撮影日記


2012年11月21日(水) 天気:晴

「ナニワカラーキットS」でもフィルム現像ができるけど…

「ナニワカラーキット」は,小型タンク等で処理するためのカラー現像薬品のセットで,カラーネガフィルム用の「ナニワカラーキットN」とカラー印画紙用の「ナニワカラーキットS」とがある。「ナニワカラーキットN」は500mlの処理液を2セットつくることができ,あわせて20本(35mm判24枚撮)のカラーネガフィルムを処理できるとのことである。自宅で現像処理ができれば,いろいろなサイズにカットしたフィルムなども処理しやすいことになるので,ときどき利用していたものである(2008年12月02日の日記を参照)。ただ,自宅でカラープリントをおこなう設備は整えていなかったので,「ナニワカラーキットS」を使う機会はなかった。
 ところが,「ナニワカラーキット」の製造・販売は,今年(2012年)夏ころまでに終了したようである。店頭や通信販売リストなどから,まず「ナニワカラーキットN」が消え,やがて「ナニワカラーキットS」も姿を消した。
 フィルムの処理液と,印画紙の処理液とは,もちろんまったくの同一ではないが,基本的なはたらきは似たようなものである。したがって,最適な結果が得られるとはかぎらないが,いちおう画像は得られることになっている。たとえばフィルムのかわりにモノクロ印画紙で撮影した場合,印画紙用の現像液ではなくフィルム用の現像液を使って処理したほうが扱いやすそうである(2011年08月10日の日記を参照)。カラーの場合も同様のようで,ちょっとWebを検索してみれば,「ナニワカラーキットS」を1:1くらいに薄めてやればネガフィルムの現像もできるという報告がたくさん見つかる。だから私もなんとか,「ナニワカラーキットS」だけはさいごに1つ,確保しておいた。

Minolta SRT101, MC W.ROKKOR-SG 28mm F3.5, PL filter, FUJICOLOR 100

まずは,先日のミノルタSRT101で撮ったフィルムから。原爆ドームの説明板のところに誰かがおいた赤い折鶴が印象的だったので,28mm広角レンズで撮ったものである。平日にもかかわらず,観光客と思われる人の姿が目立つ。彼らは,この説明板の前に並び,原爆ドームを背景に記念写真を撮ろうとする。だからそういう人の邪魔にならぬよう,あるいはそういう人が写りこむことがないよう,その姿がないときを狙って折鶴に近づいて撮る。
 広島市の平和記念公園は,平和について考えるための「聖地」のような場所であるが,同時に世界的に有名な観光地という考え方もできる。だから,観光客とおもわれる人の姿が多いし,いかにも修学旅行という団体の姿も目立つのである。

Minolta SRT101, MD ZOOM ROKKOR 35mm-70mm F3.5, FUJICOLOR 100
Minolta SRT101, MD ZOOM ROKKOR 35mm-70mm F3.5, FUJICOLOR 100

平日の昼間にこういう場所をうろうろする機会も少ないうえに,今日は気温も風もすごしやすく,さらに空は晴れ渡っている。観光客気分で,フィルムを消費していった。
 ところで,どの写真も妙にコントラストが高く感じる。これはロッコールレンズの傾向なのか,PLフィルタを多用したのがよくなかったのか,あるいは「ナニワカラーキットS」での現像には無理があったのか。それとも,単にスキャンが下手なのか(笑)。
 ともあれ,いまある「ナニワカラーキットS」を使いきってしまったら,その後は写真店に現像を依頼するしかないのだろうか。ふつうのフィルムはそれでいいのだが,アトム判のシートにカットしたフィルムや,自分で詰め替えた110フィルム,巻きなおした127フィルムなどはどうすればよいのだろうか。まあ,そういうフィルムではもっぱらモノクロ撮影をすればよいのであるが。

Minolta SRT101, MC W.ROKKOR-SG 28mm F3.5, PL filter, FUJICOLOR 100
Minolta SRT101, MC W.ROKKOR-SG 28mm F3.5, PL filter, FUJICOLOR 100

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