撮影日記


2011年10月16日(日) 天気:晴

FP-ULをもって外に出よう

期待通り,朝からよい天気である。さっそく,富士フイルムの証明写真用2眼カメラ「FP-UL」での試し撮りをしてみよう。
 撮影対象は,公園の水飲み場である。なお,このような撮影は,早朝のうちにおこなってしまいたい。子どもたちが遊んでいるような時間帯にカメラをもってうろうろしていると,不審人物と思われかねないからである。

「FP-UL」にシートフィルムホルダをセットする。ホルダのロックレバーをさげれば,いちおうシートフィルムホルダをおさえてはくれる。しかし,きっちりとはまっているわけではないので,不用意にあたると,はずれてしまうかもしれない。そこらあたりは,慎重に扱わねばならない。
 露出計で計ってみれば,日なたの被写体なら,感度ISO100で,1/125秒,F11と1/2くらいとなる。「FP-UL」がカバーする,ちょうどよい露光条件といえる。シャッター速度と絞りをセットして,ファインダーを覗く。覗いた視野は,思ったよりも狭い。「FP-UL」のレンズは,4群4枚構成で焦点距離120mmである。4×5判で120mmというと,ライカ判だと35mmレンズくらいの広角な視野になるわけだが,「FP-UL」はその画面に2枚の写真を写しこむ。だからその1コマに写しこまれる視野は,ライカ判で60mmくらいに相当することになる。
 ライカ判で60mmくらいとなれば,広角どころかむしろ中望遠に近い。だから,ピントは正確にあわせたい。さて,「FP-UL」には,ピント調整のための機構はなく,ピントはつねに1.2mに固定されている。シャッターレリーズボタンを半押しすれば,ファインダー内にフォーカスインジケーターが点灯し,被写体までの距離が1.2mになっているか,近すぎるか,遠すぎるかがわかるようになっているので,これを手がかりにカメラ全体を前後させてピントをあわせることになる。中央の緑色のLEDが点灯すれば,ピントがあっていることになるわけだが,このLEDがいまひとつ明るくない。ファインダーを手で覆ってやらなければ,晴れた日中ではまったく見えないのである。

ともあれ,シートフィルムホルダをセットし,シャッター速度と絞りを決め,カメラ全体を前後させることでピントをあわせる。シートフィルムホルダの引き蓋を抜いたら,おもむろにシャッターレリーズボタンを押しこむ。

FUJI FP-UL, FUJINON 120mm F8, NEOPAN 100 ACROS, ILFORD MG4 (2)

密着焼きをしたプリントを見たところでは,像は十分すぎるくらいにシャープである。背景のボケ具合も悪くない。カメラ本体はプラスチック製で,高級感などとは無縁なのだが,レンズの素性はよいもののようだ。
 ただ,このままでは平行法しかできない私には,立体視ができない。印画紙をカッターナイフで切って,並べかえればよいのだが,とりあえずはパーソナルコンピュータ上で並べかえてみる。交差法もできるようになりたいと思いながら,なかなか練習もできず,いまだに平行法でしか見ることができない。

さて。
 立体感も,いい具合だ。
 フォーカスインジケーターさえ見やすければ,「FP-UL」はステレオカメラとしてけっこう実用的に使えそうである。もっとも「FP-UL」は,屋外で使われることなどまったく想定されていないに相違ない。「FP-UL」にストラップを取りつける金具等がないことは,その裏付けといっていいだろう。
 ところで,「FP-UL」のシャッターの動作音は,たいへん小さい。シャッターが開いて閉じる音のあとに,モーターがなにかを送るような音(シャッターのチャージ?)がするが,いずれも,ごくかすかな音である。屋外では,周囲になんらかの音がしており,「FP-UL」のかすかなシャッター音は,撮影している本人にもわかりにくいものである。
 4×5判のカメラを手持ちで撮影できるというのも,なかなかに楽しい感覚である。それにしても,フォーカスインジケーターが見えにくいことは,じつに惜しい。


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