撮影日記


2009年12月29日(火) 天気:晴

2009年にはなにを撮っただろうか

私は幸いにも,あるラボの集配を利用できる環境にある。はじめて利用させていただいたころは,「納品の都度,現金で支払う」ようにしていたが,やがて,「面倒なので,翌月にまとめて払ってほしい」ということになった(1997年6月16日の日記を参照)。要するに「ツケ」である。「ツケ」なので気楽に発注できるのだが,翌月の支払いの際に驚くことも何度かあった(笑)。
 しかしここ数年,ラボへの発注が激減した。ディジタルカメラの影響は,たしかにある。ちょっとした撮影は,ディジタルカメラだけで済ませてしまうことが増えた。「ナニワカラーキットN」を使うことを覚えたため,カラーネガの現像を依頼する機会が減ったこともある。しかし,なんといっても,撮影にでかける機会が少なくなったのである。公私多忙な状態がしばらく続くので,こればかりはしかたがない。
 ともあれ先月から,「納品の都度,現金払い」にもどることになったのである。

「撮影にでかける機会が少なくなった」のは事実だが,まったくでかけていないわけではない。たとえば,三段峡(2009年11月3日の日記を参照),井仁の棚田(2009年9月13日の日記を参照),筒賀神社のイチョウ(2009年11月4日の日記を参照)などは,今年も撮りにでかけている。しかし,いずれも1回だけ。多いころは,少なくとも各季節には訪れていたのにくらべれば,甚だしいほどご無沙汰している。常清滝に至っては,今年も訪れる機会をつくることができなかった。
 遠くへでかける機会が減っている分は,身近なところでの撮影をこころがけるようにはしている。たとえば1月ころは,コダックステレオカメラ(Kodak STEREO CAMERA)で,身近な光景の記録を増やそうと考えていた(2009年1月13日の日記を参照)。また,「楠木の大雁木」のサクラの撮影は,今後も継続していこうと思う(2009年3月30日の日記を参照)。そのあと4月7日まで撮り続けたが,今年は種種のカメラの試運転が主目的になってしまった感がある(笑)。ぼちぼち,来春の撮影の構想でも,考え始めようか。

Mamiya Press SUPER23, Mamiya-Sekor 100mm F3.5, EPP

今年,ちょっと変わったこととしては,空にレンズを向けたことがある。
 焦点距離1000mmの反射望遠レンズ「SIGMA MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5」をいただいたのは,もう5年も前のことになる(2005年1月16日の日記を参照)。せっかくの1000mmという超望遠レンズであるが,その絶望的な暗さゆえに,使い勝手が非常に悪い。太陽の撮影に適していることがわかったものの(2005年2月27日の日記を参照),なかなか出番がやってこない。
 そんなレンズの出番が,ついにやってきた。2009年7月22日である。この日は,46年ぶりに日本国内の陸地で,皆既日食を見ることができた日である。もっとも,太陽が月によって完全に隠されてしまう皆既状態を見ることができる場所は,本州南方の海上と一部の島に限定される。それでも広島では,最大で太陽の直径のおよそ86%が欠ける,大規模な部分日食が見られたのである。超望遠レンズは,このような現象の撮影にはうってつけである。
 その少し前に,たまたまディジタルビデオカメラをいただいた。ミニDVカセットテープを使うNTSC規格の古い機種であるが,きちんと動作するビデオカメラが手もとにやってきたのは,何年ぶりのことであろうか。この日の日食は,何年かぶりでのビデオ撮影に挑むことにもなったのである(2009年7月25日の日記を参照)。

CONTAX RTS, SIGMA MIRROR TELEPHOTO 1000mm F13.5, DNP CENTURIA100

このあと,ジャンクコーナーから,SONY DSC-P2というコンパクトディジタルカメラを救出した(2009年8月23日の日記を参照)。救出したのはいいが,使い道がない。ところが,天体望遠鏡の接眼レンズを覗いてみれば,月のような明るいものであれば簡単に写ってしまうことがわかった(2009年8月31日の日記を参照)。
 太陽にレンズを向けたなら,こんどは月にレンズを向けたくなるのが,人の常というものなのだ(笑)。
 来年はよりいっそう,身近な被写体に目を向けたいものである。

2009年,あなたはなにを撮ってきた?


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