撮影日記

2010年03月18日(木)　天気：雨のち曇

いい雰囲気の中古カメラ店

昨日の日記のつづき。

それにしても，妙に生暖かい日であった。朝，広島を出るころはまだ寒かったのである。前の晩の天気予報では，「いい天気にだまされないで」。その意味は，「天気はよいが，それほど気温はあがらない」とのこと。もっとも，天気がよかったのは，岡山あたりまで。大阪を過ぎるころには空はどんよりと曇っており，名古屋を過ぎるころには，雨が降りそうな重苦しい空である。静岡を過ぎるころも同様で，E席のほうを見ても，富士山など見えていない状態。ましてや，A席から見えるはずもなし。そして東京に着いたときには，ほんとうにどんよりとした空模様だったのである。
　そのせいか，妙に蒸す。暑いわけじゃないが，厚着をしていると，やはり暑い。コートがじゃまになってくる。そんな生暖かい，蒸し蒸しする一日であった。
　仕事のために訪れた会議室も，これまた暑い。扇子をカバンに常備しておいたのは，正解である。仕事は予定通り終わったが，さすがに東西線の東陽町へ出て中野へ行く気にはならない。元来たルートを，錦糸町駅に引き返す。錦糸町駅にヨドバシカメラがあったので，軽く覗いてみた。カメラは2階だという。エスカレータをあがると，左手にフィルムのウィンドウらしきものがあるので，左に曲がる。おお，フィルムの在庫が充実しているじゃないか！と思ったら，よく見るとすべて，プリンタのインクだ。なんと充実した在庫だろうか。フィルムはどこにあるのかとさがしまわり，フロアの隅にこじんまりとした冷蔵ケースを発見。さびしい，実にさびしい状況である。ヨドバシカメラはそのビルの1階から3階に入っているようだが，そのような大規模なお店であるにもかかわらず，ごく小規模のカメラのキタムラにあるのと変わらない，実にこじんまりとしたケースなのである。
　在庫していたフィルムのラインアップも，実にさびしいものであった。
　もちろん，そこではなにも買うはずはなく。

4階に100円ショップがあるようなので，ついでに上がってみる。100円ショップを出て，下りのエスカレータはどちらか，きょろきょろ見回すと，向こうのほうになにやら雰囲気のよさそうな空間がある。どう見ても，中古カメラ店である。こんなところに，中古カメラ店があるとは知らなかった。たぶん，東京にお住まいの方にとっては，有名なお店なのだろうけれども。
　ウィンドウに並べられたカメラのなかには，ハッセルブラッドやアルパなどの姿もあり，なかなかよい雰囲気を漂わせている。陳列されたカメラのバリエーションは広く，眺めていて飽きない。とても雰囲気のいい中古カメラ店である。価格は，そんなに高いほうではないように思うが，残念ながら衝動買いしたくなるような価格のものはなかった。

錦糸町駅から，お土産を物色するために東京駅に向かう。そうだ，錦糸町から総武線普通電車に乗っても，中野へ行けるんだった。こんなところでのんびりと中古カメラ店を眺めている時間があったなら，中野へ行ってこれたように思うが，しかたない。
　東京駅は，まったくいつまで工事をしているつもりなのだろうか。八重洲地下街へ至る通路が，相変わらず通りにくい。そう，お土産を物色するついでに，カメラのキタムラくらいは覗いておきたいのだ。まったく，東京を訪れるたびに中古カメラ店を覗くという，我ながら芸のない行動である。残念ながら，カメラのキタムラにも，買いたくなるようなものはなかった。散財せずに済んだので，これでよいことにする。
　このまま帰るのも，まさしく芸がない。東京を19:50に発車する広島行き最終の「のぞみ123号」まで，まだちょっと時間があるので，以前から気になっている大森駅に寄ってみることにした。アメリカ人学者モースが，1877年に発見したとされる大森貝塚の発掘調査は，日本における考古学の発祥とされる。それを記念する碑は，駅の近くの公園等にあるが，京浜東北線大森駅のホームにも，碑があるとのこと。ホームの場所が貝塚だというわけではないが，モースは列車に乗っていて，沿線に貝塚があることに気がついたということになっているので，鉄道も貝塚の発見に貢献していると言えなくもない，ということか。

京浜東北線で，大森駅から東京駅まで戻るには，15分から20分はかかる。すでに時刻は19:30だ。いまから東京駅まで戻っても，東京を19:50に発車する「のぞみ123号」には間にあわない。どうする？なんのことはない，品川駅までなら5〜6分だ。品川駅で，「のぞみ123号」を待てばよいのである。今回の東京出張は，往復とも東京駅ではなく品川駅を利用するということになってしまった。
　なお，せっかく持っていって，貴重なフィルムを装填したPENTAX auto110であるが，結局，1カットも撮影をしなかったのである。まあ，どんよりした生暖かい天気では，写真を撮ろうという気にならなかったということで。