撮影日記 |
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2010年08月01日(日) 天気:はれ210mmレンズのワイドな画面「標準レンズ」というものがある。ただ,その具体的な定義はあるようでいて,ないようでいて,いまひとつはっきりしない。「標準レンズ」に対しては,より広い範囲を写すことができる「広角レンズ」と,より狭い範囲を限定して写すことができる「望遠レンズ」というものがある。しかし,「標準レンズ」の定義がはっきりしないのと同じように,「望遠レンズ」や「広角レンズ」の定義も,いまひとつはっきりしない。 つまり,「標準レンズ」は,撮影の画面サイズ(フォーマット)によって,焦点距離が違うということである。たとえばライカ判の画面サイズは36mm×24mmなので,その対角線の長さは43mmである。43mmレンズが,ライカ判の「標準レンズ」ということになる。110判なら17mm×13mmなので,対角線の長さは21mmとなる。セミ判(6×4.5判)なら75mm,6×9判なら108mmと,画面サイズが大きくなるにしたがって,「標準レンズ」の焦点距離も長くなっていく。21mmレンズは,110判では「標準レンズ」であっても,ライカ判では「超広角レンズ」になるし,108mmレンズは6×9判では「標準レンズ」であっても,ライカ判では「望遠レンズ」になるのである。 「シノゴの日」や「ゴナナの日」に使った組立暗箱(2010年4月3日の日記を参照)には,4種類の画面サイズで撮ることができるような部品が付属していた。「シノゴの日」には4×5判用の部品を,「ゴナナの日」にはカビネ判用の部品を使ったわけだが,この組立暗箱で撮影できる最大のサイズは,「四切1/2」というサイズのようである。「四切1/2」とは文字通り,四切印画紙の半分の大きさ,152mm×254mmだ。 四切印画紙のサイズは,305mm×254mmである。これを半分に切ると152.5mm×254mmということになるのだが,その大きさでは撮り枠に入らないため,約1mmカットしている。さて,私の手もとにあるレンズのうち,このような大きな画面サイズに対応したイメージサークルのあるレンズは,FUJINON W 210mm F5.6とFUJINAR 21mm F4.5の2本だけ。印画紙で撮影する場合は,日中でも1秒くらいの長時間露光が必要になるので,シャッターを内蔵したFUJINON W 210mm F5.6の出番となる。 OKUHARA CAMERA, FUJINON W 210mm F5.6 (F11, 4sec), FUJIBRO WP FM2, Microfine (120sec)四切印画紙を半分に切れば,ちょうどネガ用とポジ用に使えることになる。さっそく密着プリントしたものが下の画像である。冷蔵庫から出してすぐに使ったために水がついてしまったのだろうか,左のほうにムラができてしまったが,まあなんとか形にはなったようだ。 |
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