撮影日記


2012年04月03日(火) 天気:暴風雨

恐るべしダイソーの腕時計
つぎからつぎに100円の腕時計があらわれる

かつてダイソーには,「おもちゃのカメラくん」という商品があった。

ダイソーの商品であることから十分に予想されると思うが,これは100円(厳密には消費税がかかるので105円)で販売されていた。商品名に「おもちゃの」がつくように,まさに「おもちゃ」のごとき品質の商品であるが,商品名の「カメラ」が示すように,写真を撮影する機能はちゃんともっているのである。シャッター速度も絞りもピントも,すべて固定されているので,最低限の機能しかないわけだが,思ったよりもちゃんと写る。むしろ,「普通ではない」写りを期待していると,がっかりすることだろう。
 「おもちゃのカメラくん」は,ちょっとした話題にもなったようだが,そうして広く知られるようになったころには,店頭から姿を消していた。そして,「おもちゃのカメラくん」がふたたび店頭をにぎわすようなことは起こらなかった。フィルムを使ったカメラそのものがあまり使われなくなった今となっては,「カメラくん」が店頭にあらわれることは,もう二度とないだろう。さびしい面もあるが,しかたない。

Daiso Camera Kun, SP100

ところで,ダイソーで,ちゃんとしたケースにはいった状態で売られている腕時計を目撃したのは,昨年10月のことだった。その名前は,「ブループラネット」という。「ブループラネット」には,「ブループラネットA」と「ブループラネットB」とがあるようだが,違いはたぶんカラーバリエーションだけだろうと思う。
 ところで,ダイソー「ブループラネット」(BLUE PLANET)は,「タイメックス80」(TIMEX 80)という時計に酷似しているとのこと。「タイメックス80」を販売しているWebサイトを検索してみたところ,たしかに全体の形状やポップなカラーバリエーションなど,「ブループラネット」と「タイメックス80」はよく似ている。そっくりだと,言ってもよいだろう。では,どちらがどちらのマネをしたのかと考えれば,これは「ブループラネット」が「タイメックス80」のマネをしたように思われる。「タイメックス80」には,ケースの左右に2個ずつの操作ボタンがあり,「ブループラネット」にも同じように2個ずつの操作ボタンがあるように見えるが,「ブループラネット」の左側の2個は,ただの突起である。この点を見れば,形状だけをそっくりにつくったのではないかと考えたくなるのである。
 なお,「タイメックス80」は,おおむね5000円前後で売られているようである。「タイメックス80」1本で,ダイソー「ブループラネット」が50本ほど買えるということだ。ちゃんと動作しているのであれば,現在時刻を知るという本質的な機能においては,「タイメックス80」も「ブループラネット」も同じであり,遠目にはよく似ているのだから,ファッションアイテムとしても似た機能を果たすことになる。「タイメックス80」にとって,ダイソー「ブループラネット」は,ちょっと困った存在であろう。

もっとも,「ブループラネット」を50本買っても,あまり意味はないかもしれない。「ブループラネット」のカラーバリエーションは,「タイメックス80」ほど多様ではなく,「ブループラネットA」「ブループラネットB」でそれぞれ4種類ずつほどのようである。「ブループラネット」も,やがてホワイトやブラックのような無難な色のものや,イエローのような派手な色のものあたりから,店頭で見かけなくなっていった。
 その「ブループラネット」と入れ替わるように,こんどは「エレクトロ」(electro)という名称の腕時計が,店頭にあらわれるようになった。「ブループラネット」よりも丸みを帯びたデザインになり,また,カラーバリエーションやパッケージが,よりポップなものになっている。

さて,「ブループラネット」や「エレクトロ」が少なくなってきたと思ったら,こんどはこんな腕時計が店頭に出現していた。「カラーリストウォッチ(シリコン)」という商品名で,「ブループラネット」や「エレクトロ」のようなペットネームらしきものは与えられていないようである。この時計は,全体がシリコンラバーでできており,非常に軽量なものになっている。カラーバリエーションもいろいろとあり,そのままブレスレットのように使うこともできそうだ。

ところが,「ブループラネット」が「タイメックス80」にそっくりだったように,この「カラーリストウォッチ(シリコン)」は「ルプ」(RUPU)という1000円ほどで売られている時計にそっくりなのである。時計というものは,「マネ」をしやすいものなのだろうか。
 ところで,「ブループラネット」「エレクトロ」「カラーリストウォッチ(シリコン)」は,いずれも防水性能がよさそうな製品に見えるが,実際には「非防水」仕様とのことだ。元になったとおもわれる「タイメックス80」や「ルプ」は,いずれも防水仕様とのことなので,とにかく外見だけが非常によく似ているということか。


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