2009年06月15日(月) 天気:はれ後くもり
リブレット20のニコイチ再生
ACアダプタを接続した瞬間,東芝リブレット20(TOSHIBA Libretto 20)の電源インジケータが音もなく消えた。
そしてもう,電源が入らない。
完全に故障してしまったのか?故障個所はどこだ?
バッテリを交換して,もう一度スイッチを押してみると,今度は無事に起動した。どうやら,ACアダプタからの電源を受け入れる部分に異常が発生したようである。
実は,しばらく前にも,異常が発生していた。
本体のPCカードスロットが,PCカードを認識しなくなっていたのである。オプションのPCカードアダプタでは使用できるので,たちまち使えないわけではないのだが,リブレット20の最大の特徴であるコンパクトさをスポイルすることになるのは,いただけない。
ともあれ,リブレット20のメイン基板に異常が発生していることは間違いない状況だったのだが,今度はACアダプタからの電源供給を受けつけなくなってしまったのである。バッテリでは使えるといっても,出張などでもちだすときには,長時間にわたってACアダプタで使いたいときもあるというもの。また,最初はPCカードスロットに,こんどは電源回路に異常が発生したのである。次はどこに異常が発生するか,わかったものではない。
このリブレット20は,3台目である。
1台目のリブレット20をずっと使ってきたのだが,長く使っているうちにメイン基盤と液晶ディスプレイを結ぶ回路に異常が発生したのだろうか,正常な表示ができなくなった。また,筐体のプラスチックが弱いのか,あるいは持ち運びが激しすぎるのか,あちらこちらが割れたり欠けたりして,ついに筐体は崩壊の危機に至ったのである。
そんなとき,友人に3台目になるリブレット20をいただいた(2台目は,別の友人からいただいたものであるが,いただいたときにはすでに「故障品」であり,部品取り用に保管していたものである)。3台目のリブレット20は,いただいたい当初には,起動がスムースにいかなかいことも多かったが,やがて問題なく動作するようになった。液晶ディスプレイの調子もよく,譲ってくれた友人には大いに感謝している。
しかし,起動がスムースにいかないことがあったということは,いただいたときにはすでにメイン基盤になんらかの問題が含まれていた可能性がある。爆弾を抱えた状態であり,それがついに爆発した,ということかもしれない。
ともあれ,リブレット20が使えなくなると,たいへん困る。あらたにノートPCを買わなければならなくなるのも,つらいところ。
そこで,修理に挑戦することにした。
1台目のリブレット20は,メイン基盤の調子はよかったが,液晶ディスプレイが使えなくなり,筐体が崩壊の危機にある。3台目のリブレット20は,液晶ディスプレイも問題なく,筐体もまだそれほど傷んでいない。ただ,メイン基盤に問題を抱えている。
ということは,1台目のメイン基盤を,3台目に移植すればいいのではないだろうか。そう考えるのが普通だろう?
まず,リブレット20のキーボードの上にある部品をはずす。これは細いので折れやすい。実際に端を折ってしまった(笑)。まあ,それくらいのことはいい。
この下にある1本のねじをはずすと,キーボードをはずすことができるようになる。
次に裏面にある6本のねじをはずせば,筐体を開くことができる。そうすれば,メイン基盤をはずせるようになる。
このとき,言うまでもないが,電源コードやバッテリをはずしておき,ハードディスクや増設メモリ,PCカードなども抜いておくべきである。
メイン基盤を交換し,増設メモリやハードディスクなどをもどして,いざ電源ON!
無事にリブレット20は起動した。
ACアダプタからの電源供給も受けつけるし,本体のPCカードスロットも使えるようになった。
ということで,リブレット20の「ニコイチ再生」は成功した。
ちなみに「ニコイチ」とは,「故障している2つの製品から使える部品を取り出して,1つの動作する製品を組み立てる」ことをさすことばである。「2個」のものから「1」つのものをつくりだす,それが「ニコイチ」。
今回の修理に使用したリブレット20は,引き続き保管しておくことにしよう。またいずれ,使える部品を移植する機会があるかもしれない。
最後にいちおう,警告。
パーソナルコンピュータの分解は,自己責任でおこなうこと。この記事を参考にして分解や修理等を試み,その結果,なんらかの損害が生じても,私はいっさい責任を負わない。悪しからず。
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