撮影日記


2012年11月03日(土) 天気:小雨のち曇ときどき晴

三段峡は紅葉の季節
芸北民俗博物館はただいま無料公開中

三段峡,とくに三段滝付近の紅葉は,11月3日ころに見ごろになることが多いと感じている。また,11月3日は「晴れの特異日」と言われており,三段峡へ紅葉を見に行くならば,基本的に11月3日を中心に計画するのがよいと考えている。ただし,同じようなことを考える人は多いわけで,バスや道路や駐車場が混雑する可能性も高いので,まだ空いている早朝に訪れるのがよい。
 また,写真を撮ることを考えても早朝が都合よい。三段峡は,全体に深い峡谷である。夏のように高い位置から太陽に照らされるならよいが,この時期になると太陽の位置が低い。すると,陰影がきつくなりすぎて,たとえば三段滝の全体を写そうなどと考えたときに撮りにくくなる。そういう面でも,早朝に訪れるのがよい。そしてお昼ごろに,混雑する対向車線を眺めつつ,すいすいと帰路につけばよいのである。
 11月3日は「晴れの特異日」のはずだが,戸河内ICを出たところにある道の駅「来夢とごうち」を通るころには小雨がぽちぽちと。「特異日」とは,気象学上の意味はないが,統計上ある天気がとくにあらわれやすい日を言う(*1)。11月3日は,なぜか「晴れ」の日が多いように見えるというだけのことなので,雨が降ってもしかたない。だが,空が明るくなり,軽く朝食を済ませて歩きはじめるころには,すっかり雨はやんでいる。もう,お天気は大丈夫だ。
 ただ,三段滝付近の紅葉は,ピークを迎えるにはまだちょっと早いという感じである。来週末もまだ,十分に楽しめるのではないだろうか。

三段峡は,下流側の柴木から上流側の樽床ダムまで続く峡谷である。その大半は山県郡安芸太田町(2004年9月までは戸河内町)にあるが,出合滝付近より上流側は山県郡北広島町(2005年1月までは芸北町)にある。餅ノ木の集落やそこを通る大規模林道は,安芸太田町側にある。北広島町になる三段峡の最上流部である樽床ダムは,1957年に完成した発電用のダムである。かつて樽床地域にあった集落はダムによってつくられた聖湖の底に沈んだが,そこに残っていた生活用具等は重要有形民俗資料として指定され,ダムの近くにつくられた「芸北民俗博物館」に展示されている。また,特徴的な造りだった民家も移築されている。(*2)
 ところが,2011年1月の雪のために,この民家が損壊したという。いまは,その屋根も覆われておりつっかえ棒がされている。危険だから,近づかないようにとのこと。

そのかわり,ということだろうか。「芸北民俗博物館」は,いま無料で観覧することができる。館内には,古い時代の生活用具や古い写真が展示されている。これらの道具類は,昭和30年近くになってもまだ,残っていたり実際に使われていたりしたということか。昭和30年というのは,そんなに大昔という感じもしない。古い機械や道具が,実際に使われていることが好きな私にとって,実に興味深く眺めることができたものである。
 なお,「芸北民俗博物館」は冬季(12月〜4月)は休館になるとのこと。興味のある方は,急いだ方がよいかもしれない。また,移設した民家の修復がどうなるかも,気がかりなところである。損壊からすでに2年近くが経過しているわけだが,いま,なんらかの工事がおこなわれているようすも見えない。おそらく費用の問題などがあるのだろうが,こういう施設の維持は,簡単ではないということか。

画像はすべて,携帯電話機(P905i)で撮影したもの。

*1 特異日って、何ですか? (気象庁)
http://www.jma.go.jp/jma/kids/faq/a5_52.html

*2 広島県の文化財 - 樽床・八幡山村生活用具および民家 (広島県)
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/bunkazai/bunkazai-data-104000010.html


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