撮影日記


2008年12月02日(火) 天気:晴

ナニワカラーキットNを使う

「ナニワカラーキットN」は,カラーネガフィルムの現像処理をする薬品のセットである。これは,「発色現像」と「漂白・定着」という工程で処理をおこなう2浴式とよばれるものだ。購入価格は2520円,説明書によれば24枚撮35mmフィルムを20本処理できるとのこと。
 自宅で処理することのメリットは,ラボに頼みにくい現像ができることだ。具体的には,変わった大きさにカットしたフィルムの現像があげられる(2008年10月13日の日記を参照)。そのほか,クロスプロセス現像という遊びも,実験できるようになる。クロスプロセス現像とは,ポジフィルムをカラーネガフィルム用の処理をする(あるいはその逆)ことで,カラーバランスやコントラストが崩れた画像を得る手法である。もっともこれは現像液への負担が大きいらしく,あまり歓迎されないもののようである。

先に,「ナニワカラーキットN」では,20本の処理ができると書いた。しかし,薬品を溶解して使用できる状態にすると,保管期間は10日間とのことである。薬品は半分ずつ使えるようになっているが,そうしたとしても,10日間で10本の処理をしないと,薬品が「もったいない」ことになってしまうわけだ。
 そのため,処理したいフィルムがある程度たまるのを待っていたのである。
 そしてついに,この日が訪れた。

「ナニワカラーキットN」を半分使うと,500mlの処理液ができる。

発色現像の時間は説明書によれば,標準処理で5分30秒,高温処理で3分15秒とのことである。ここでいう標準処理は30℃,高温処理は38℃だ。当然ながら,この温度と時間を厳守することが望ましいことはいうまでもない。
 温度を保つには,湯せんするのが無難であると思われる。そこで,あまり出番のなかった恒温器を使ってみることにした。恒温器の上にバットをおき,そこにお湯を入れる。恒温器を適当に調節して,バットのなかのお湯の温度が32℃くらいに保たれるようにした。少し高めにしておくのは,冷えた現像タンクを急に入れることに備えてのものだ。
 ここに現像タンクをひたし,あとは説明書どおりに15秒ごとの撹拌をおこないながら,規定時間の現像をおこなう。

漂白・定着,水洗を終えて取り出したフィルムには,ちゃんとカラー画像があらわれている。以前,「LPLカラーネガフィルム現像キット(CNF)」を使ったとき(2008年10月04日の日記を参照)と同じく,これも「そうなるようにつくられている」から画像が得られて当然なのだが,ひとまず安堵する。

MAMIYA35 EE MERIT, MAMIYA-KOMINAR 40mm F2.8, DNP CENTURIA100

いま,撮りためているフィルムや,進行中のフィルムが7本ほどあるので,週末くらいまでに使いきって処理を済ませてしまおうと思う。そのあとさらに,Vest Pocket TENAXでの撮影と現像処理をおこなえば,ほぼ規定の「10本」分の処理をしたことになるだろう。
 その,ほぼ力を使い果たした現像液を使って最後に,クロスプロセス現像の実験をしてみたいものだが,さて,そこまでの時間がとれるかどうか・・・・。


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