撮影日記


2009年03月04日(水) 天気:曇のち晴

オーロラカメラへ行った

あ,ない。
 せっかく,ここまできたのに・・・・。
 的場町のビックカメラの3階売り場に着いたとき,最初に思ったことである。
 遠くからでも見える陳列棚。そこには,現像に使う薬品等が並べられている。買おうと思っていたものは,その棚のいちばん上,中央付近にあったはずだ。
 その棚に並べられている商品パッケージは,単色で地味なものが多い。そんななかにあるカラフルな「ナニワカラーキットN」のパッケージは,遠くからもよく目立つのである。
 もしかして,「ナニワカラーキットN」を常備しなくなったんだろうか?まさか,「ナニワカラーキットN」の製造が終了してしまったのだろうか?

念のために,陳列棚に近づいてよくさがす。
 あ,あるじゃん。
 2段目の隅っこの方に,しかも少し奥のほうに押しこまれているから,上段の陰になっていて目立たなくなっていたようだ。
 しかし,パッケージを手にとってやはり失望に襲われる。
 それは,印画紙現像用の「ナニワカラーキットS」の方だった。
 「ナニワカラーキットS」があるなら,どこかに「ナニワカラーキットN」があってもおかしくない。
 「ナニワカラーキットS」の後ろに,ひっそりと「ナニワカラーキットN」が隠れていたのであった。

昼間に,的場町界隈を訪れるのは,久しぶりのことである。
 閉店することになっていた「大洲カメラ」(2008年7月21日の日記を参照)は,新しいお店にかわっていた。

新しいお店は,「オーロラカメラ」という。
 外から見るかぎり,お店はそうとうきれいになっている。さっそく店内も覗かせていただくと,レイアウト等は変更ないようであるが,すっかりきれいになっている。
 店主からいきなり,「デジカメ関係はないよ」と声をかけられる。
 私が,そういうものを求めているように見えたのだろうか?(笑)
 少なくともディジタルカメラをさがす人は,あんまり的場町には立ち寄らないように思うのだが,ま,そんなことはどうでもいい。

店主は,かなりお話し好きな方のようだ。
 お話しによれば,店主は「大洲カメラ」の常連さんだったようで,お店を引き継ぐことをすすめられたとかなんとか。定年退職になったので,趣味としてお店をすることになったとか仰せである。
 店主は,ペンタックスのカメラを愛用し,オーロラ撮影を趣味にされていたとのこと。なるほどそれで,お店の名前が「オーロラカメラ」なのか。ウィンドウに並べられたレンズのなかには,「オーロラ撮影に好適」と記されたものもある。オーロラ撮影を趣味としていた方がそういうのなら,間違いないのだろう。

店主の趣味の対象は,「豆カメラ」とよばれているものにも向いているようだ。
 「豆カメラ」は,昭和初期から昭和20年代にかけて多く製造されたカメラである。なかには「おもちゃ」のような実用にならないものもあったようだが,絞りやシャッター速度が何段階か選べるような,きちんとした機能をもっているカメラもある。現在は,対応するフィルムが供給されていないので,実際に撮影を楽しむのは困難なようであるが。
 お店を訪れたとき,店主はちょうど「フジペットEE」の整備をおこなっていた。「フジペットEE」は子ども向けの簡単なカメラとして位置づけられていたが,120フィルムを使用するため,実際に撮影を楽しむことができる。ただし筐体が大きいので,「豆カメラ」のような魅力にはかける。
 さらに店内には,非売品として「フジペット35」が展示されていた。こちらは同じ「フジペット」でも,パトローネ入り35mmフィルムを使用する。店主が実際にそれで撮ってみたという写真を見せていただいたが,「がっかり」するくらい期待はずれの,ちゃんとした写りを示すのだ。

ともあれ,なにも買わないのに長時間,お邪魔をしてしまった。まあその間に,ほかのお客さんが訪れる気配もなかったので,許していただきたい。
 そのうち,あらためてお邪魔させてもらうことにしようと思う。


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