撮影日記


2009年11月03日(火) 天気:雪のち雨のち曇 下界では晴

紅葉と雪との共演

テレビ等の気象情報によれば,11月2日の夜から3日の朝にかけて,上空に真冬並みの寒気がせり出してくるとのこと。寒気の影響で大気は不安定になり,雨模様になるという。そうはいっても11月3日ころといえば,三段峡の紅葉が見ごろを迎えるはず。明け方までには雨もやむとのこと。
 夜明けごろに三段峡を歩き始められるよう,まだ暗いうちからクルマを走らせる。出発したころ空は澄み渡っており,満月に近い月が煌々と輝いている。その明るさに負けないよう,星座を形づくる星たちも,その存在をアピールしているかのようだ。
 しかし,広島市を出て安野付近まで至るころには,月は厚い雲に隠されるようになっていた。そして,戸河内付近では小雨模様。三段峡の入り口(柴木口)付近を過ぎて国道191号線を走りつづけると,本格的な雨である。そして深入山いこいの村付近では,雪。雨は夜更け過ぎに,雪へと変わってしまったのか?路面に積雪はないものの,道路の端や,木々の枝には,雪がそれなりに積もっている。
 小板で国道191号線から大規模林道に入り,餅ノ木駐車場をめざす。大規模林道には,雪の重みで竹が倒れこんでいる個所もある。かなりの雪が降ったようである。
 餅ノ木駐車場に,先客はない。雪は夜明け過ぎに,雨へと変わるだろう。雪ならまだしも,雨のなかを歩くのはいやだ(笑)。気象情報では明け方にはやむとのことなので,車内で夜明けを待つ。こんなときは,毛布等をかぶり,暖かくして寝るのが一番だ。アイドリングして車内で暖をとることは,おすすめしない。

携帯電話機のディジタルカメラ機能で撮影。

やがて雪は雨にかわり,激しくクルマのウィンドウをたたく。外が明るくなり,雨も弱くなってきたので,荷物をまとめて出発する。周辺の山々は,ほどよく色づいた上に,うっすらと雪をかぶっている。今日のテーマは,「紅葉と雪との共演」にしよう。
 峡谷内の道を歩いていると,雨はやんだはずだが,ときどき大粒の滴がかかってくる。枝に積もった雪が,明け方の雨でも多少は溶け残ったものの,急速に溶けつつあるようだ。山の上に見えている雪も,次第に小さくなっていく。
 さて肝心の校強だが,残念ながらピークを過ぎているようだ。すでに葉を落としてしまった枝が目立つのである。一方,足元に目をやれば,落ち葉が厚く積もっている。今朝の雨と雪,さらには11月1日の激しい雨で,早々に葉が落ちてしまったのだろう。今年の紅葉は,少し条件が悪かったようだ。
 それでも三段滝には,朝早いにもかかわらず次々に人が訪れてくる。

携帯電話機のディジタルカメラ機能で撮影。

三段滝付近では,「紅葉と雪との共演」は撮れないので,三ツ滝の方に移動する。三段滝よりも三ツ滝の方が,滝の姿そのものは美しいと私は思っているのだが,それだけに何年か前は三ツ滝ばかり訪れて三段滝にほとんど訪れていなかったことがある。最近はその反省から,おもに三段滝を訪れるようにしていたので,三ツ滝のほうはしばらくご無沙汰していたものだ。
 しかし,三ツ滝のほうも,峡谷内には雪があまり残っていない。それどころか,気象情報が伝えたように,ときおり晴れ間が見えるような状況。紅葉の季節に,不意に雪深い三ツ滝を訪れてしまったのは,2002年のことだった(2002年11月10日の日記を参照)が,そんな光景にはなかなか巡りあえないものである。

携帯電話機のディジタルカメラ機能で撮影。

峡谷内には雪が見られないが,樽床ダムまでもどってみると,山の上のほうにはまだまだ雪が残っている。そこで,峡谷の外,周囲の山々のようすを撮ることを考えた。似たようなことを考える人は多いようで,国道191号線はあちらこちらに不用意に駐車して三脚を立てている人がいる。たしかに視界が開けてきれいな山々が楽しめそうな場所であるが,ちょっと平凡な感はぬぐえない。
 そこで,以前から気になっていた小板の集落にある茅葺家屋に目を向けて見ることにした。「紅葉と雪との共演」をねらったものの,写真としては不作であったが,目で楽しむことは十分にできたので「よし」ということにしよう。

TACHIHARA FIELSTAND45, FUJINON W 150mm F5.6, EPN

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