撮影日記


2013年09月12日(木) 天気:曇のち雨

ビデオとスチルは,同時に撮れない。

電器屋さんといえば,テレビやラジカセ,掃除機や洗濯機などを売ったり,その修理を受け付けたりするお店である。カメラ屋さんといえば,カメラやフィルムを売ったり,現像やプリントを受け付けたりするお店である。
 しかしいつのまにか,家電量販店とカメラ量販店は,扱う商品が重複するようになっている。そのきっかけとして,ビデオカメラの存在が考えられる。ビデオカメラは,テレビなどと組みあわせて使う家電製品であると考えれば,家電量販店で扱われるのは当然だ。一方で,かつてのフィルムムービーカメラの後継機であると考えれば,カメラ量販店で扱われても問題はない。ビデオカメラと組みあわせて使うテレビや,据え置き型のビデオデッキ,ビデオテープや接続ケーブルは,家電量販店が扱うものだっただろう。ビデオカメラを組みあわせて使う三脚やフィルタ,カメラバッグなどは,カメラ量販店が扱うものだっただろう。
 このころから,家電量販店とカメラ量販店の区別があいまいになってきたように感じるのは,ビデオカメラの存在が大きく影響したのかもしれないし,個人商店から量販店へ変わる時代の流れのなかでの,ごく自然なできごとだったのかもしれない。
 まあ,そんなことはどっちでもよいが,ディジタルカメラの時代になって,その区別はますます薄れていったようだ。「ヨドバシカメラ」や「ビックカメラ」では,店名が「カメラ」なのにいわゆる白物家電が売られていたりする。家電量販店である「EDION」や「ジョーシン」には,ちゃんと「カメラ」のフロアがあるのが現実だ。

ディジタルカメラの時代になって,ムービーカメラとスチルカメラも融合されつつあるように感じる。ビデオカメラの記録方式がディジタル方式に変わったころから,静止画を撮影する機能が付加されてきたし,コンパクトディジタルカメラではけっこう早い時期から,動画も撮れるようになっている。ビデオカメラで撮る静止画は,ディジタルカメラで撮った画像にくらべると,見劣りするところはある。ディジタルカメラで動画を撮るときには,たとえば撮影中のズームができなかったり,連続撮影時間が限られたりするなど,なんらかの制約があることが多い。
 基本的に,ビデオカメラの静止画撮影機能は「オマケ」であり,ディジタルカメラの動画撮影機能も「オマケ」と考えたほうがいいということだろう。ただその「オマケ」も,だんだんと質があがっているようだが。

ビデオカメラには「カメラ」モードがあり,
コンパクトディジタルカメラには「動画」モードがある。

だから,きちんとした動画を撮りたいときは動画用のカメラを用いるべきだし,きちんとした写真を撮りたいときはふつうのカメラを用いるべきなのだ。だが,2台のカメラを同時に使うのは容易ではない。
 以前から1つの三脚に2台のカメラを取りつけるためのバーやプレートが売られており,「鉄ちゃんバー」や「撮り鉄プレート」などとも呼ばれ,「撮り鉄」(鉄道の写真を撮ることを趣味とする人たちのこと)に必携の道具とされていた。鉄道車両を被写体にする場合,被写体がいつどこを通るかはあらかじめわかるわけだが,ほぼ一瞬でその場所を通り過ぎてしまう。少ないシャッターチャンスに,できるだけ違った視点で多くの写真を撮るには,そのような道具を使ってでも,複数台のカメラを使いたいということだ。これを利用して,ビデオカメラとスチルカメラを載せているのを見たこともある。なるほど,このような道具を使えば,スチルカメラとムービーカメラとで同時に被写体を狙えるわけだ。だが,ビデオカメラのすぐ横でワインダーを内蔵した一眼レフカメラを使ったら,その大きな動作音も全部拾ってしまうのではないか?と,他人事ながら気になったこともある。

さて,話は変わって。
 2012年3月10日の日記にも書いたように,私は「ひろしま市民パブリシスト」(*1)の活動に参加させていただいている。先日は,その活動の1つであるCATV用レポート番組のための取材で,「広島湾宝しまクルーズ」の船に乗船してきた。
 この日のレポートは,9月16日からの1週間,「広島ケーブルテレビ」の「HICATほっとニュース」で繰り返し放送されることになっている。「広島ケーブルテレビ」ではなく「ふれあいチャンネル」であれば,その翌週になるはずだ。

取材の日の「撮影日記」に対しては,「(撮影日記と称するクセに)ロクな写真がない」という印象を持たれたことと思う。
 その通り,まともな写真が撮れていない。
 ほかでもないが,その日は,おもにビデオカメラでの撮影を担当していたのである。つまり,(撮影禁止の場所等を除き)始終,ビデオカメラで撮影していたので,自分用の写真をほとんど撮っていないのだ。しかも,ちゃんと撮っておこうと思う場所ほど,ビデオカメラの撮影を優先させている。
 また,取材のときの「乗船記」を,広島市が発行するメールマガジン「ひろしまファンクラブ」にも投稿(*2)したが,ここに掲載されている写真のほとんどは,同行の市職員が撮影したものだ。いちおうここに,補足しておく。

ともあれ,ビデオとスチルと同時に撮るのは,容易ではないのだ。

*1 ひろしま市民パブリシスト (広島市)
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1168586103388/

*2 ひろしまファンクラブ平成25年9月12日号 広島湾宝しまクルーズ9月まで!(広島市)
http://archive.mag2.com/201309121730000000163878000.html


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