撮影日記


2014年6月7日(土) 天気:曇ときどき晴

「6×7判」の日に「6×6判」のカメラを使う

6月4日から6月9日は,「中判写真週間」である。「中判写真週間」の機会に,ぜひとも中判カメラでの撮影を楽しんでいただきたい。
 今日は,「6×7判の日」。6×7判のカメラをもっている人は,ぜひ6×7判で撮ろう。
 私も今日は,Mamiya RB67を使うつもりだった。昨年,一時的な不調があったが,それも解消している(2013年11月3日の日記を参照)。
 RB67は,一眼レフカメラである。ビューカメラのように,ピントグラスとフィルムホルダとを付け替える必要などなく,速写性に優れている。ビューファインダーカメラと違って,パララクスの問題もなく,厳密な構図をつくることができる。さまざまな撮影に対応できるカメラだ。

RB67の「RB」は,「リボルビング」をあらわすとのこと。なにがリボルビングなのかというと,フィルムホルダである。フィルムホルダを90°回転させることができるので,カメラを固定したまま,縦位置にも横位置にも切り替えられる,ということだ。だから大きな三脚に載せて,どっしり構えて風景を撮る。あるいは,スタジオなどで人物を撮る。そういう使い方が似合うカメラだ。
 RB67は6×7判のカメラだが,フィルムホルダがリボルビングするため,その空間は7×7判に相当するものをもっている。それだけ,大きなカメラなのだ。見るからにプロの道具,見ているだけでもカッコイイ。これは,間違いない。
 その大きな空間のなかで,大きなミラーがカポコンッと音をたてて動く。いい,実にいい音がする。音を聞いてもプロの道具,空(から)シャッターの感触だけでもカッコイイ。これも,間違いない。

平和公園あたりをじっくり撮るか,あるいは宮島あたりまで足を伸ばしてじっくり撮るか。いろいろ考えていたのだが,「とうかさん」(*1)へ行かねばならなくなった(^_^; 要は,お祭りである。人混みである。
 RB67は重い。それにくわえて,容積も大きく,普段使いのカバンで携行するのは無理がある。重いことについては自分だけがガマンすれば済むのだが,容積の大きいカメラバッグに入れて持ち歩くとなると,人混みのなかでは他人の迷惑になる。残念だが今日は,RB67の使用を見送り,比較的小型軽量な二眼レフカメラであるROLLEIFLEXを使うことにした。二眼レフカメラは6×7判ではなく6×6判だが,しかたない。

「とうかさん」は,三川町の圓隆寺というお寺のお祭りである。そこに掲げられた提灯には,多くの人がカメラを向けている。ただ,パッと見たところそのほとんどは,スマホだ。ディジタル一眼レフカメラはおろか,コンパクトディジタルカメラを使う姿も見かけない。ましてや中判カメラなど,どこにも存在していない。中判写真週間だというのに!そもそも,フィルムを使うカメラが見あたらない。「写ルンです」すら,見かけない。

ROLLEIFLEX automat, Tessar 7.5cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS

このROLLEIFLEXは,比較的初期の「ローライフレックス オートマット」とよばれるモデルだ。Tessar 7.5cm F3.5が搭載されており,F2.8のPlanarやXenotarなどが搭載された後のモデルほどは人気がないようである。F3.5のTessarなので,好き嫌いはあろうが描写が悪いはずがない。問題はファインダーで,この出来はあまりよくない。先の提灯のように,被写体が明るいときはピントもわかりやすいが,薄暗くなるとピントがややわかりにくくなる。組みこまれたルーペを起こして,慎重にあわせなければならない。

ROLLEIFLEX automat, Tessar 7.5cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS

「とうかさん」の開催中は多くの人が訪れ,たくさんの屋台が並ぶ。八丁堀の交差点から平和大通りに近い圓隆寺あたりまで,道の両側にずらっと屋台が並んでいる。また,「とうかさん」は「浴衣祭り」としても知られる。浴衣姿の男性は少ないが,女性の少なくとも半数は浴衣姿のようだ。こんな場所だからこそ,望遠レンズをつけた一眼レフカメラをもった人が多く棲息していそうなものだが,あまりに人が多いので結局は撮りにくいのだろうか,その姿をあまり見かけないのであった。
 ともあれ,いつの日かあらためて,RB67を使わなければならない。

ROLLEIFLEX automat, Tessar 7.5cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS

*1 とうかさん公式ホームページ
http://www.toukasan.jp/


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