撮影日記


2009年03月31日(火) 天気:くもり後はれ

今年も楠木の大雁木にて
サクラを撮る
(マミヤRB67編)

昨日は,ZENZA BRONICA ETRSでフィルム1本,15コマを撮りきってしまった。お昼休みという限定された時間のなかで15コマも撮りきったのは,一眼レフカメラという扱いやすい形態であること,セミ判というコンパクトなボディであることが大きく影響している。120フィルムで15コマも撮れるという経済性も,決して無視できる要素ではない。
 しかし,セミ判では,やはり少しさびしいのである。
 マミヤプレスで撮る6×9判を基準にすれば,セミ判は「ハーフサイズ」である。また,プリズムファインダーを入手していないので,縦位置撮影がむずかしいことも問題点の1つになる。こんなとき,レボルビング機構があって縦位置撮影のおこないやすいRB67がほしくなる・・・・ということを書いたのは,昨年2008年4月3日の日記である。
 ところが今年は,Mamiya RB67 Professional Sが手元にある。ZENZA BRONICA ETRSにくらべれば,巨大で重いカメラであるが,今日はこれを使うことにした。

Mamiya RB67 Professional Sのような重いカメラは,やはり三脚に乗せて使いたい。三脚もできるだけ大きく重いものを使いたいが,今日のところはスリック・マスターでなんとかしようと思う。
 今日も,川の水量は十分だ。「すいすい」が「楠木の大雁木」付近にやってくるのは,12時20分ころ。カメラをセットして,「すいすい」がサクラの向こうから顔を出すのを待つ。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-Sekor 90mm F3.8, REALA
Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-Sekor 90mm F3.8, REALA
Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-Sekor 90mm F3.8, REALA

遠くから近づいてくる「すいすい」は,とても遅く感じる。
 しかし,いざ近づいてきたときには,ごく近いところを通り過ぎるので,まさに「あっ」という間に通り過ぎていく。
 しかし,RB67はさすが,一眼レフカメラである。
 岸のサクラを一瞥しただけで,さっさと通り過ぎていく「すいすい」を十分に追いかけることができるのだ。シャッターチャージと巻き上げの連動もないが,問題なし。ましてや,ワインダーなんて必要ない。AFやAEがあったら,被写体の動きに振り回されてしまい,かえって撮りにくくなるだろう。
 などと強がってみるものの,シャッターチャージと巻き上げが連動し,AEファインダーを利用することのできる,RZ67やPENTAX 67IIに強い魅力を感じてしまうのであった。とくにRZ67なら,RB67と同様のレボルビング機構により,縦位置撮影もおこないやすい。
 ま,ここでの比較対象は,マミヤプレスである。距離計を利用した撮影をするならば,マミヤプレスの方が速写性がよいことになるが,たいていはピントグラスを利用した撮り方をする私にとって,「一眼レフカメラである」というだけでも,撮りやすさに関しては,大きなアドバンテージとなるのである。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-Sekor 90mm F3.8, REALA

「すいすい」が通り過ぎたあと雁木をおりて,サクラを見あげる。
 このようにローアングルでの撮影は,やはりウエストレベルファインダーがよい。RB67用のプリズムファインダーは,斜めに見下ろせるようになっているので,それを使ってもローアングル撮影は容易であるのだが,ピントグラスを「覗く」のではなく「眺める」ことのできるウエストレベルファインダーが,私はやはり好きなのである。
 もしRZ67を買ったとしても,ウエストレベルファインダーではどうせAEができないのだから,今の私にはRB67でも十分なのだ。

話はとぶが,ニコンを使うならやはりF3がいい。
 アイレベルファインダーでもウエストレベルファインダーでも,同じTTL露出計が利用できるからだ。
 FやF2は,アイレベルのフォトミックファインダーを使わなければTTL露出計が利用できず,ウエストレベルファインダーを使うときはTTL露出計が利用できない。ない。F4やF5は,アイレベルのフォトミックファインダーには,非常に優秀な露出計が組みこまれているが,ウエストレベルファインダーを使うときに利用できる露出計は,シンプルなものに限定される。いや,シンプルな露出計で十分なのだが,ファインダーを交換することで,測光条件がかわってしまうのが,すっきりしないというかなんというか。

Mamiya RB67 Professional S, Mamiya-Sekor 90mm F3.8, REALA

最後に「楠木の大雁木」を離れて,桜並木を撮ってみることにした。
 お昼休みなので日が高く,路面にくっきりとサクラの枝の影が映る。これを強調すべく,また桜並木の奥行きを感じられるよう,縦位置で撮ってみた。こういうとき,やはりレボルビング機構は便利である。
 中判一眼レフカメラとしては,やはりRB67が最高だな。少々重くて嵩張り,手持ち撮影が厳しいと感じられることさえ除けば。


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