撮影日記


2011年04月07日(木) 天気:曇のち雨

シンプルニコン ようやく入手した「ニコンFE」

私の手もとにある「ニコンFM」は,高校1年生のときにやってきた。はじめての自分専用のカメラとして,買ってもらったものである。ちなみに,新品ではなく,中古品である。
 その少し前,キヤノンAE-1やミノルタX-7の宣伝が,テレビや雑誌などをにぎわしていた。どちらも,AE(自動露出)をセールスポイントとする,普及型の一眼レフカメラであった。キヤノンはおもにシャッター速度優先AE,ミノルタはおもに絞り優先AEのモデルを展開しており,「シャッター速度優先AEと絞り優先AEは,どちらがいいか」という類の記事も,雑誌等でよく見かけた記憶がある。ただ,その「結論」がどうなっていたかは,記憶にない。
 当然,ニコンもAEの使える一眼レフカメラをラインアップさせていた。そういう時代だし,少しでも「自動」な部分のある方が,初心者にとっては使いやすく感じられるのは当然だろう。だから私は,「カメラを買ってもらえる」となったときに,ニコンFEを希望したものである。しかしながら,実際に買ってもらえたものはニコンFMである。「AEは,ちょっとした光の変化で露出が変わってしまうので,かえって使いにくい」「電子制御のシャッターよりも機械制御のシャッターのほうが,故障しにくい」「マニュアル専用機のほうが,飽きずに長く使える」などの説明を受けたものの,そのときに十分に納得できていたとは言い難い。もっとのそのニコンFMをいまだに愛用しているのだから,ニコンFMが選ばれたということは,正解だったのである。

このニコンFMとのつきあいも,30年近くになるわけだ。

あらためて,写真を趣味にしようと考えたのは,20年近く前のことになる。そのとき,「ポジとネガ」「カラーとモノクロ」「高感度と低感度」などフィルムを使いわけるために,ニコンFMに加えて,カメラを2台以上使いたいと考えるようになった。交換レンズを共用するためには,当然,ニコンの一眼レフカメラがほしいわけである。実家に,ニコマートFTがあったので,これを2台目のカメラとして使うようになるが,なんといってもニコマートFTは重い。さらに,シャッタースピードダイアルがレンズマウント部にあることや,シャッタースピード等の情報をファインダー内で確認できないことなどで,やはり使いにくいものがある。そこで,もう1台,ニコンの一眼レフカメラを買うことを考えた。
 ここで候補になるのは,ニコンNew FM2である。ニコンFMとほぼ同じ感覚で使え,1/4000秒が使えるなどシャッタースピードの範囲も広い。しかしながら,中古でもけっこう「いい値段」がついている。それでは,憧れだったニコンFEはどうか?これは,比較的安価である。しかし,ここでちょっと欲が出た。高速側のシャッタースピードが1/1000秒では,ニコンFMと変らないではないか。せっかく買うのに,それではちょっとつまらない。かといって,ニコンFE2は,さらに「いい値段」である。結局,買ったものは,ニコンF-801であった。

その後,結果としてニコンの一眼レフカメラを何台も買うことになってしまったのだが,ニコンFEとの「縁」は,なかなか得られなかった。このたび,ついに,およそ30年越しの想いが成就したわけである。やってきたニコンFEは,私の好きなシルバーボディで,かつ,データバックMF-12もついていた。

このニコンFEは,データバックMF-12付きだ。

私の手もとにニコンFMがやってきたころの,ニコンの一眼レフカメラのラインアップは,ニコンF3,ニコンFE,ニコンFM,ニコンEMという4機種であった。それぞれSuper Nikon,Simple Nikon,Compact Nikon,Little Nikonという愛称も与えられていた。いまようやく,この4機種を手もとにそろえることができたのである。

Super Nikon「F3」 Simple Nikon「FE」 Compact Nikon「FM」 Little Nikon「EM」

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