撮影日記


2012年07月24日(火) 天気:晴

暑いと暗室に入りたくない
それでも気になる「キヤノン110ED」の試し撮り結果

うちの暗室には,換気扇がない。もちろん,エアコンもない。これは,重大な問題である。
 まず,写真の暗室内では,さまざまな薬品を使う。なかには「匂い」の強いものもある。匂うということは,なんらかの化学物質が暗室内に漂っているわけだ。換気をするほうがよいだろう。また,暗室内では,多くの水を使う。そして光学機器や印画紙,薬品などにとって,湿り気はうれしいものではない。やはり,換気をするほうがよいだろう。そして暗室であるからには,窓もドアも閉めきって使うことになる。夏,窓を開けていても暑いのに,狭い部屋で閉め切っていたら,そのなかはまさに蒸し風呂状態になる。絶対に,換気をするべきだろう。
 ということで,換気扇がないことは,とくに夏場には重大な問題となるのである。
 早々に,換気扇をつけたいところだが,もしかすると特売のエアコンをつけた方が安いかもしれない。なんてことを考えているうちに秋から冬になり,換気扇がなくても我慢できる状態になる。ここ何年も,こんなことの繰り返しである。

実際に今夜も,30分と暗室に入っていられなかった。
 今夜やりたかった作業は,プリントである。「キヤノン110ED」で試し撮りをした結果を,プリントして確かめたいのだ。
 まず確かめたいことは,ちゃんとピントがあった像を得られたかどうかである。「キヤノン110ED」最大の特徴は,連動距離計をファインダーに内蔵していることだ。目測式カメラや固定焦点式カメラにくらべて,ぴしっとピントのあった像が得られるのではないかと期待できる。確かめたいことはもう1点あり,それは「キヤノン110ED」のもう1つの特徴でもある,「日付の写しこみ」がどのようになっているかということである。
 ともあれ,暗室内でプリント作業をする気にならないのだから,スキャナでネガフィルムを取りこむことにしよう。

Canon 110ED, Canon LENS 26mm F2, NEOPAN 100 ACROS, EPSON GT-9700Fで取りこみ

パッと見て,電車の正面にちゃんとピントがきているようだ。110判のように小さな画面だと,一眼レフ式よりも連動距離計式のほうが,ピントをあわせやすそうである。しかし,電車の上のほうの方向幕の文字は,ピンボケになっているようだ。もっと絞りこんで撮影するべきだったのだろうか?
 いや,よく見れば,画面の右側が妙にピンボケになっている。また,日付もちゃんと写っているのだが,その文字もややピンボケ状態である。「年」「月」にくらべて「日」がさらにボケていることもふまえれば,フィルムの平面性に問題があったのかもしれない。

Canon 110ED, Canon LENS 26mm F2, NEOPAN 100 ACROS, EPSON GT-9700Fで取りこみ

別の日に撮ったものである。これは,「豊平どんぐり村」の公園にあったブランコだ。このおもしろい顔のブランコは,ほかの場所でも見かけることがある。身近な公園などを,気にしてみるとよい。このコマでは,フィルムの平面性には問題はなさそうに見えるが,日付は背景の空に溶けこんでしまって,判別しにくくなっている。カラーフィルムでの撮影ならば,そういう問題もないのかもしれないが。

Canon 110ED, Canon LENS 26mm F2, NEOPAN 100 ACROS, EPSON GT-9700Fで取りこみ

さらに別の日に撮ったものである。連動距離計でのピントあわせはきちんとできているようだ。「キヤノン110ED」は,パッと見た目には,横長の平凡な「ポケットカメラ」である。しかし,連動距離計と絞り優先AEのために,撮るのが楽しいカメラでもある。そのうえ,カバン等へのおさまりもよく,携帯性にすぐれている。PENTAX auto110とは違った,魅力あるカメラだ。これからも,どんどんと使っていきたい。
 しかし,やはり日付がピンボケになっている。110フィルムの自作(巻きなおし)に問題があるかもしれぬ。きちんとやりなおして,あらためて試し撮りをしてみようと思う。ただ,暗室が暑いので,フィルムをつくるのはもうちょっと涼しくなってからにしよう。


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