撮影日記


2012年03月03日(土) 天気:曇

「カキ」が広島の名産品であることを忘れていはいけない

久しぶりのよい天気である。そのせいか,日中は少し,暖かいようだ。プランターに植えているイチゴにも,いちおう実がついている。そろそろ,春だ。そのうち,イチゴのほかに,鉢植えのブルーベリーにも花が咲くだろう。そして夏には実が熟すはずである。そう,せっかくなにかを植えるなら,花が咲き,実がなるものを植えると楽しいのである。そのうち,キンカンあたりも,鉢植えでできそうなので,植えてみたいものである。
 プランターや植木鉢に植えているので,期待できる収穫はほんの一握り程度で,多くは望めない。それでも,自宅で収穫できるということが楽しいのである。もし,食べきれないほどの収穫があれば,ジャムなりドライフルーツにするなりして,保存することを考えなければならないだろう。いまのところ,それは妄想の域を脱しない。
 ドライフルーツとして加工される果実は,いろいろなものがある。もっとも一般的なところとしては,レーズンやプルーンといったところであろうが,イチジクだってバナナだって,いまではなんでもドライフルーツに加工されたものが流通している。日本で伝統的につくられていたドライフルーツとしては,「カキ」がある。ドライフルーツのカキ,言い換えれば「干し柿」だ。

広島の名産といえば,「カキ」を連想する人が多いと思う。ここでいう「カキ」は,漢字で書けば「牡蠣」であり,英語で言えばオイスター(oyster)である。しかし,広島の名産は「カキ」だけではない。「カキ」も,広島の名産の1つである。こんどの「カキ」は,漢字で書けば「柿」だ。さて,「柿」を英語で言うとなんだろうか?辞書を調べればすぐにわかることだが,パーシモン(persimmon)だ。以前,宴席にて,同席の人たちに「柿を英語でなんというか」尋ねてみたところ,「パーシモン」であると答えられた人にはある特徴があった。その人たちは,ゴルフをする人たちだったのである。ゴルフクラブの材質として「パーシモン」が使われるケースがあるとのことだ。
 広島の「柿」としては,「西条柿」が有名である。いま西条柿は中国地方一帯で広く栽培されているが,その原木とされるものが,東広島市に存在していたとのことである(*1)。また,さらに高級な柿として,芸北地方を中心に栽培されている「祇園坊」という柿もある(*2)。「西条柿」は,原木とされるものが東広島市にあったように,西条という地域がその名の由来になったことが容易に想像される。一方,「祇園坊柿」は,広島市安佐南区の祇園という地域がその名の由来になっているようだ。

安佐南区祇園に,「安神社」という神社がある。「広島県神社誌」(広島県神社庁,1998年)によれば,安神社のは9世紀にはじまる古い神社であり,その祭礼は「当地方最大の夏祭」であるとのこと。

この神社の片隅に,祇園町商工会によって「祇園坊柿の由来」が説明されている。

この説明によれば,祇園坊柿が安神社に最初に植えられたことが,17世紀の「芸藩国郡誌」という書物に記述されているという。ただ,残念なことに,安神社から祇園坊柿が失われていたため,「記念樹」として祇園坊柿の木を植樹したとのことだ。

なおこれは,2005年に植樹されたもののようで,まだあまり大きく成長していない。「桃栗3年,柿8年」というが,まだ実をつけるにはちょっと早いかもしれない。しかしながら,干し柿は日本の伝統的なドライフルーツであり柿は広島の名産品であることを,この木を見つめながら,いまいちどしっかりと思い出しておこう。

*1 広島観光ナビ 長福寺 (社団法人広島県観光連盟,広島県商工労働局観光課 2011年12月16日更新)
http://www.kankou.pref.hiroshima.jp/higashihiroshima/spot/0351.html

*2 広島観光ナビ 祇園坊柿 (社団法人広島県観光連盟,広島県商工労働局観光課 2011年12月16日更新)
http://www.kankou.pref.hiroshima.jp/akiota/buy/0535.html


← 前のページ もくじ 次のページ →