撮影日記


2013年02月04日(月) 天気:雨のち曇

「名前」の効果は大きいか?
ローライフラッシュ35AFを救出

久しぶりに訪れた「カメラのキタムラ 可部店」には,あいかわらず多数のジャンク扱いのカメラが並べられている。いちばん上の段で,右のほうからなにか呼ばれているような視線を感じたが,まずは冷静になって,順番に眺めていくことにしよう。
 このお店のジャンクカメラの棚は3段あり,もっとも下の段には,多数のコンパクトディジタルカメラが並べられている。以前,ここで売られていたコンパクトディジタルカメラのジャンク品は,バッテリ(劣化が進んでいる場合もあるが)や充電器が付属していたが,今日,並べられているものにはそのような付属品はないようだ。なので,コンパクトディジタルカメラのコーナーは,パス。
 まん中の段には,おもに一眼レフカメラが並べられている。Canon EOS kissやNikon Uなど,いわゆるエントリーモデルのAF一眼レフカメラが主である。そこにCanon AV-1のような少し古いAE一眼レフカメラもまじってはいたが,一律に1000円という価格がつけられていたので,チェックするまでもなく見送ることにする。
 さて,いちばん上の段だが,左のほうに一眼レフカメラ用の交換レンズが並べられていた。しかし,とくにおもしろそうなレンズはなく,衝動的に救出したくなるような価格のものも,みあたらない。ここまで,とくに魅力的なものがほかに存在しないことを確認したうえで,さいしょに視線を感じたところへ目を向けることにした。

そこには,「Rollei」という文字が見える。

たしかに,ローライのロゴなのだが,そのカメラは二眼レフカメラの「ローライフレックス」でもなければ,コンパクトな「ローライ35」のシリーズでもない。その姿は,ごく平凡なフラッシュ内蔵のAFカメラである。

このカメラは,「ローライ フラッシュ35AF」という。「ローライ35」に似た名前であるが,あの「ローライ35」とは別物だ。だから,ドイツ製でもなければ,シンガポール製でもない。裏蓋には,「JAPAN」という文字が刻まれている。

ということは,どこか日本のメーカーによるOEM製品ということだろう。さて,このカメラはいつごろの製品だろうか。日本カメラショーの「カメラ総合カタログ」をめくってみれば,vol.69(1980年版)に記載されているが,vol.68(1980年版)には記載がないことがわかる。vol.68の掲載内容は「昭和55年4月5日現在の価格です」なのに対し,vol.69は「昭和55年10月30日現在の価格です」なので,その間,1980年夏ころに発売されたものだと思われる。

はじめて商品化されたオートフォーカスカメラは,1977年の「コニカ C35AF」である。その後,各社から順次,オートフォーカスカメラが発売されるようになった。「カメラ総合カタログ」vol.69には,以下のようなオートフォーカスカメラが掲載されている。

1980年ころのオートフォーカスカメラ一覧
(「カメラ総合カタログ」vol.69の記載内容および所有しているカメラの現状より)
メーカーカメラレンズ価格(本体)大きさ・重さ特徴
キヤノンオートボーイ
(AF35M)
38mm F2.842,800円132.4×76.9×53.6
405g
EE:ASA100でEV6〜EV17 (F2.8 1/8〜F16 1/500)
AF:0.9m〜∞
電動巻き上げ
セルフタイマーあり
セルフタイマーでフォーカスロック・解除不可
コニカC35AF238mm F2.842,800円128×74×54
375g
EE:ASA100でEV9〜EV17 (1/60,1/125,1/250)
AF:1.1m〜∞ (11段階)
セルフタイマーあり
チノン35F-A38mm F2.840,800円133×75×54
390g
EE:ASA100でEV6〜EV17 (1/8〜1/500)
AF:1.2m〜∞
フォーカスロック可(解除不明)
フジフラッシュフジカAF38mm F2.842,800円132×76.5×55
340g
EE:ASA100でEV6〜EV17 (F2.8 1/8〜F16 1/500)
AF:1m〜∞
ビームセンサー
フォーカスロック可(解除不明)
マミヤ135AF38mm F2.840,500円 EE:ASA100でEV6〜EV17 (F2.8 1/8〜F17 1/450)
AF:1.2m〜∞
距離指針表示あり
シャッターレリーズボタンによるフォーカスロック・解除可能
ミノルタハイマチックAF38mm F2.842,300円134×76×55
350g
EE:ASA100でEV6〜EV17 (F2.8 1/8〜F17 1/430)
AF:1m〜∞
セルフタイマーあり
フォーカスロックあり(解除不明)
ヤシカオートフォーカス38mm F2.841,000円131×77×56
400g
EE:ASA100でEV9〜EV17 (1/60〜1/360)
専用ボタンによるフォーカスロック・解除不可
ローライフラッシュ35AF38mm F2.842,000円132×75×56
340g
EE:ASA100でEV6〜EV17 (F2.8 1/8〜F17 1/450)
ファインダー内に距離指針表示あり
シャッターレリーズボタンによるフォーカスロック・解除可能

これを見るかぎりでは,シャッターレリーズボタンによるフォーカスロックが可能(解除も可能)という点などから,とくにマミヤのカメラに似ているという印象を受ける。ただ,「ローライ フラッシュ35AF」に特徴的なこととして,カメラ上面の電源スイッチの存在があげられるが,カタログに掲載されている「マミヤ135AF」の写真には,それらしいスイッチは見られない。「マミヤ 135AF」が入手できれば,いっしょに分解して比較すると,両者に関係があるかないかはっきりするかもしれない。
 「ローライ フラッシュ35AF」は,日本カメラショーの「カメラ総合カタログ」に掲載されるくらいだから,日本国内でも発売されたはずだ。だが,中古カメラ店で見かけることはあまりない。ということは,日本国内ではあまり売れなかった,という可能性が高い。もっとも,これによく似ている「マミヤ 135AF」も中古カメラ店で見かけることは少ないから,同じくらい売れなかったということか。
 ともあれ,あまり見かけない機種であること,そして「Rollei」という名前がついていることから,持っていてちょっとだけうれしくなるカメラではある。裏蓋のフィルム確認窓回りのモルトが失われているが,電池を入れて操作してみると,ちゃんと動作しているようである。平凡なオートフォーカスカメラではあるが,さっそくフィルムを装填して,少しずつ試し撮りをしてみよう。無難にちゃんと写るはずだ。


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