撮影日記


2008年12月07日(日) 天気:曇のち晴

ブロニカは,
やっぱりボロニカだったのか?

朝のうちは曇りがちだった空模様も,午後からはすっきりとした晴れ間が覗くようになってきた。冬は日没が早い。15時ころには,すっかり低くなった日差しが,まだ残っている紅葉を印象的にライトアップしている。
 そこで,あわててカメラをもって家を出た。
 持ち出したカメラは,ちょうど使いかけのカラーネガフィルムが入っている,ZENZA BRONICA ETRS。レンズはシンプルに,標準レンズZENZANON MC 75mm F2.8のみ。相変わらずシャッターが不調のレンズである(2008年4月26日の日記を参照)が,1/500秒と1/250秒くらいは,なんとか使える。透過光状態の葉に露出をあわせ,背景を暗く落とすような撮り方をしたいのだから,この2速があれば十分だろう。どうせ,お手軽に手もち撮影だし。

とにもかくにも,セミ判一眼レフカメラは,お手軽である。
 クランクをほぼ1回転させれば,フィルムの巻き上げとシャッターのチャージが完了する。二眼レフカメラのRolleiflexのように,クランクをほぼ半回転させてフィルムの巻き上げ,それを逆に回してもとの位置に戻せばシャッターのチャージという動作も合理的だが,ZENZA BRONICA ETRSのようにくるっと1回転させる方が,潔く感じられてストレスがない。
 ファインダーを覗けば,ピントも見えやすく,そのままシャッターレリーズボタンを押せばよいのは,一眼レフカメラの特権。フィルムをとっとと消費するべく「くるくる」「ぱこん」と,調子よく撮っていたところで,異変が起こった。
 「ぱこん」となるべきところが,「ぱこ」で止まったのである。異変は指先にも感じられた。戻ってくるはずのシャッターレリーズボタンが,ひっこんだまま出てこないのである。

シャッターレリーズボタンがひっかかった,というだけのことではないようだ。シャッターの動作が途中で止まったのか,もはや巻き上げクランクも動かない。ZENZA BRONICA ETRSでは,シャッターをきちんとチャージした状態でなければ,レンズをはずすことができない。完全にかたまってしまって,動きがとれなくなってしまったのである。

このとき,お約束のフレーズが,頭をかすめた。

「ブロニカは,やっぱりボロニカなのか?」

さて,内部でメカニズムがひっかかってしまったなら,分解してみるしかなさそうだ。シャッター速度ダイアルのある側なら,以前,分解したことがある(2008年4月1日の日記を参照)が,シャッターレリーズボタンのある側は,まだ分解したことがない。巻き上げクランクや,ロールフィルムホルダへの連動機構などもあるので,少々面倒なことになりそうな気がするが,使えない状態のまま,放っておくわけにもいかない。
 とりあえず革をめくってネジをはずしてみるか,と側面を見てみると,そこに気になる箇所があった。

ここは,モーターワインダーやスピードグリップなどと連動する接点である。電気的な接点であると同時に,シャッターレリーズの動きを伝える接点でもある。穴のなかに1つ,ボタンが見えている。これが,シャッターレリーズの動きを伝えるものではないだろうか・・・・・ボールペンの先で,ぐぐっと押しこんでみた。

ぱこん

これで,問題解決である。
 万一,動作にトラブルが生じても,このように簡単に解決することができるなら,むしろ「よいこと」ととらえるべきだろう。
 まあ,そもそも「ジャンク扱い」で買ったカメラ(2008年3月25日の日記を参照)なのだから,この程度のことで文句を言ってはいけないのだ。うん,そうだ。そういうことに,しておこう。


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