撮影日記


2012年04月22日(日) 天気:雨のち晴

キーワードは「4」?
フォトパネル04とゾルキー4との不思議な関係

かつて携帯電話は,いまとくらべて,たいへんに高価なものだった。端末の価格も高ければ,月々の基本料金も高い。もちろん,通話料金も高い。その価格もやがて下がりはじめ,いつしかむしろ安価なものになっていた。そして,一時期は,「新規加入 0円(あるいは1円)」という宣伝が多くみられるようになった。そのころには,旧機種であれば「機種変更 0円(あるいは1円)」というケースもあり,それを利用してなんどか手数料のみで機種変更をおこなったものである(2006年12月9日の日記を参照)。しかしながら,そこにさまざまな問題が指摘され,「0円」の携帯電話は一時期ほとんど姿を消すようになる。最近になって,いろいろな条件のもとで「新規加入 0円」が見られるようになるが,それでも格安で「機種変更」ができるものは,なかなかあらわれない。無償であたらしいバッテリーに交換してもらえるサービスもあるので,1つの機種を長く使い続けやすくなっているとはいえ,いよいよ(自分用のものではないが)携帯電話を買い替えざるを得ない状況になってしまった。
 販売店を覗くと,もはやほとんどがいわゆるスマートフォンである。「スマートフォン」と表記されることが多いのに,略すときには「スマフォ」ではなく「スマホ」となるのが気持ち悪いから,というわけではないが,「スマホ」に乗り換えるつもりは,いまのところまったくない。「スマホ」を対象に,安価に機種変更できるケースを見かけることはあっても,従来からのいわゆる「ガラケー」を安価に機種変更できるケースは,なかなか見かけないのだが,たまたま家電量販店で,安価に「ガラケー」の機種変更ができるケースを見かけた。もちろん,そこにはいろいろと条件があり,2年間は「余計な支払い」が発生することになるのだが,携帯電話キャリアの「ポイント」もかなりたまっており(しかも来月には,そのうち3割くらいが期限切れになる),家電量販店のポイントの還元によって「余計な支払い」のかなりの部分がカバーできるため,この機種変更を利用することにした。

「余計な支払い」とは,これである。

NTT DoCoMoのディジタルフォトフレーム「フォトパネル04」という商品だ。
 メモリカードに記録した静止画や動画を,スライドショー的に表示できるというものである。また,「フォトパネル04」には,メールで画像を転送することができるという機能がある。「フォトパネル04」は,独立した電話番号をもつ「機能が限定された携帯電話機」というべきものなのだ。そのため,「フォトパネル04」の商品価格そのものは「0円」ということなのだが,通信機能を利用するために,月々,最低でも600円の料金が発生するのだ。そして,今後2年間は,解約するときに高額な違約金が発生する。よくある「2年縛り」というやつだ。携帯電話機がすっかり普及し,携帯電話回線の新規加入者が頭打ちになったいま,このような2台目,3台目となる通信機器を普及させることで,新規加入者を増やそうという考えなのだろうか。そのあたりの事情は,よく知らない。
 さて,「フォトパネル04」の回線を解約しても,通信機能のないディジタルフォトフレームとして利用できる。これがたくさんあれば,また写真展をおこなう機会があるときに,アクセント的にスライドショーをおこなわせておくという使い方が思いつくが,日常的に使うかどうかはきわめて疑問である。携帯電話機の機種変更を少しでも安価にしようとしたら,これがついてきたのである。決して,「フォトパネル04」がほしかったわけではない。
 とはいうものの,はじめて使うあたらしい機械が手に入ったのだから,使ってみたくなるのは当然である(笑)。そこで,設定のための冊子を参照したのだが,その表紙に,恐るべき写真が載っていた。

「フォトパネル04」は,「写真」を表示するための装置である。表示するための画像をつくるには,カメラが必要だ。だから,「フォトパネル04」の説明書に,カメラの写真が載っているのは当然であろう。しかし,こういう装置で表示するための画像をつくること考えるなら,ディジタルカメラを使うのが自然なはずだ。さらに「オシャレ感」を演出したいなら,「ミラーレス一眼」という奇怪な呼び方をされる,レンズ交換が可能な小型のディジタルカメラとの相性がよいのではないかと思われる。ところが,この説明書に載っているカメラは,どうやらいわゆる「クラシックカメラ」のようである。なるほど,「オシャレ感」と「マニアック感」との両立を狙ったのだろう。
 さて,この「クラシックカメラ」の機種が気になるところだが,このスタイルは,ライカでもなければコンタックスでもない。こんなスタイルのカメラは,アレしかないなずだ。

そうだ,どう見ても「ゾルキー4」である。
 なお,表紙に載っていた「ゾルキー4」では「Zorki-4」のロゴが消されていたが,本文ではそれが消されていない。そのあたりの事情は,謎である。
 ともあれここに「ゾルキー4」を選んだのは,この説明書の担当者の趣味としか考えられない。いや,そう考えたい。それにしても,なぜ,「ゾルキー4」なのか?担当者の,お気に入りのカメラなのだろうか。そうかもしれないが,もしかすると,「フォトパネル04」だから,同じ「4」のつく機種を選んだだけなのかもしれぬ。そう考える方が,おもしろそうだ。
 さて,その真実はいかに?

ほとんど関心のなかった「フォトパネル04」だったのだが,とても気になる存在になってしまったのは,じつに困ったことである。そして,「ゾルキー4」がほしくなったのも,じつに困ったことである(笑)。


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