撮影日記


2014年10月04日(土) 天気:雨

レンズボードを忘れちゃいけない

「魚眼レンズの日」を勝手に制定しよう,と考えたのは,先月のことだった(2014年9月12日の日記を参照)。そして,いろいろなご意見をいただき,「魚眼レンズの日」を「10月10日」に決めたのは,つい3日前のことである(2014年10月1日の日記を参照)。「魚眼レンズの日」には「魚眼レンズだけで撮影を楽しもう」という企画であるが,残念なことに平日である。10月ともなれば日の出も遅く,日の入りも早い。撮影をするだけの時間がじゅうぶんには確保できそうにない。夜景を撮るということも考えられるが,まだイルミネーションの時期には早く,三脚が必要となれば荷物も大げさになってしまう。
 趣旨から少しはずれてしまうことになるが,「魚眼レンズの日」も含めて,それ以前から少しずつ「魚眼レンズ」での撮影をやってみることにした。

「魚眼レンズ」(「魚眼レンズ風のレンズ」も含む)で撮影すると,被写体が強烈に湾曲して写る。これが「魚眼レンズ」ならでわのおもしろさであるが,やりすぎると少々,鼻につく。画面の周辺部に直線状のものがなければ湾曲もあまり気にならず,遠景を撮る場合はかえって自然な感じに見えることもある。そこで,湾曲が気にならない被写体として,久しぶりに「テング(天狗)シデ」を撮りに行くことにしたのは,先週末のことだ。
 「テングシデ」は,イヌシデの突然変異によって生じたもので,幹や枝が激しく屈曲した姿がおもしろい樹である。ここには多数の「テングシデ」が生えており,「大朝のテングシデ群落」として天然記念物に指定されている(*1)。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 50mm F6.3, E100G
撮影:2005年10月16日

さて,久しぶりに訪れたのは,雨が降りそうな早朝であった。
 天然記念物に指定されており,町の観光情報サイトでも取り上げられているにもかかわらず,道路の案内標識は不親切極まりないので,ロクに下調べをせずに訪れようとすれば,道に迷うことは必至である(笑)。広島市内方面からだと,国道261号線を走れば,「大朝インター前」交差点に到達する。国道261号線はそこで右折するのだが,そのまままっすぐ県道5号線を「浜田」方面に進む。しばらく行って,県道79号線と交わる「わさ大橋」交差点を「芸北」方面に左折する。その交差点(左向こうに「わさ〜る」産直館がある)の手前に,「天然記念物 天狗シデ」は左折するという案内標識があるが,いまひとつ目立たない位置にあるので注意が必要。
 目立たない位置にあるとはいえ,その案内標識はまだ親切なほうだ。
 「わさ大橋」を左折してしばらく進むと信号のない交差点があり,直進は「国道186号 芸北」,左折は「豊平」,右折は「大朝市街」とある。ここでは,「豊平」方面へ左折するのが正解である。左折すれば右側の低い位置に,「田原温泉」と「天狗シデ 6700m」という看板が見えるはずだ。この「天狗シデ」への案内標識は,ぜひとも交差点の手前にほしい。交差点では,背の高い「ユートピアサイオト」やきれいな「中国平和記念墓地公園」の案内標識はよく目立つ。その手間に「田原温泉」への案内標識もあるが,これは劣化してやや読みにくい。だが,「天狗シデ」への案内標識は,交差点の手前からは見えないのである。
 まあ,あんまり多くの人に訪れてほしくないという方針であるなら,それもしかたないか。

ともあれ予定通り,テングシデを「ぎょぎょっと20」で撮影する。三脚を立てているうちに,雨が降りはじめた。

Nikon FE, Amusement Lens Fisheye-type 20mm F8, ACROS

「ぎょぎょっと20」は,ピント調整も絞りの調整もできない。だから,Nikon FEの絞り優先AEまかせで,ささっと撮り終える。想像通り,魚眼レンズの湾曲が気にならない(むしろ効果的)な被写体だ。

Nikon FE, Amusement Lens Fisheye-type 20mm F8, ACROS

さて,今日は「ぎょぎょっと20」のほかに,組立暗箱での撮影も予定していた。
 8月10日の「バイテンの日」に向けて,撮影の準備は済ませていたのだが,撮影する時間がなくそのままになっていたものである。「バイテンの日」では,四つ切の印画紙を半分に切ったもの(四切 1/2)で撮影をおこなうことにしている(2013年8月19日の日記を参照)。フィルムのかわりに印画紙を使った撮影だから,シルエット的な被写体を撮るのもいいかなと考えていた。テングシデは,ちょうどよい被写体になりそうだ。
 雨が降るなか,「OKUHARA CAMERA」というプレートのある組立暗箱を三脚に載せ,蛇腹を開く。そしてレンズを装着しようとしたときに,重大なことに気がついた。

レンズボードが,ないじゃないか!

大判カメラを使ったことのある人なら,ここで「はぁ?なんで?」という疑問が湧くことだろう。そう,レンズを入手したらまずはレンズボードに固定するはずだから,レンズボードだけを用意し忘れることは,ありえないのだ。だがそれは,カメラ本体が標準的な「リンホフボード」に対応している場合の話だ。だが,製造者がいまいちよくわからない木製組立暗箱の場合,かならずしも「リンホフボード」に対応しているとは限らない。「OKUHARA CAMERA」も,独自の木製レンズボードを使うようになっている。ただし前のユーザが,「OKUHAR CAMERA」でリンホフボードを使うためのアダプタを準備してくれていたのである。そう,だから今回は「レンズボードを忘れた」というよりも,「レンズボードを取りつけるためのアダプタを忘れた」というのが正確,ということになる。

ともかく,レンズを取りつけられないのだから,撮影ができない。「フィルムを忘れた」というなら,フレーミングの確認くらいはできるが,それもできない。雨も本降りになりそうなので,すごすごと帰るしかないのであった。

*1 大朝のテングシデ群落〜北広島町観光情報サイト (北広島町観光協会)
http://www.kitahiro.jp/shizen/tengushide.html


← 前のページ もくじ 次のページ →