撮影日記


2009年04月29日(水) 天気:はれ

ブルーベリーの花

最近,ディジタルカメラという消耗電気製品のカテゴリに「デジタル一眼」という言葉があらわれたようだ。「デジタル一眼レフ」ではない。「デジタル一眼」である。
 「デジタル一眼レフ」は,「一眼レフカメラ」のフィルムのかわりに撮像素子を用いたディジタルカメラを指す。ニコンやキヤノンなどから多くのモデルが発売されており,レンズなどのシステムが,一眼レフカメラと共用できるように考えられている。その名称にある「レフ」は,「レフレックス」機構があることを示す。ここでいうレフレックス機構とは,レンズを通った光をミラーで反射させて,像をファインダーに導き,その像を利用して構図を整えたりピントを調整したりするしくみのことである。
 一方,「デジタル一眼」を名乗っているのは,Panasonicというカメラメーカーというよりは家電メーカーというイメージの方が強い(とはいえ,NationalやPanasonicブランドのカメラも,けっこう古くから発売されていた)ブランドから発売された「Lumix G1」という製品である。この製品は「ミラーレス」によるコンパクト化がセールスポイントの1つとなっている(*1)。「ミラーレス」ということは,「レフレックス」機構がないということ。だから決して,「デジタル一眼レフ」ではない。「Lumix G1」は,交換レンズ群が用意されたシステムディジタルカメラであり,全体のスタイルもどことなく一眼レフカメラを彷彿とさせる。そういう面も含めて,一眼レフカメラに非常によく似ているが,一眼レフではないディジタルカメラになっている。そんな製品だからこそ,「デジタル一眼」という,一眼レフカメラによく似た名称が与えられたのであろう。
 さて「デジタル一眼」にはミラーがないという。ではファインダーはどうなっているのかというと,撮像素子で受けた像を液晶ディスプレイに表示させているのである。そのような液晶ディスプレイを組みこんだファインダーは,電子ビューファインダー(EVF)とよばれている。
 EVFを組みこんだディジタルカメラで,一眼レフカメラに似たスタイルをした製品は,「Lumix G1」以前にも多く見られていた。例としては,フジ「Finepix S9000」があげられる。これは「ネオ一眼」と称していたようだ(*2)。もちろん「ネオ一眼レフ」とは称していない。なお,この製品には高倍率ズームレンズが組みこまれており,レンズ交換はできないようになっている。

レンズ交換ができない一眼レフカメラは,古くから存在する。たとえば1950年代のツァイスイコン「Contaflex」に代表される,レンズシャッター式一眼レフカメラがあげられる。しかし,レンズシャッター一眼レフカメラの流行はあまり長くは続かず,レンズ交換ができない一眼レフカメラはあまり話題にもならなくなった。
 その後,1980年代になって,オートフォーカスやズームレンズが発達してくると,それらの機能を組みこんだフルオートの一眼レフカメラも登場してくる。たとえば,オリンパスLシリーズがあげられる。
 これらのカメラはレンズ交換ができないかわりに,レンズの前に取りつけることで広角レンズや望遠レンズとして使えるようになるコンバージョンレンズが,オプション品として用意されていた。コンバージョンレンズは,コンパクトカメラなどのビューファインダーカメラ用にも用意されていた例があるが,一眼レフカメラのほうがコンバージョンレンズの効果がはっきりと確認できるので,より注目されたことだろう。また,「レンズ交換ができなければ一眼レフの価値がない」という批判があったとすれば,それに応えることにもなっただろう。

最近,ズームレンズが固定されたタイプの一眼レフカメラである,オリンパスL-10用の望遠コンバージョンレンズ「C-180」を入手した。オリンパスL-10に搭載されたレンズは28-110mmのズームレンズであるが,これを180mmの望遠レンズとして使えるようにするためのコンバージョンレンズである。ちなみに180mmの望遠レンズとして使うときには,オリンパスL-10に搭載されているズームレンズの焦点距離を110mmにしておく必要がある。焦点距離を広角側にすると,四隅がケラレる。もっとも広角側の28mmにすると,ファインダー上では完全な円形の視野となる。なにかの明確な目的がなければ,使いものにならない状態だといえるだろう。
 このコンバージョンレンズ「C-180」は,フィルタのようにレンズの前に取りつける。ネジ径は52mm。ニコンの単焦点レンズには,フィルタ径が52mmのものが多いので,もしかしたら流用できるかもしれない。

ズームレンズ固定の一眼レフカメラ,オリンパス「L-10」。
オリンパス「L-10」にコンバージョンレンズ「C-180」を取りつけた。

買ってきたブルーベリーに,花が咲いた。

あまり大きくない植木鉢に2本の苗を植えておいたのだが,無事に咲いてくれて,まずはホッとしている。
 ブルーベリーには多数の品種があり,それらはいくつかの「系」に分類される。実をつけさせるためには,同じ「系」の別「品種」を近くに植えておくとよいとのこと。苗を買ってきたときは,あいている鉢が1つしかなかったので,とりあえずはそこにまとめて2本の苗を植えていたのである。そして,鉢と置き場所を確保したら,それぞれ別の鉢に植え替えるつもりだったのだが,そんなことは冬の間にすっかり忘れていた(笑)。
 最近,新芽らしきものが見えてきたので,枯れていないことにまず安心。そしてそれは,芽ではなく花だった。花が咲いてしまったから,いまは植え替えをしないことにしているのである。

ブルーベリーの花は,かなり小さい。ぷっくりふくらんでいるものの,開いているのは先の方だけ。その狭い口から,めしべがちょろっと顔を覗かせている。
 ここに植えた2つのブルーベリーは「品種」が違うので,よく見れば花の形も微妙に違う。一方は細長く,他方は少し丸っこい。次の画像は,いずれもAF Micro-NIKKOR 105mm F2.8Sで撮影したものである。

Nikon D70, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S
Nikon D70, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

これらの花がうまく受粉し,結実するかどうかは,また今後のお楽しみである。

さて,このような小さな花を撮るためにAF Micro-NIKKOR 105mm F2.8Sを使ってみたのだが,もっと大きく撮れないものかと欲が出てきた(笑)。たとえばクローズアップレンズを使うのも1つの手であろうが,この機会にオリンパス「C-180」を試してみようと考えた。AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8Sのフィルタ径は,52mmなのである。
 さて,「C-180」を取りつければ,焦点距離は約180mmになるはずである。しかし,最短撮影距離はかなり伸びるようだ。かなり後ろにさがって,ようやくピントが合う。撮影倍率もかなり下がるようで,「もっと大きく撮る」という目的には使えないことだけははっきりわかった。
 次の画像は,いずれも最短撮影距離付近でのものである。
 専用コンバージョンレンズは,本来の目的でのみ使用するべきなのだろう。

Nikon D70, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S
Nikon D70, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S + OLYMPUS conversion lens C-180

*1 http://panasonic.jp/dc/g1/small.html

*2 http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixs9000/


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