撮影日記


2009年03月15日(日) 天気:曇ときどき雪または雨 のち晴

トンネルを抜けると雪国らしい

昨日の日記のつづき。

東京の金券ショップで「残り2回分」の「青春18きっぷ」を購入した。7500円なのでかなり割高であるが,4月10日までの有効期間内にとても全5回分を消費できる見込みもないので,しかたない。多くの金券ショップで「青春18きっぷあります」「青春18きっぷ入荷しました」とあるが,「使いかけ」のものが在庫切れになっているお店が多い。とくに,「残り2回分」や「残り1回分」は,なかなかみつからない。
 ちなみに,「残り4回分」の売値が10000円,「残り3回分」の売値が9500円,「残り2回分」の売値が7500円になっているお店が多いように思われた。なお買い取り額は,残り額面の7〜8割くらいに設定されているらしい。「残り3回分」と「残り2回分」の売値の差が大きいので,「残り3回分」を買うのは不経済に思われる。

時刻は午前0時を過ぎ,3月15日の日曜日になった。「今日中」に,広島まで戻らねばならない。
 まず乗車するのは,新潟行の臨時夜行列車「快速ムーンライトえちご」。0:59,到着した列車からどかどかどかと大勢の人が降りてくる。「快速ムーンライトえちご」は,高崎駅に15分ほど停車し,その間に,金沢行きの夜行急行列車「能登」を先に行かせるのだが,この停車時間を利用して,ホームの自動販売機で飲み物を購入するために降りてきたようである。さらに,「能登」が隣のホームに入ってくると,カメラをもった人たちも降りてくる。きっと,「鉄」な人であろう。遅くまで乙!である。
 乗車すると,車内はほぼ満席。確保していた指定券は窓側。幸い,通路側の人はまだ起きている。もし彼が熟睡していたなら,私がその隣に座ることで,その安眠を妨害することになっていただろう。

「快速ムーンライトえちご」は,上越線を新潟へ向かう。
 夜行列車には,その車内にも独特の雑然とした雰囲気がある。
 夜行バスだと,目的地に着くまでみんな,ほとんど自分の席に座ったままである。たまにトイレ休憩等があっても,そのときはみんな一斉に行動をおこす。
 列車の車内は,それにくらべれば自由度が高く,夜中でも車内を移動する人を見かける。
 「快速ムーンライトえちご」は,寝台列車とはちがって,一晩中,到着駅等のアナウンスをおこなっていた。
 こんな夜行列車の雰囲気を楽しめる機会も,ほんとうに貴重なものになってしまった。

高崎を発車後,私はすぐに眠ってしまったようだ。次に目を覚ましたとき,列車は,どこかの駅に停まっていた。窓の外は雪。線路にも雪が積もっている。
 どうやら,水上駅らしい。

次に目が覚めると,越後湯沢駅に停まっている。ここも,雪の中。しかも,雪はさらに激しく降っている。
 眠っている間に,新清水トンネルなどを通り過ぎていたはず。国境の長いトンネルを抜けると雪国であったわけだが,眠っていた私はなにも知らずに国境を越えてしまったことになる。
 今朝(厳密には昨日の朝)の東京は,強い風と激しい雨の荒れ模様。東京や高崎は,天気も落ちついたようだが,山間部はまだ荒れているということだろうか。であればこのあとずっと,今シーズン最後の雪景色を楽しめるのかもしれない。
 そう期待してふたたび眠り,次に目が覚めると長岡駅。ここではもう,雪景色はなくなっていた。
 向こうに見えるホームに,青森からやってきた上野行きの寝台特急「あけぼの」が止まっている。そのホームを,三脚を持って走る人の姿がある。
 「快速ムーンライトえちご」は,長岡駅に16分ほど停車する。
 「鉄」な人,乙!である。

このあと小刻みに,眠ったり目覚めたりを繰り返すが,最後の途中停車駅である新津駅を発車したところで,洗面台に立つ。昨夜,お風呂に入れなかった分と,とりあえず目を覚まさせるために,少々しつこいくらいの洗顔。「快速ムーンライトえちご」の車両は,従来からの特急用車両のため,車内に洗面台という設備が用意されているのはありがたい。

そして,そのとき。午前4時51分。
 私はついに,新潟駅のホームに降り立った。
 そして,乗り継ぐべき列車の待つホームに向かって,足を速めるのであった。

画像はすべて,携帯電話機のディジタルカメラ機能による。


← 前のページ もくじ 次のページ →