撮影日記


2013年04月23日(火) 天気:くもり後あめ

独自規格は高くつく

なんだかんだ言っても,コンパクトディジタルカメラは便利である。
 レンズや撮像素子の性能は,どうしてもディジタル一眼レフカメラのものよりは劣る面がある。されど,撮影した画像をとくに大きく出力しないのであれば,さほど問題になるものではない。携帯電話機に内蔵されたディジタルカメラ機能も,ずいぶんと性能をあげてきてはいるが,「撮影する」という機能に特化しているコンパクトディジタルカメラのほうが,なにかと使いやすいものである。コンパクトディジタルカメラは,撮影レンズを通した画像をLCDで確認しながら撮ることができるので,フィルムのコンパクトカメラとは違った撮りやすさがある。そしてなによりも,小型軽量である。
 昨年にきわめて安価に入手したフジのFinePix Z5fdを携帯することが多い,今日このごろである。レンズが飛び出さない薄型のディジタルカメラで,携帯するにはじつに好都合である。600万画素クラスのディジタルカメラなので,1000万画素をこえるものが一般的ないまではスペックの面でまったく見劣りするものであるが,500万画素をこえていれば,L判ないし2L判くらいの大きさでプリントするごく一般的な用途には十分である。こんなディジタルカメラがきわめて安価に取り引きされるのは,2012年11月16日の日記にも書いたように,記録メディアとして,すでに購入しにくくなっているxDピクチャーカードを使うようになっていることが原因であると考えられる。

コンパクトディジタルカメラは,コンパクトなことがもっとも重要だ。

先の日記ではとくにふれていないが,xDピクチャーカードを使う仕様になっていることの問題は,記録メディアを購入しにくいというだけではない。
 ディジタルカメラで撮影した画像データを利用するには,なんらかの形でパーソナルコンピュータに転送する必要がある。メモリカードに記録したデータを読み取るためにはカードリーダという装置を使うことになるが,安価なカードリーダはxDピクチャーカードの読み取りに対応していないものが多い。最近は,ダイソーなどで100円で売られているカードリーダもあるのだが,それらはおもにSDカードだけに対応したものである。
 xDピクチャーカードに対応したカードリーダが少ない理由としては,まず,いまとなっては少数派になった規格のカードに対応させるのは「無駄である」という判断があると考えられる。種類の違うメモリカードに対応させるには,それだけコストが増えるのは間違いない。別の理由として,xDピクチャーカードに対応の製品を発売するには,ライセンスが必要という事情もあるようだ。
 私の場合は幸い,使っているプリンタがxDピクチャーカードの読み取りに対応しており,プリンタをカードリーダとして使うことができたので,FinePix Z5fdを活用することができたのだ。

このプリンタのメモリカードスロットは,xDピクチャーカードにも対応している。

ディジタルカメラにUSB端子があれば,カードリーダを使わなくても,ディジタルカメラとパーソナルコンピュータとをケーブルで直接に結んで,データを転送することも可能である。ところが,である。FinePix Z5fdのUSB端子は,よくあるUSB miniAやUSB miniBと少し違う。どうやら,独自のもののようである。ここまで独自規格路線を突っ走られると,腹立たしいを通りこえて,逆に称賛したくなるものだ。
 まあ,実際にFinePix Z5fdを「新品」で購入すれば,この接続のための専用USBケーブルが付属しているので,とくに問題は生じない。ところがこのケーブルを紛失したり,断線させてしまったり,あるいは私のようにディジタルカメラ本体だけを中古品として入手したりした場合には,ちょっと困ったことになる。
 先にも書いたようにプリンタをxDピクチャーカード用のカードリーダとして使えるので,実際にFinePix Z5fdを使うのに困ることはないのだが,データを転送する都度,xDピクチャーカードを取り出してプリンタにセットするのは面倒である。そこで富士フイルムに,この専用USBケーブルだけを購入できるかどうか問い合わせてみた。回答は,「在庫あり,販売する」。それはよいのだが,「支払いは代金引換便で」とのこと。これはちょっと面倒だし,送料もちょっと高い。つぎにヨドバシカメラのオンラインショップに問い合わせると,ケーブルの価格が富士フイルムでの直販よりも高く,店舗で受け取れば送料が不要な分だけ安いのだが,送ってもらうとなると送料がかかるので,結局,富士フイルムでの直販よりも高くなる。そこで,近所の「カメラのキタムラ」で注文したのだが,ケーブルの価格が富士フイルムでの直販価格とヨドバシカメラのオンラインショップ価格の中間くらいであり,送料が不要なので,この3つの選択肢のなかではもっとも安くすむことになる

専用USBケーブルの端子は,USB miniAやminiBと少し違う。

FinePix Z5fdは,本体をすいぶんと安価に購入することができたのだが,専用USBケーブルのほかにxDピクチャーカードも買ったので(2012年12月5日の日記を参照),結果として高いものになってしまったのであった(笑)。


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