撮影日記


2012年10月08日(月) 天気:晴

マミヤZE-2と宮島を歩く
スローなAEカメラが似合う場所

マミヤ645シリーズ用の望遠ズームレンズMamiya-sekor C ZOOM 105mm-210mm F4.5を入手した(2012年10月8日の日記を参照)ので,ようやくM645-ZEマウントアダプタを活用できるようになった。そうなると,マミヤZE-2を使いたくなる。今日も,よく晴れた日になりそうだ。マミヤZE-2にネオパン100 ACROSを装填しながら,どこへ撮りに行こうかと考えた。山の方へ行っても,まだ,紅葉には早い。近所のヒガンバナは,もう撮り頃をすぎている。ひさしぶりに国営備北丘陵公園へコスモスを撮りに行くことも考えられるが,コスモスはモノクロフィルムよりもカラーフィルムで撮りたいものだ。
 さて,マミヤZE-2は,どちらかというとスナップ写真向けのカメラと思う。絞り優先AEが使えるが,ファインダー内のシャッター速度の表示は1/1000秒から1/30秒までで,それよりも長時間の露光はすべて「LT」と表示される。シャッター速度は,1/1000秒から1秒までマニュアルで設定することも可能だが,そのときには露出計そのものがはたらかない。これらの仕様を鑑みれば,手持ちでAE撮影が前提として考えられているとしか思えない。ならば,できるだけ身軽な状態で,ぶらぶらと撮り歩くのが似合いそうだ。よし,レンズは,Mamiya-sekor ZOOM E 28mm-50mm F3.5-4.5だけにしよう。このレンズは,まだ広角域をカバーするズームレンズが数少なかった1980年代初頭に,ボディとセット販売されたこともあるレンズだ(2007年5月11日の日記を参照)。マミヤZEシリーズを語るうえで,絶対に避けてはならないレンズの1つだと思う。
 今日のカメラをマミヤZE-2にしたのは,M645-ZEマウントアダプタを介してMamiya-sekor C ZOOM 105mm-210mm F4.5を使うためだったはずだが,まあいいか。このレンズを使うのは,次の機会にしよう。
 マミヤZE-2とMamiya-sekor ZOOM E 28mm-50mm F3.5-4.5との組みあわせは,そんな当初の目的を忘れさせるほど,コンパクトさが魅力である。

紅葉にはまだ早いとはいえ,過ごしやすい気候の晴天である。宮島のような観光地が,こんな日に混雑していないはずはない。だから電車も利用して訪れたのだが,案の定,宮島口の桟橋周辺の駐車場はほぼ満車であり,道路の流れも少々悪いようである。宮島は大混雑というほどでもないが,やはり観光客は多い。そして,あいかわらずシカの姿も多い。なにを期待しているのか,食堂の入り口でじっと待っているシカもいる。こんなところでセンサ式の自動ドアを採用したら,きっとシカが次から次へ,勝手に入りこんでくることだろう。だからこのお店も,ドアに軽く手を触れることで開くタイプの自動ドアになっている。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor ZOOM E 28mm-50mm F3.5-4.5, NEOPAN 100 ACROS, ILFORD MG4 (grade 3)

海岸沿いの道端にも,いつものようにシカが寝そべっている。ときに,観光客と思われる人がシカにかまっていることもあれば,逆に歩く人のもっている袋を狙うシカもいる。このように人とシカとが混在する空間だが,路上に落ちている糞は,当然ながらシカのものだけで人のものは見あたらない。
 宮島は,世界遺産に認定されているが,古くから日本三景の1つとされてきた。そのような観光地であるから,観光客を対象にしたと思われるさまざまなアトラクションが見られる。宮島のシンボル的なものの1つとして,満潮時には海上にそびえたつ厳島神社の大鳥居があるが,その大鳥居をくぐってくれる手漕ぎの船は,以前にはなかったように思う。

宮島には,ゴミ箱が少ない。1つには,大勢の観光客が訪れることから,出るゴミの量がはんぱではないことが考えられる。宮島は,本州と橋やトンネルで直接につながっていない「離島」だから,大量のゴミが発生することは避けようと考えたいことだろう。また,多くのシカがうろうろしていることから,シカにゴミ箱をあらされることも避けたいと考えたいことだろう。
 シカが多いところでは,うかつにお弁当を食べることも避けたほうがよい。油断も隙もないのだ。桟橋から見て厳島神社の向こう側の海岸くらいまで行けば,シカの姿も少なくなるので,お弁当を食べるなら,せめてこのあたりか。それでも,シカがまったくいないわけではなく,また,ゴミを捨てる場所もないので,「広げて食べるようなお弁当」は宮島には不向きである。コンパクトにまとめておきたい。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor ZOOM E 28mm-50mm F3.5-4.5, NEOPAN 100 ACROS, ILFORD MG4 (grade 3)

お土産物店が多数並ぶ通りから一歩はずれれば,そこにはちょっと古びた光景が残っていることもある。マミヤZE-2のようなカメラは,そういう場所をのんびりと歩きながら,気になったものを撮るのが楽しい。流行の表現を使ってみれば,マミヤZE-2のようないにしえのAEカメラは,スローライフ的なカメラということになるだろうか。マミヤZE-2のシャッター速度は1秒までだが,1/30秒よりも長時間露光になる場合はファインダー内には「LT」と表示されるだけで,具体的な露光時間はわからない。まさに,お散歩しながらの手持ち撮影に適したカメラである。スローなカメラなのに,スローシャッターは苦手というのも,なんかおもしろい。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor ZOOM E 28mm-50mm F3.5-4.5, NEOPAN 100 ACROS, ILFORD MG4 (grade 3)

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