撮影日記


2010年11月09日(火) 天気:晴のち曇

ミノックス判からプリントする

なんとか現像できたミノックス用フィルム(2010年11月7日の日記を参照)だが,さてこのネガをどうやってプリントするべきか。
 イメージスキャナでディジタル化して,プリンタから出力するのが簡単そうだが,せっかくだから引き伸ばし機を使って,印画紙にプリントしたい。8mm×11mmという小さなネガから引き伸ばすための,専用の引き伸ばしレンズ等もかつては供給されていたようだが,いまそのような特殊なパーツを入手するのは困難だろう。おそらく中古市場等に出回っていたそのようなパーツは,熱心なミノックスユーザの手によって,すで確保されてしまっているだろう。
 だから,手もとにある道具でなんとかするしかない。
 小さなネガから引き伸ばすのだから,引き伸ばしレンズはできるだけ短焦点のものが使いやすいことになる。たとえば6×6判のネガを引き伸ばすなら75mmレンズ,ライカ判のネガを引き伸ばすなら50mmレンズといった具合だ。手もとにある引き伸ばしレンズでもっとも短焦点のものは,38mmレンズであった。

F.Zuiko E 38mm F2.8である。ズイコーということは,オリンパス。オリンパス・ペンすなわちハーフサイズ用の引き伸ばしレンズであろう。おそらくミノックス判であれば,28mmレンズくらいが使いやすいのだろうと思うが,残念ながらそのような短焦点の引き伸ばしレンズは入手していない。また,ライカLマウントの広角レンズも入手していないので,このズイコーを使うしかない。
 また,ミノックス判のネガキャリアもないので,フィルムの平面性には不安がある。そこで,カビネ判印画紙を半分ずつ使うようにして,手札判に引き伸ばす。

ACMEL MD, 15mm F3.5, SHARAN B&W film, Microfine 1:1, FUJIBRO WP FM3

ということで,これは記念すべき(?),ミノックス判でのファーストショットである。ここは,地下鉄御堂筋線の新大阪駅。その端から,西中島南方のほうへ向けて撮ったものである。江坂まで行くとき,千里中央行きが待てずに新大阪行きに乗ったため,新大阪駅でちょっと「間」ができてしまったのである。せっかくのファーストショットは,もっとどこか気のきいた場所で撮ればよかったのだろうけど,今となってはどうしようもない。思ったよりも,ちゃんと写るものである。

ACMEL MD, 15mm F3.5, SHARAN B&W film, Microfine 1:1, FUJIBRO WP FM3

「アクメルMD」の特徴として,ピント調整が可能な点がある。目測であるが,これは1mくらいの近接撮影のものだ。

ACMEL MD, 15mm F3.5, SHARAN B&W film, Microfine 1:1, FUJIBRO WP FM3

こちらは,3mくらいのもの。きちんとピントあわせができることは,やはりこのサイズのカメラにとっても必要なことであると思われる。ピントさえあえば,このくらいの文字は十分に読めるのだ。

ACMEL MD, 15mm F3.5, SHARAN B&W film, Microfine 1:1, FUJIBRO WP FM3

これを見ると,遠景の描写が甘いように感じられる。しかしこれは,撮りかたに問題があるかもしれない。カメラが小さすぎて,固定しにくいのである。撮っていて,ブレてしまったか?と感じることが多いのである。
 あるいは,プリントに問題があるかもしれない。ミノックス判に適した引き伸ばしレンズもなければ,ネガキャリアもないのである。ライカ判用ネガキャリアに端にフィルムを挟むようにしているのだが,こういう使い方ではネガの平面性が十分に担保されないだろう。また,作業効率も非常にわるい。
 ネガキャリアを見つけるか,なにか代用品をつくるかしなければならないようだ。


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