないが撮っておくことにした。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

残念ながら,可部線での227系は,休日でなければ撮れない時間帯に運転されている。見方を変えれば,まだしばらくは従来の車両をまだまだ見ていることができる,ということになる。そうだ,私は「鉄」ではない。古い機械が動いているのを見るのが,好きなのである。だから,このほうが都合がよいのである。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

*1 新型車両227系(レッドウイング)投入拡大について (西日本旅客鉄道株式会社)
https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/09/page_7623.html


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