撮影日記


2013年08月28日(水) 天気:晴

暑さがやわらいだこの瞬間に さぁ焼きなおし

広島市では,7月下旬ころから,ずっと熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上の日)が続いていた。また,8月になってからは,猛暑日(日中の最高気温が35℃以上)が何日も続いた。少なくとも日中の最高気温が30℃下回ったことは,しばらくなかった。さらに,まとまった雨も降らず,とにかく1日中,暑いのである。あまり暑くないと感じるのは,せいぜい明け方くらいのものだ。だから,夜でも,暗室はすぐに蒸し風呂状態と化すのである(2013年8月19日の日記を参照)。
 ところが大雨が降った影響からか,今週に入ってからすこし暑さがやわらいだ。これなら,暗室に入っていられそうだ。「バイテンの日」に撮影したネガからのプリントをやり直すことにしよう。
 まず1枚目,「原爆死没者慰霊碑」。

Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2

いわずとしれた,「平和の灯火」および「原爆ドーム」をアーチのなかに見ることができる,定番中の定番な構図だ。なおこの場所は,本来,祈りをささげる場所である。早朝であっても祈りのために訪れる人は少なくなく,そういう人たちが途切れる瞬間を狙って露光し,とっとと撤収してこの場所を明け渡すに限る。
 撮影日は「バイテンの日」8月10日だ。ちょうど,8月6日の「平和記念式典」がおこなわれたすぐ後,多くの花輪も並んだままだ。そこには名前かあるいはメッセージが添えられたものもあるのだが,その文字は読める状態にはない。フィルムではなく印画紙で撮影し,それを密着焼きする場合の,階調再現の限界ということだろうか。

2枚目は「原爆の子の像」。

Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2

こちらは,「監視用ビデオ撮影中」の文字が読み取れる。光の具合と,露出とさらに原版の現像の具合がちょうどよかったのだろう。焼き付けも,比較的スムースにいったカットである。ただし,中央付近の浮きのため,焼き直しが必要だったのだ。
 奉納された折り鶴は,かつては野積み状態で,青空と赤いものも含まれる折り鶴との対比が,楽しめたものであるだった(1999年7月6日の日記を参照)。それがこのようなボックスに収められ,さらに監視用ビデオカメラまで設置されるようになったのは,1つには雨が降った後の美観の問題,1つには放火等のいたずらの問題があったようだ。もっともボックスの設置(2002年)後に折り鶴に放火する事件がなくなったわけではなく,2003年の放火事件はとくによく知られているのではないだろうか。

3枚目は,対岸から見た「原爆ドーム」。

Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2

撮影時が逆光になったこともあり,手前にかぶさる木の葉に影響されて,原版の現像の具合を見誤ったようだ。どうも,うまい具合に焼けそうにない。これは,失敗ということで。

これくらい暑さがやわらげば,暗室でゆっくりと作業ができる。それにしてもつい2,3日前までとてつもなく暑かったのが,うそのような涼しさだ。まさかこのまま,秋になってしまうのか?と,思いたくなるくらいである。いや,もう暦の上ではとうに秋なのだが,一般に「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる。また,暑くなる日もあるだろう。


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