撮影日記


2009年03月16日(月) 天気:晴

普通列車で新潟から広島へ行く(1)

昨日の日記のつづき。

「快速ムーンライトえちご」は,無事に新潟駅に着いた。
 そこでは,3本の列車が利用者を待っている。4:54発の羽越本線の村上行き快速,5:18発の信越本線の長岡行き,5:00発の越後線の吉田行きである。
 村上行きの快速に乗れば,村上でさらに乗り換えて,酒田まで行くことができる。さらに乗り換えれば,11:31には秋田に着く。個人的に未踏の地,秋田へ行きたいという思いは強いのだが,そんなことをしていると,今日中に広島に戻ることができなくなってしまう。
 広島へ戻るなら,信越本線を引き返し,長岡から柏崎,直江津を経て,北陸本線に向かう必要がある。信越本線の長岡行きは5:18発。これだけの時間があれば,新潟駅の外にちょっと出てくることも可能かもしれない。そして,長岡で直江津行きに乗り換えれば,直江津に8:30に到着する。ただ,信越本線の新潟と長岡の間は,たったいま,「快速ムーンライトえちご」で通ってきたところ。同じ道を引き返すというのも,おもしろくない。
 そこで私が選んだ列車は,5:00発の越後線の吉田行き。吉田でさらに柏崎行きに連絡しており,柏崎で,直江津に8:30に着く列車に乗り換えられる。
 越後線は,新潟に近い区間はそれなりの数の列車が運転されているようだが,柏崎に近い方は,運転本数がかなり少なくなる。そのため全線が単線で,列車の速度もあまり速くなく,景色をのんびりと眺められる・・・・といっても,まだ,夜は明けきらず。



吉田で柏崎行きに乗り換え,さらに進んだ小島谷のあたりで,ようやく空が十分に明るくなってきた。このころ,天気はめまぐるしく変わる。晴れてきたと思ったら,大雨が降り,雨がやんだと思ったらまた晴れ間が顔をのぞかせ,そのまま晴れるのかと思ったら,雪である。
 柏崎駅に到着したときは,ちょうど雪が激しく降る状態だった。
 ここで乗り換えのための時間が17分ほどある。少し駅の外を歩いてみようと思ったが,あまりの激しい雪のためにすぐに断念。駅舎に隣接するコンビニエンスストアで,朝食用にサンドイッチを買うのが精いっぱいである。ともあれ,「新潟県内を歩く」ことは,ここで実現できた。残るは,青森,秋田,長野の3県である(2009年2月25日の日記も参照)。

信越本線の列車で直江津へ向かう間は,列車が海岸沿いを走る箇所も多い。雨や雪が激しく降ったりやんだりする,やや荒れ模様の天気であれば,海もそれ相応に荒れている。いや,激しく荒れ狂う日本海を見慣れた人にはあたりまえの景色なのかもしれないが,日ごろ,瀬戸内海ばかりを見ている者にとっては,とてつもなく激しく荒れた海の姿なのである。

直江津からは,北陸本線になる。この区間では,昔の寝台特急用の電車を転用した車両も使われている。そのため出入口が狭く,大きな荷物を持っていると少々通りにくい。そのかわり,座席の足元は広く,快適である。ただし,上を見てはいけない。そこには,中段や上段の寝台が畳みこまれた状態で封鎖されており,座席が広いこととは対照的に,空間に妙な圧迫感があるのだ。
 そんな電車で,富山までの約2時間を過ごす。海岸に沿って走る区間も多く,日本海の景色をたっぷりと楽しむことができる。いつしか天気はすっかり晴れており,少々波は高いものの,日本海の姿は青くきれいなものにかわっていた。

富山からは,金沢行きの電車に15分で連絡している。しかし,ホームに入っていた金沢行きの電車の座席は,すでにかなり埋まっていた。ところが,さらに17分ほど待てば,金沢行きの臨時快速「ホリデーライナーかなざわ」があるという。どちらにしても,金沢で乗り継ぐことになる列車は同じなので,どうせなら確実に座れる臨時快速「ホリデーライナーかなざわ」に乗ることにして,富山駅の外に出てみることにした。
 いい天気である。
 でも,そんなに遠くに行く時間はないので,すぐに駅に戻る。ちょっと早いが,昼食を食べておこう。富山と言えば,駅弁「ますのすし」が有名だ。鱒がたくさん載っているが,昼に鱒ばかりたくさん食べるのも,少々重そうだ。また,「ますのすし」を買うと,財布が軽くなる懸念もある(笑)。そんな私の目にとびこんできたものは,売店の店先に並べられていた「ますのおむすび」である。海苔のかわりに薄く切られた鱒の身が巻かれているもの。値段も1個160円と,昼食にはお手頃である。

金沢行きの臨時快速「ホリデーライナーかなざわ」には,かつて長距離急行列車に使用されていた車両が使われていた。車内はボックス席が並ぶ。普通列車用車両のボックス席は,肘かけが通路側にしかないが,急行用車両のボックス席は,窓側にも肘かけがある。そのかわり,通路がちょっと狭い。
 そんな,旅行のムードを盛り上げてくれる車内で発車を待ち,動き出してからおもむろに「ますのおむすび」を食べるのであった。味も,期待通り。おいしいものである。

同時に買った,「甘酒まんじゅう」も,なかなかおいしい。食べた瞬間は,酒粕の酸味がきつく感じるが,後味がなかなか気持ちよい。1個130円,個人的には,これもおすすめしたいものだ。

なお,柏崎から富山までは,日本海の景色を楽しめるように,進行方向右側に座るようにした。富山から先は,山の景色を楽しめるように,進行方向左側に座ることにしたのである。

画像はすべて,携帯電話機のディジタルカメラ機能による。


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