撮影日記


2010年11月23日(火) 天気:晴

127フィルムをどうやって現像するか

私は,この現像タンクをずっと使っている。

キングの「3ロールタンク」というものである。35mmフィルム用のリールなら,3本まで入れることができる。それが「3ロール」たる所以だ。このタンクで使用するリールは,ベルト式といわれているものである。透明のベルトといっしょにフィルムを巻きつけて使うようになっているものだ。ベルトを使わないタイプのリールにくらべて,フィルムを巻きつける作業は容易だが,現像のムラなどトラブルが起こる可能性が高いといわれている。
 このタンクで現像できるのは,35mmフィルムだけではない。幅の広いリールとベルトとを組みあわせれば,120フィルムの現像も可能になる。なお,120フィルムを現像できるリールは,このタンクに2つまで入れられる。
 すなわちこの現像タンクでは,35mmフィルムなら3本まで,120フィルムなら2本までの現像がいちどにできるわけだ。35mmフィルム1本と120フィルム1本という組み合わせも,可能である。ただ,フィルム1本を現像するとき,フィルム2本を現像するときとでは,もちろん必要な処理液の量は異なる。それはタンクの縁に書かれており,次のようになっている。

キング「3ロールタンク」での処理本数と処理液量との関係
35mmフィルム(本)120フィルム (本)処理液の量(ml)
1-500
2-900
3-1400
-1750
-21400
111200

カラーネガフィルムの現像には,「ナニワカラーキットN」という処理薬品のキットを利用している(2008年12月2日の日記を参照)。1箱で1リットルの処理液をつくることができ,500mlずつ2回にわけてつくることができるようにもなっている。説明書にしたがえば,500mlの処理液で24枚撮りの35mmフィルムなら10本,120フィルムなら5本の処理が可能とのこと。また,つくった処理液の寿命は1週間ほどになる。だから,現像したいフィルムをためこんでから処理することになる。
 今回,ためこんだフィルムのなかには,1本の127フィルムが含まれている。120フィルムを切って,127フィルムのスプールに巻きかえたものだ。
 キング「3ロールタンク」の120フィルム用現像リールは,3段階に幅を変えることができる。いっぱいに広げれば120フィルム用,いちばん縮めれば35mmフィルム用で,中間の位置にすれば,127フィルム用となる。そして127フィルム用のベルトも入手している(2004年2月29日の日記を参照)ので,現像に必要な道具はそろっていることになる。

ところがタンクの縁には,127フィルムのときに必要な処理液の量が記載されていないのである。35mmフィルムなら500ml,120フィルムなら750mlということは,127フィルムの場合はその中間であることは間違いない。
 これまで,このタンクで127フィルムを現像したことは,何度もあった。しかしそれらはすべて,モノクロフィルム。ID-11やミクロファインを1:1に希釈して処理するから,処理液の量はいつもじゅうぶんにある。
 35mmフィルムで500mlだから,127フィルムには足りないようにも思えるが,たぶんこの量は,失敗をしないだけの余裕のある量だろう。35mmフィルムを処理するときと127フィルムを処理するときとでは,リールの厚みはこれだけ違うことになるのだ。

いくら考えてもしかたない。実際に,タンクに500mlの処理液をいれて,リールを沈めてたしかめてみよう。

まず,35mmフィルムの場合。思ったよりも余裕があるようで,リールは十分に液に浸かっている。では,127フィルムの場合はどうか。

ギリギリだが,フィルム全体が処理液に浸かるようである。実際にはここにフィルムを巻きこむ分だけ嵩が増すから,500mlでも大丈夫だと思ってよさそうである。ともあれ,現像は無事にできたのだから,これでいいのだ。


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