撮影日記


2009年05月17日(日) 天気:雨

「主婦の友」の謎

昨日,梅田のマルシンカメラに立ち寄った。ジャンクカメラも豊富な,「アマチュアの店」である。保護しておきたいカメラはいくつもあったが,昨日は友人から「キヤノンII-B」を譲っていただいたこともあり,少し自粛。どうしても気になった1台だけを保護することにした。

「マミヤ35S-II F2.8」

「マミヤ35S-II F2.8」である。
 連動距離計を内蔵したファインダーをもつ,標準的な35mm判レンズシャッターカメラである。搭載されたレンズは,MAMIYA-SEKOR T 48mm F2.8という3枚玉(*1)。すなわち廉価版カメラと言える。このカメラの上位モデルとして,4群6枚のMAMIYA-SEKOR FC 48mm F1.9を搭載(*2)した「マミヤ35S-II F1.9」というカメラがあり,これはずっと前に入手していた(2005年12月19日の日記を参照)。
 「マミヤのカメラ(の収集)をコンプリートする」という目的があれば,まだ入手していない「マミヤ35S-II F2.8」は,当然,入手するべきカメラである。しかし,まだコンプリートが狙えるような位置にいるわけでもない私としては,似たようなカメラはなるべく避けて,はっきりと特徴が異なるカメラを優先的に入手したい。
 しかも,この「マミヤ35S-II F2.8」は,巻き戻しクランクが失われていた。外見も不完全な状態だ。それでもなお,このカメラを保護しておきたくなったのは,そのシリアルナンバーが「キリ番」だったからである。「キリ番」といっても,この程度だが。

ボディに刻まれたシリアルナンバーは「No.1169000」。

ちなみに,入手した「マミヤ35S-II F2.8」で失われていた巻き戻しクランクについては,手もとにあった不動の「ニコノスIV-A」のものを移植しておいた。そのため,黒いのである。
 シャッターは,低速シャッターの動きがかなりあやしいが,まだなんとか自力で動いている。距離計は,まあだいたい,悪くないところを示す。ということは,なんとか撮影はできそうだ。
 「マミヤ35S-II F2.8」の発売は,1959年である。友人から譲っていただいた「キヤノンII-B」よりも10年も新しい製品だ。新しいカメラだといっても,今からざっと50年前のものである。1959年は,「ニコンF」が発売された年でもある。この後,日本のカメラがまさに世界中を席巻していった,ということになるわけだ。

「マミヤ35S-II F1.9」と「マミヤ35S-II F2.8」

「マミヤ35S-II F2.8」や「ニコンF」が発売された翌年,1960年には,「日本カメラショー」がはじまり,毎年「カメラ総合カタログ」が発行されるようになった。
 マルシンカメラを出たあと,八百富写真機店のディアモール店にも立ち寄ったところ,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」の1996年版と1997年版を発見。それぞれ200円で購入。これくらいの年代のものは,まだまだ安価に流通している。ともあれこれで1967年版から2008年版までのすべての年のものがそろったことになる(1年間に複数の版が発行された年もあるので,すべての版をコンプリートしたわけではない)。あとは,1962年版から1966年版を見つけたいところだ。
 さて,八百富写真機店のディアモール店には,ちょっと気になるカメラがあった。一見しただけでも貼り革の状態が悪いことがわかる「マミヤシックス」であるが,値札に「主婦の友I」とも書かれていた。これはいったい,なにを意味するんだろう?店員さんに尋ねようと思ったが,ほかのお客さんの接客中であり,しかもカメラの修理もしているようだ。時間がかかりそうだったので,待たずに帰ることにした。
 「謎」が残ってしまったのが,少々,心残りである。

*1 http://www.mamiya.co.jp/home/camera/museum/saishu-page/1950/mamiya35-s-2-f28.htm

*2 http://www.mamiya.co.jp/home/camera/museum/saishu-page/1950/mamiya35-s-2-f19.htm


← 前のページ もくじ 次のページ →