撮影日記


2010年05月02日(日) 天気:晴

大阪市立科学館でお腹いっぱい

今日は,肥後橋にある「大阪市立科学館」を訪れた。「大阪市立科学館」は,1989年に開館した施設である。
 「大阪市立科学館」の前身は,四ツ橋にあった「大阪市立電気科学館」であり,その開館は1937年である。「大阪市立電気科学館」には,日本ではじめてのプラネタリウムが設置されたことで有名であった。今でこそプラネタリウムは「どこにでもある」ような施設だが,1960年ころに国産の投影機がつくられるようになるまでは,日本ではまだまだ珍しい「最先端の」施設だったようである。「大阪市立電気科学館」にあったプラネタリウムの投影機は,もちろん国産ではない。ドイツのCarl Zeiss製のものである。いまではその投影機は使われておらず,「大阪市立科学館」のプラネタリウムの入口に,静かに展示されているだけである。「大阪市立電気科学館」に何度も訪れた記憶のなかと同じシルエットには,懐かしさを強く感じるのであった。
 「大阪市立科学館」の展示フロアは,1階から4階まである。地下1階から入場すると,まずエレベータであがって4階から順に見て回るようになっている。各フロアの展示内容はおおまかに4階が天文(物理,地学),3階が化学,2階が子ども向け,1階が電気である(*1)。その前身「大阪市立電気科学館」の名称に「電気」が含まれていることからもわかるように,「電気」に関係するフロアが独立しているのである。「電気」のフロアには,手回し発電機などがあり,けっこう体力を消耗する。「ルームランナーの上を走ることで発電し,テレビをつける」というものもあるが,これはかなり全力疾走しなければならない。ほんとうに,いい運動になる施設である。健康増進にもってこいだ。
 ん?なにか違う?
 子どもたちが多く群がっている展示の1つに,「電線をひっぱっていくと,壁のコンセントが抜けて,変電所などを引っ張ってきて,最後に発電所がやってくる」というものがある。最後にやってくる「はつでんしょ」がさりげなく原子力発電所になっているのは,やはりスポンサーが関西電力である関係だろうか。

「大阪市立科学館」のプラネタリウムを出ると,小さなショーウィンドウに,「新しくはいった資料」が展示されていた。そこには「20世紀中頃のドイツ製カメラ」が並んでいる。見るといずれもVoigtländerのカメラのようだ。Brillant,Bessa,Baby Bessa,Vito,Bessamaticなど,一通りそろっている。肥後橋まで来たら,帰りに梅田の中古カメラ店を覗きたくなるのが常なのだが,今日はCarl ZeissやVoigtländerの姿をたくさん拝んだせいか,もう「お腹いっぱい」な気分になり,どこにも立ち寄らなかった。

「大阪市立科学館」の1階には,食事のできるお店がある。しかしさすがにゴールデンウィーク期間中ともあれば,混雑が激しい。しかも,決して安くはない(^_^; そこで,いったん外に出ることにした。道路をはさんで正面に「中之島食堂」という文字が見える。最近,各地によく見られる,カフェテリア形式の食堂だ。ここなら比較的お安く食事ができるかと思ったものの,みんな考えることは同じなのか,お店の外まで人が並んでいる。
 周囲はいわゆるオフィス街。だから,飲食店はほかにもあるだろうと考え,川の方へ。橋のところにあった看板に誘われるまま,「カレン」という名前のお店に入る。ここはパスタ,オムライス,カレー等が用意された,いわゆる「洋食屋」さんという感じのお店である。見たところ,値段は手ごろだ。お店は狭いが,座る場所はあった。ほかのお客さんが食べているものを見るが,みんななぜか大盛を食べている。果たして注文して出てきたものは,やはり大盛であった。というか,このお店では,これが普通なのだろう。「カレン」という可憐な名前に似合わず,ボリュームたっぷりのメニューである。広島で言えば「中国飯店」のようなものか(2007年1月18日の日記を参照)。
 天気がよくやや暑かったこともあってか,妙にのどが渇く。暑かっただけではなく,「カレン」の味付けが濃いめだったのかもしれない。しかし,手ごろな値段で満腹になりたい人には,好適なお店だと思われる。「大阪市立科学館」へ行くことがあれば,「カレン」で食事をすることも検討されてはいかがだろうか。

まさに,身も心も「お腹いっぱい」な1日となったのであった。

*1 http://www.sci-museum.jp/server_sci/top/renew_01.html


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