撮影日記


2012年03月04日(日) 天気:雨

福田繁雄大回顧展

今日は「ベスト半裁判の日」である。「ベスト半裁判」とは,127フィルムに約4cm×約6.5cmの大きさの画像を撮影する「ベスト判」というフォーマットを「半裁した」すなわち半分に切ったものという意味だ。要するに,ベスト判のハーフサイズである。あるいは「ベビー判」ともよばれる。
 単に「ハーフサイズのカメラ」というと,オリンパスペンのようなライカ判の半分の大きさのフォーマットのカメラをさす。ハーフサイズのカメラの特徴に,カメラを小さくできるという大きな特徴がある。画質を少しくらい犠牲にしてでも,小さいカメラはやはり便利なのだ。だから,「ブローニー判」(約6cm×約9cm)のハーフサイズである「セミ判」(約6cm×約4.5cm)のカメラも,いろいろなものが市場に流通してきた。そして,「ベスト半裁判」の画面サイズは,約3cm×約4cmであり,これはセミ判よりは小さいが,ライカ判よりは大きい。それでいてカメラはとても小さいのだから,このサイズのカメラを楽しまないのは,じつにもったいないことである。
 そこで,「ベスト半裁判」のフォーマットサイズにちなんだ3月4日を「ベスト半裁判」の日として,勝手に制定したのであった。

今日の「ベスト半裁判の日」にそなえて,先日,大阪に行ったときに,ディアモールの八百冨写真機店で,127フィルムを購入しておいた。さあ,今日はどこへ行って,なにを撮ろうかな。そろそろ,梅の花が咲きはじめている。広島に住むようになってからまだ1回しか行ったことのない,縮景園に行くのもおもしろそううだななどと思っていたら,昨日の晴天が嘘のようなあいにくの雨。雨の日は雨の日で,写真に撮りたくなる雨の日ならではのシーンと出会えるはずなのだが,いかんせん薄暗い。レンズが明るくなく,シャッター速度が3段(1/25,1/50,1/100)しか選べないベビーパールでは,いささか心もとないのである。

結局,カメラを持たずに出かけた先は,縮景園の隣にある広島県立美術館の特別展「−ユーモアのすすめ− 福田繁雄大回顧展」。広島県立美術館のウェブサイトでの特別展の案内文(*1)では,福田繁雄は『視覚のトリックを利用した独自の作風によって「日本のエッシャー」とも呼ばれた、世界的なグラフィックデザイナー』であると紹介されている。展示された作品の一部は,自由に撮影して,視覚効果を確認できるようになっている。

こういう「おもしろいもの」を見ると,自分でもなにかつくりたくなってくるわけなのだが,美術館を出てもかわらず雨は,激しく降り続いていたのであった。
 広島県立美術館での「−ユーモアのすすめ− 福田繁雄大回顧展」は,2012年3月31日までとのこと。

*1 −ユーモアのすすめ− 福田繁雄大回顧展 (広島県立美術館)
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/special/index.php?mode=detail&id=17


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