撮影日記


2010年08月15日(日) 天気:はれ

プリモフレックスで撮る

先月,梅田のマルシンカメラで救出した「プリモフレックス」(2010年7月18日の日記を参照)だが,いろいろといじってみたところ,とくに重大な問題点は見られない。両側面の貼り革が失われているのは,外見上は重大な問題であるが,写真を撮るという機能についてはとくに影響はないだろう。あとは,実際にちゃんと写真が撮れるかどうかを確認するだけである。
 このようなカメラを使うときは,どことなくレトロな風景を撮ってみたい。「またか」と思われそうだが(2010年5月26日の日記を参照),道標を撮ってみることにしよう。このような小さな被写体を撮影すれば,近距離のピントの具合がわかるだろう。また,石の表面のようすなど,どれくらいの解像度があるかの目安も得られるだろう。
 大阪も連日,暑い日が続いている。だから,こういう撮影は早朝にかぎる。早朝なら,まだそれほど暑くない。そうは言っても「熱帯夜」の翌朝だから,それなりに暑いのだが,まだ日が低いため,このような住宅密集地での道は日陰になっていて好都合なのである。

PRIMOFLEX II, J.Simlar 7.5cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS, MITSUBISHI GEKKO MD-F

二眼レフカメラは,このように低い位置にあるものの撮影に,たいへん好都合である。また,中判カメラとして考えた場合,とても小型で軽量である。小型という意味では,蛇腹のついた折りたたみ式カメラのほうが,収納時にはとくに小型になるのだが,組み立てや収納を繰り返すのも面倒に感じることがある。スプリングカメラとよばれるものなら,ボタン1つで撮影状態になるのだが,その素早さがかえって,蛇腹によくない影響を与えそうで,気をつかってしまう。二眼レフカメラはまさに「箱」なので,扱いにそれほど気をつかわなくてすむのがありがたい。
 なお,1枚目の道標は,この道の先にある。

 
PRIMOFLEX II, J.Simlar 7.5cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS, MITSUBISHI GEKKO MD-F

PRIMOFLEXには多くのモデルがあるが,大半のモデルには,3枚構成のTokoレンズが搭載されている。そのレンズについてはよい評判をよく見かけるが,PRIMOFLEX IIだけには4枚構成のJ.Simlarレンズが搭載されている。当時の各社の広告等を眺めていると,3枚構成レンズは普及品として,4枚構成レンズは高級品として扱われていることがうかがえる。周辺まで,ぐるぐる回ったりせずにしっかりと写っているところを見れば,さすが4枚構成レンズというところだろう。3枚構成のTokoレンズと同じ条件で比較しなければ,申しわけないところだが。
 道標が案内する「でんしゃのりば」は,このあたりにあった。つまり高速道路下のこの道は,いわゆる「廃線跡」である。

PRIMOFLEX II, J.Simlar 7.5cm F3.5, NEOPAN 100 ACROS, MITSUBISHI GEKKO MD-F

いま,私の手もとにある二眼レフカメラの大半は,3枚構成レンズを搭載したものだ。手もとにある二眼レフカメラのうち,4枚構成レンズを搭載したものは,ROLLEIFLEXがある。レンズはCarl Zeiss Jena Tessar 7.5cm F3.5,もちろんしっかりと写ってくれるのだが,このカメラはオートマット機構(自動的にフィルムのスタート位置を検知する)がときどき不安定になり,フィルムの装填ミスにつながることがあるため,いまひとつ積極的に持ちだしにくい(2010年6月6日の日記を参照)。
 フィルムの装填や,フィルム送りにおいて,もっとも信頼がおけるしくみは,「赤窓式」であろう。裏蓋の窓を開けて,120フィルムの裏紙に印刷された番号を見ながら,フィルムを送る方式である。その窓は,たいてい赤く着色されているので,赤窓とよばれるのである。丁寧に操作しなければ巻きすぎてしまうことや,暗いところでは番号が確認できないといった問題もあるが,故障することがないという意味で,もっとも信頼がおけるのである。
 自動化が進んで,人間がミスをしないという意味では,オートマット式がいちばん信頼できることになるが,これは機械が故障したり調子が悪くなったりする問題がある。オートマット式と赤窓式の中間的なものとして,セミオートマット式とよばれるものがある。PRIMOFLEX IIは,1コマ目を赤窓であわせればあとは自動的に巻き止めがかかるというタイプのセミオートマット式だ。
 二眼レフカメラでは,この種のセミオートマットがいちばん使いやすいように感じる。PRIMOFLEX IIは,セミオートマット式で4枚構成レンズを搭載しているのだから,これから積極的に撮影に使いたくなるというものだ。

 

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