撮影日記


2012年01月12日(木) 天気:晴

少し早めに127フィルムをつくる

1月10日の「110判の日(ワンテン判の日)」は,110カートリッジフィルムを使った撮影を楽しむ日である。同様に,1月27日は,127ロールフィルムを使った撮影を楽しむ「ベスト判の日」である。
 110カートリッジフィルムは,1971年に登場した。フィルムの装填が簡単でカメラも小型化されるなど,一時期は一定の市場を確保していたようだが,2009年にメーカーからのフィルムの供給が終了した(2009年7月20日の日記を参照)。
 127ロールフィルムは,1912年に登場した。コダックは,19世紀末から20世紀初頭にかけて,毎年のようにあたらしい規格(サイズ)のロールフィルムを発売してきたが,127ロールフィルムもその1つである。現在,クロアチア製のフォトケミカ(efkeブランド)などが127ロールフィルムを供給しているが,コダックや富士フイルムはすでに供給を終了している。

127ロールフィルムは,現在も使われている120ロールフィルムを細く,小さくしたようなものである。そのため,127ロールフィルムを使うカメラには,120ロールフィルムを使うフォールディングカメラや二眼レフカメラなどをそのまま小さくしたようなものが多かった。127ロールフィルムを使う最初のカメラは,コダックのVest Pocket Kodakであり,そのフォーマットは4cm×6.5cmだった。そのため,このサイズは「ベスト判」とよばれ,127ロールフィルムは「ベストフィルム」ともよばれた。120ロールフィルムを使うカメラで,本来の6cm×9cmのほかに,スクエアサイズの6cm×6cmのものやハーフサイズの6cm×4.5cmのものが登場したように,127ロールフィルムを使うカメラにも,スクエアサイズの4cm×4cmのものやハーフサイズの4cm×3cmのものが登場した。とくに4cm×3cmのものは,「ベスト半裁判」のほかに「ベビー判」ともよばれ,このサイズのフォールディングカメラはじつにコンパクトなものになっていた。
 127ロールフィルムは軸がきわめて細いため,フィルムの巻き癖が強く平面性に問題があり,扱いも少々面倒であったが,カメラがコンパクトになるためか根強い人気があったようだ。120ロールフィルムの前後に登場したほかの規格にくらべて,127ロールフィルムが比較的遅くまで供給され続けたのは,そしてコダックや富士フイルムが供給を終了してもフォトケミカなどが供給を続けているのは,そういう根強い人気,需要があるということだ。

フォトケミカなどが127ロールフィルムを供給しているといっても,どこの写真店でも売っている,という状態ではない。東京や大阪などで,クラシックカメラをおもに扱う一部のお店にたまに入荷する,そんな状況だと考えておくのがよいだろう(私は,大阪梅田のディアモールにある,八百富写真機店で購入するようにしている)。つまり,いつでもどこででも,安定して入手できるとはかぎらない。東京や大阪のそういうお店を利用する機会がないならば,通信販売をしてくれるところをさがして,そこを利用することになるだろう。
 だから,127ロールフィルムも,自分でつくるようにしておくのがよい。スプール(軸)さえあれば,たとえばより幅の広い120フィルムを切って巻きなおすことで,127ロールフィルムをつくることができる。120ロールフィルムの幅は約62mm,127ロールフィルムの幅は約46mmである。120ロールフィルムから127ロールフィルム用に切りとった残りの幅は,16mmだ。これは,110カートリッジフィルムの幅と同じである。
 すなわち,「110判の日」のために110カートリッジフィルムをつくった残りの部分を,127ロールフィルムのスプールに巻きなおしていけばよい(2010年2月19日の日記を参照)。
 この作業は,もう何度もやってきたことであるが,今回は少し問題が発生した。何度もやってきたがために,裏紙がかなりくたびれてきたのである。そこで120ロールフィルムの裏紙を切って,裏紙を交換することにしたのだが,120ロールフィルムの裏紙と127ロールフィルムの裏紙とでは,長さも違うし印刷されている番号の位置も違う。127ロールフィルムの裏紙の長さにあわせるなら,まず120ロールフィルムのスタートマークより95mm前でカットする。

そして,フィルムの終わる位置は6×6判の「10」のあたりであり,裏紙はそこから157mmほど後ろになる。

このようにして裏紙をつくったら,127ロールフィルムの裏紙とあわせながら番号を書いていけばよい。しかし,半分以上書いたところで「番号の位置に線を引けくだけでよい」ことに気がついた。これには,もうちょっと早く気がつくべきであったが,まあ,しかたない。

ともあれ,これで127ロールフィルムはできあがった。

110カートリッジフィルムの作成は「110判の日」に間に合わなかったが,こうして127ロールフィルムは,「ベスト判の日」にじゅうぶんに間に合ったのだった。


← 前のページ もくじ 次のページ →